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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2025年6月

NEW
夢の中一億円で舞い上がる        佐藤レイ子
【評】夢でも喜びが伝わって来る。本物になったらどうしよう。
粗大ゴミ捨てるに惜しむ昭和の眼     片岡登代子
【評】特に終戦直後は捨てる物は何一つなかった。必死な姿も浮かぶ。永久の平和の祈りも深い。
逆風が育ててくれたど根性        児玉ユキヱ
【評】順風(追風)に運ばれても、有り難さを感じないが、逆風にはど根性が育つ。強(したた)かさ、ずぶとさも。力強い言い切り方、濁音が真に迫る。
披露宴音痴を忘れ祝い歌         高谷 勝子
【評】歌う方も聞く方も、酒がまわって皆幸せの状態なので、「痴」が消えたのでしょう。場面全体が「川柳」になっています。ユーモアです。
欲ばると心の視野が欠けてくる      須藤 良子
【評】人間社会で「欲優先」の場面ほど醜いものはありません。安寧を願う教訓的な一句。心の洗濯も忘れずに。
表より中身みがいて燻(いぶ)し銀    菅原 賴子
【評】「燻し銀の様な人」。しぶくて味わい深い人の表現ですね。「中身みがく」が効いています。表面からは、いくらみがいても出せない色、言葉では表現できない色に挑戦してみませんか?

2025年5月

チャレンジをラストチャンスにかける夢  大久保文子
 【評】まってました。素直な気持ちと前向きな表現が心地よい。
リヤカーに命を乗せて防災日       加賀 文子
 【評】「リヤカーに命を乗せる」という表現に現実味を覚える。テンポのよい表現もよい。
割りきれぬ気持ちにシャワーを掛けてみる 佐々木千枝子
 【評】迷路に入った時、人は抜け出そうともがきます。シャワーで逃げられましたか? 何事も体験。切迫した感情が表現されてますね。
長居せず踏み込み過ぎず続く仲      濱田 武光
 【評】「生きかた上手」そのものですね。長い人生、色々格言はありますが、この原則に尽きると思います。一句に拍手!
手をつなぐ孫が私の充電器        芳賀 優子
 【評】孫とつなぐ手がコードとなって、老いる身を充電してくれるとは、何と温かい、力強い。ほのぼの川柳、軽みが良い!
行く末の思い新たに卒寿かな       作山 キヌ
 【評】子の行く末よりも、自分の老いさきをじっくり考える九十歳です。九十路(ここのそじ)です、白寿までお元気で…。

2025年4月

助手席に乗るのはあなただけと決め    虻川 正美
 【評】家庭平和には一番。温かさが伝わってくる。
痒いとこ背中届かぬあと五ミリ      佐藤 雅之
 【評】「あと五ミリ」になんとも云えぬ作者の気持ちが伺える。
一合の酒がしゃべらす夫婦論       伊東 誠子
 【評】お酒は魔物(まもの)といいますね。場作りの天才。何をテーマに話し合ったのでしょう。幸せ論…。どうぞこれからも続けられます様に。
雪溶けを待ってましたと草の声      片岡登代子
 【評】じっと耐えていた草も陽の光に声をあげました。瞬間の喜びに共感。メロディーが流れてる様な場面設定です。 
がんばって生きて醜くなる矛盾      佐京奈緒美
 【評】頑張って生きて、品性が身につき、徳も備わって心の美人になってます。もう化粧も最小限に…。軽快なユーモアです。
乗りたいな天国の下見豪華船       伊藤久美子
 【評】三年暮らした浦島太郎と違って、三日で飽きるのでは。それより生きていましょうよ。軽快な句です!

2025年3月

初デート今日はあなたの花になる     三浦 紀子
【評】あなたのやさしさがよく表現されてあたたかさが伝わって来る。
退院だ我家一番うれしいな        加福みよこ
【評】屈託のない表現が心地よい。すがすがしい一句。
大好きなうなぎ半値でうれしい値(ね)  芳賀 ヒサ
【評】「値」が重複しても異和感感じない句の流れ。最後の「値(ね)」の〆(しめ)が笑顔をさそいますね。
少し派手「お似合いです」の甘い罠    伊藤久美子
【評】肯定的なことばには特に魔力があります。「甘い罠」と感じたら一歩下がりましょう。試着時の心の揺れを上手にまとめていますね。
ありえない瑞穂の国で米投機       高林 政輝
【評】瑞穂のみのる国日本で、米の売買取引するなんて嗚呼(ああ)哀れ。作者の怒り心頭に発するのです。
何もかも見透かすような聞き上手     伊東 誠子
【評】アドバイスは控えめに、結論は言わず、たまに問いかけ言わせ上手。簡潔な表現が見事です。

2025年2月

行く道がなだらかになり手を合わす    三浦カツヱ
【評】これから歩む道が穏やかである事を願う迷いのない心情。これまでの人生にも、合わせて合掌の場面。感情が入ります。
道しるべ探してるうちに古稀となり    田中  壮
【評】道標(みちしるべ)とは一本とは限らず数え切れない程あります。これから、時間をかけて、楽しみながら探すのも冒険でもあり学習にもなりますよ。
主治医から頂きました卒業証       上杉 洋子
【評】「卒業」という立派な証(あかし)を頂いた瞬間の悦(よろこ)びが一句に表現されてます。おめでとうございます。
定まった道などないが成るがまま     作山 キヌ
【評】言葉少なく、単刀直入に要点をついている。「軽み」こそ川柳。それでいて広い視野で見ている。
親心叱り過ぎたか揺れている       岩谷 隆史
【評】良かれと思って放った言葉が、少し強すぎた。「揺れている」のリアル感が切なく温かい。「穿(うが)ち」も川柳。
余白にはしあわせ色のピンク塗る     三浦津彌子
【評】文字や絵のない余白には、不自然さを避けてピンクを塗る。「しあわせ色」と言う。
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