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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2025年2月

NEW
行く道がなだらかになり手を合わす    三浦カツヱ
【評】これから歩む道が穏やかである事を願う迷いのない心情。これまでの人生にも、合わせて合掌の場面。感情が入ります。
道しるべ探してるうちに古稀となり    田中  壮
【評】道標(みちしるべ)とは一本とは限らず数え切れない程あります。これから、時間をかけて、楽しみながら探すのも冒険でもあり学習にもなりますよ。
主治医から頂きました卒業証       上杉 洋子
【評】「卒業」という立派な証(あかし)を頂いた瞬間の悦(よろこ)びが一句に表現されてます。おめでとうございます。
定まった道などないが成るがまま     作山 キヌ
【評】言葉少なく、単刀直入に要点をついている。「軽み」こそ川柳。それでいて広い視野で見ている。
親心叱り過ぎたか揺れている       岩谷 隆史
【評】良かれと思って放った言葉が、少し強すぎた。「揺れている」のリアル感が切なく温かい。「穿(うが)ち」も川柳。
余白にはしあわせ色のピンク塗る     三浦津彌子
【評】文字や絵のない余白には、不自然さを避けてピンクを塗る。「しあわせ色」と言う。

2025年1月

「雪寄せ」を「体力作り」と変換し    佐藤 雅之
 【評】パソコンの変換のごとく、自らに言い聞かす。「また雪か。よし、体力作りだ」。
思うまま飛んでみようか年女       三浦カツヱ
 【評】歯切れと勢いが絶妙。思うまま飛ぶ、の自由さと、年女の覚悟が伝わる。
孫が泣く親に渡したお年玉        藤盛 睦子
 【評】孫さんの気持を思う時すがすがしい気持。温かさが伝わって来る。
灯油高貧乏ゆすりで暖を取る      三ツ倉奈美子
 【評】発想がおもしろい。テンポよく表現している。
おふくろの味出せぬまま古希迎う     伊藤久美子
 【評】「お母さんの味」はそのまま温存しましょう。少し工夫して自分の味にトライしてみるのも冒険ですよ。伝来の味への挑戦スタート‼
娘(こ)も初老足並揃い咲く会話     須藤 良子
 【評】長い時間空間を超え母娘(おやこ)での会話が接点にゴールしました。一足早く会話の花が咲きましたね。喝采‼

2024年12月

父のびんた暖かかった痛かった      岩谷 隆史
 【評】今だとパワハラだのなんのと云われますが昔は教育の一つか。よくあったこと。
お正月子供大好き親嫌い         庄司ふさお
 【評】正月はお金がかかる。孫が多いと大変です。わかるわかる。
黒髪をなでた青春遠い過去        鳥潟  洵
 【評】左手で粋(いき)に掻き上げてた黒髪も今は何処(いづこ)へ。不思議な現象ではありません。青春の時代の一ページとして時にめくってみましょう。
もの足りぬ言葉に少しスパイスを    御所野ユウ子
 【評】会話中、終えた後(あと)、何となく空っぽ感を感じる事がありますね。締めことばの大切さ、最後に一言(ひとこと)スパイスで足りない空間を埋めましょう。
何色にも染められてない黒が好き     柳谷 公子
 【評】他の色に染まらない色、真似したり影響されたりしない色、確固たる自信、自覚の色。詠んだ人の気持ともとれますね。
今だから揺蕩(たゆた)うように生きてみる 佐京奈緒美
 【評】ゆらゆらと動いて定まらない、躊躇することの多い生活。しかし世の中は、何でも有りの、百人百様の生き方。迷ってても進歩してます。

2024年11月

気の強さ逃げる苦労を買う癖が     梅村 房子
 【評】必死な姿が浮かぶ、前向きな姿に共感。
子へ帰る祖母をなだめる子守唄     三浦 紀子
 【評】すがすがしい一句。温かさが伝わって来る。
物価高(ダカ)戦う相手マイ財布    濱田 武光
 【評】現況をズバリ切ってます。一億総決起の時が再来したのかと思わせる一句。早めの鎮静剤を。
逃げ場所の椅子を温め迎え入れ     清水てい子
 【評】迷いが生じた時、人は必ず安らぎの空間を求めます。静かに出してくれた温かい椅子がすべてを悟ります。ホッとする一句。
土壇場で逃げがちらつく風見鶏     澤田  亮
 【評】せっぱつまって、進退きわまる場面では、逃げた方が楽。人間風見鶏は戴けないが、屋根の上の風見鶏は立派です。
我が家には指示役居らず皆フリー    千葉 恭子
 【評】軽佻浮薄の世の中。指示役も実行犯も二十歳です。家の中ではフリーでも、時には指示役も要ります。

2024年10月

少年の脱皮戸惑う家族達        児玉ユキヱ
 【評】「少年の脱皮」思い切った表現にするどさを感じる。
都会より娘案じて米届く        新号 光子
 【評】米不足と云われた昨今、都会から温かさが伝わって来る。娘さんに感謝ですね。
涙するそっと出された癒しの茶     清水てい子
 【評】涙する場面に、ことばなくそっと置かれた温かいお茶。身も心もほぐれる一瞬。手を合わせたくなる心境を写す一句。
眉を引く今日のこころを整える     片岡登代子
 【評】眉をキリリと引くことでこれを最後の〆(シメ)とする。今日への出陣の場面ですね。良き日でありますように。
笑顔でも心の中は乱気流        三浦 紀子
 【評】屈託のない笑顔でも、心の中ははかれません。乱気流としたのは見事、百八十度の比較対照ができました。
畑にはベジタリアンの虫だらけ     加福みよこ
 【評】家で待っているベジタリアンの前に、畑のベジタリアン(主として幼虫)がサクサクと穴をあけ食べています。ユーモアは川柳の真髄です。
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