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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2025年1月

NEW
「雪寄せ」を「体力作り」と変換し    佐藤 雅之
 【評】パソコンの変換のごとく、自らに言い聞かす。「また雪か。よし、体力作りだ」。
思うまま飛んでみようか年女       三浦カツヱ
 【評】歯切れと勢いが絶妙。思うまま飛ぶ、の自由さと、年女の覚悟が伝わる。
孫が泣く親に渡したお年玉        藤盛 睦子
 【評】孫さんの気持を思う時すがすがしい気持。温かさが伝わって来る。
灯油高貧乏ゆすりで暖を取る      三ツ倉奈美子
 【評】発想がおもしろい。テンポよく表現している。
おふくろの味出せぬまま古希迎う     伊藤久美子
 【評】「お母さんの味」はそのまま温存しましょう。少し工夫して自分の味にトライしてみるのも冒険ですよ。伝来の味への挑戦スタート‼
娘(こ)も初老足並揃い咲く会話     須藤 良子
 【評】長い時間空間を超え母娘(おやこ)での会話が接点にゴールしました。一足早く会話の花が咲きましたね。喝采‼

2024年12月

父のびんた暖かかった痛かった      岩谷 隆史
 【評】今だとパワハラだのなんのと云われますが昔は教育の一つか。よくあったこと。
お正月子供大好き親嫌い         庄司ふさお
 【評】正月はお金がかかる。孫が多いと大変です。わかるわかる。
黒髪をなでた青春遠い過去        鳥潟  洵
 【評】左手で粋(いき)に掻き上げてた黒髪も今は何処(いづこ)へ。不思議な現象ではありません。青春の時代の一ページとして時にめくってみましょう。
もの足りぬ言葉に少しスパイスを    御所野ユウ子
 【評】会話中、終えた後(あと)、何となく空っぽ感を感じる事がありますね。締めことばの大切さ、最後に一言(ひとこと)スパイスで足りない空間を埋めましょう。
何色にも染められてない黒が好き     柳谷 公子
 【評】他の色に染まらない色、真似したり影響されたりしない色、確固たる自信、自覚の色。詠んだ人の気持ともとれますね。
今だから揺蕩(たゆた)うように生きてみる 佐京奈緒美
 【評】ゆらゆらと動いて定まらない、躊躇することの多い生活。しかし世の中は、何でも有りの、百人百様の生き方。迷ってても進歩してます。

2024年11月

気の強さ逃げる苦労を買う癖が     梅村 房子
 【評】必死な姿が浮かぶ、前向きな姿に共感。
子へ帰る祖母をなだめる子守唄     三浦 紀子
 【評】すがすがしい一句。温かさが伝わって来る。
物価高(ダカ)戦う相手マイ財布    濱田 武光
 【評】現況をズバリ切ってます。一億総決起の時が再来したのかと思わせる一句。早めの鎮静剤を。
逃げ場所の椅子を温め迎え入れ     清水てい子
 【評】迷いが生じた時、人は必ず安らぎの空間を求めます。静かに出してくれた温かい椅子がすべてを悟ります。ホッとする一句。
土壇場で逃げがちらつく風見鶏     澤田  亮
 【評】せっぱつまって、進退きわまる場面では、逃げた方が楽。人間風見鶏は戴けないが、屋根の上の風見鶏は立派です。
我が家には指示役居らず皆フリー    千葉 恭子
 【評】軽佻浮薄の世の中。指示役も実行犯も二十歳です。家の中ではフリーでも、時には指示役も要ります。

2024年10月

少年の脱皮戸惑う家族達        児玉ユキヱ
 【評】「少年の脱皮」思い切った表現にするどさを感じる。
都会より娘案じて米届く        新号 光子
 【評】米不足と云われた昨今、都会から温かさが伝わって来る。娘さんに感謝ですね。
涙するそっと出された癒しの茶     清水てい子
 【評】涙する場面に、ことばなくそっと置かれた温かいお茶。身も心もほぐれる一瞬。手を合わせたくなる心境を写す一句。
眉を引く今日のこころを整える     片岡登代子
 【評】眉をキリリと引くことでこれを最後の〆(シメ)とする。今日への出陣の場面ですね。良き日でありますように。
笑顔でも心の中は乱気流        三浦 紀子
 【評】屈託のない笑顔でも、心の中ははかれません。乱気流としたのは見事、百八十度の比較対照ができました。
畑にはベジタリアンの虫だらけ     加福みよこ
 【評】家で待っているベジタリアンの前に、畑のベジタリアン(主として幼虫)がサクサクと穴をあけ食べています。ユーモアは川柳の真髄です。

2024年9月

妻の怪我あわてる夫のニューエプロン   三上タツ子
 【評】新鮮な御主人のエプロンスタイル…、日常の円満さがそのまま十七文字に表現されました。喝采‼
建前と上着を脱いで入る宅        須藤 良子
 【評】テンポよく表現されているところがよい。主婦の心情が面白い。
抜けた髪もったいないと付けてみる    嘉成セツ子
 【評】笑うに笑えない句。必死な姿がうかぶ。実感がこもっている。
人の和を繋いでいます軽い嘘       伴  朝子
 【評】ほんの一つまみの調味量が料理の味を大きく変える場合もあります。嘘をすべて悪いと表現せず、エッセンスとして上手に使う技術も持ちたいですね。
信用を暖簾(のれん)に染めている老舗(しにせ) 岩谷 隆史
 【評】秘伝のタレと同じく、むやみに暖簾は変えない。信用が染み込んでいます。暖簾を見て味わってから入店しましょう。いぶし銀の句。
米消える一億人の目眩(くら)まし    清水てい子
 【評】米余りを言っておいて無くなったとは。一億人の目をあざむいての農水省に、風刺を通り越して反骨の句です!
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