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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2024年6月

NEW
靴底が教えてくれる歩き癖      伊藤久美子
 【評】自分の歩き方を正確に知ってる人は少ないと思います。必ず特徴はあるはず。探検隊がそれは靴底だと結論づけたのですね。姿勢を正し靴に感謝して歩きましょう。学びの一句ですね。
茶髪の男(こ)老いたる人に席譲る    長崎トモコ
 【評】「席譲る」の場面の表現に瞬間心の温(ぬく)もる感をもちました。茶髪の男(こ)と読んだのは特別意識があったのかも知れませんが特別の事をしたのではありません。句を読んでホッとしました。
値上りで薄着をさせた鯵フライ      須藤 良子
 【評】「値上り」といつもより薄い「鯵フライ」が今般の庶民生活の現実を鮮やかに詠んでいると思います。すっぱ抜きましたね。
このままで生きていきます怠け癖     伴  朝子
 【評】生来のんびり屋なので、別に怠けているとも思わないのですが、生きていきますこのままで。潔く力強く前向きです。
古傷が疼(うず)きだしそな独りの夜   清水てい子
 【評】まわりに人が居なくなると、過ぎし日の事が思われて、しかも失敗や感情の高ぶった日のことが、鮮やかに嫌(いや)みたらしく浮かんできます。一杯飲みましょう。
目も耳も都合に合わせ見え聞こえ     伊藤 雅之
 【評】欲目もあり、地獄耳もあり、その場に応じて五感が働く。時には働きすぎる。ヒトだもの、高等動物だもの。

2024年5月

AIに愛の深さは解らない        須藤 良子
 【評】AIの集めた情報・知識から、愛の深さを推論されたら、人間要らない。コンピューターに負けぬ深い愛を持とうか。きっぱり言い切る軽みがいい。
幸いかな悪事に使う頭脳無く       伊藤久美子
 【評】悪知恵くらいは誰でも持つが、国際犯罪の極悪頭脳は恐るべし。「かな」は気持の共有でしょうか。お互い無くて良かったですね。
桜散り玄関チャイム初夏を待つ      高谷 勝子
 【評】去るものは追わず。チャイムは又新しい季を迎える事に準備完了。いつでもどうぞ。夏のさわやかさを感じます。
老いてこそ常に感じる洒落ごころ     佐々木清子
 【評】老いを感じたら必ず鏡と対する時間を待ちましょう。何故?今のままでいられるように願いも込めて。「洒落ごころ」決め手の五字ですね。
大文字見えて安堵の旅帰り        畠沢ヤエ子
 【評】「おつかれさま」と迎えてくれるシンボルがあるだけで旅の疲れも忘れますね。「安堵」の表現ホッとした気分になりました。
飛びなさい糸はとっくに切れている    児玉ユキヱ
 【評】いつまでも親の庇護のもとにあると思うな。行きなさい。親のきびしさが優しく出ていてリズム抜群。

2024年4月

ホームラン口笛吹いて部活終え      高谷 勝子
 【評】「口笛吹いて」が何んとも言えぬすがすがしさを表現し少年像が浮かぶ。
三度乗り体重計に諭される        芳賀 優子
 【評】三度も乗られると体重計も困りますよね。温かさとユニークさが伝わる。
同病者慰め合って四人部屋        珠井 妙安
 【評】四人部屋は狭くてプライバシーを不安がるも、退院の日は、一皮剥(む)けて皆いい顔。後日訪問し 合った人も。人生修養です。
美辞麗句並べて乗せる口車        三浦カツヱ
 【評】口先でのうまい言いまわしに騙(だま)されて、乗ったことは誰にもあるでしょう。口三味線とも言う そうな。作者もたぶん。
ありがとう言霊(ことだま)乗せてブーメラン   須藤 良子
 【評】ありがとうの五文字は、生きてゆくための潤滑油の様なもの。ブーメランに乗って必ずもどって来ま す。待ちましょう。
孫の口真一文字の初出勤         長井 幹子
 【評】お孫さんの凛凛しい姿、まるで若武者のイメージですね。初戦場へ。応援しましょう。

2024年3月

コンビニは街の灯台ひとり旅       片岡登代子
 【評】「街の灯台」なんというたとえ、なんとも美しい表現か。温かさが伝わって来る。
下駄箱にメモ忍ばせた青い春       鎌田 邦子
 【評】今よみがえる青春の思い出。そんな時もあったっけな。若かったネ。
食べ過ぎて罪の分だけ歩数増え      須藤 良子
 【評】食べ過ぎを罪と表現するには勇気がありますね。でもすぐに対応出来てます。教訓的な一句になりますよ。
試供品待っても出ない美の効果      伊藤久美子
 【評】美肌は女性の憧れ。美麗な書き出しに呑まれてしまい勝ち。年令とともに寄りそって来た相棒として皺もシミも友達感覚でお付き合いしましょう。
楽だろなどうでもいいと思えたら     中嶋ゆう子
 【評】O型だったら鷹揚(おうよう)に構えるのに、見逃せない、見逃せない、黙っておれない性分なのですね。B型かA型どちらでしょう。
食指だけはまだまだ動き元気です     浅岡  仁
 【評】食欲だけでなく、何でも見たい知りたい人、好奇心旺盛な人は、めっちゃ元気です。

2024年2月

NEW
シンプルな料理も器(うつわ)で化粧する 畠沢ヤエ子
 【評】単純な食材でも器(食器)がお化粧してくれたり衣装になったり七変化してくれます。主婦なりの視点。あざやか。
悔い減らし今居る場所で笑いたい   加賀 文子
 【評】「悔い」のない人生も又、重みがないもの。今が笑えればそれで幸せ。笑える場所空間を積極的に探しましょう。
老い佳境亡くすもの増え悔やむ日々  藤原レイ子
 【評】失い体験が続き、それに固執すると自分を責める場面に入りこんでしまいます。これは絶対にアウト。「老い佳境」の生き方で結構。これからが面白く興味深い人生である事に今すぐギア、チェンジです。
各派閥揺れて壊れて大地震      伊藤久美子
 【評】揺れて壊れて途方にくれる政界は、能登の大地震と同じ時期、惨状も比べられて風刺、滑稽という川柳の真髄を突いています。
この国に納税拒否をしたくなり    齋藤 優子
 【評】世の中が不満で爆発しようとする時に、選良(エリート)と呼ばれる政治屋がこの様(ざま)では、よその国へ行って納税したい。ごもっとも。良く言ってくれました。
背を向けて興味ないふりダンボ耳  三ツ倉奈美子
 【評】気になってつい耳だけをそちらへ向けている。ゾウの耳のように大きくして。なつかしいディズニーのダンボ君。皆おぼえていますね。
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