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内科でよくみるめまいを引き起こす病気

のき内科クリニック院長
田面木 友久


 グルグル、フラフラ、クラクラ・・・
様々な症状がめまいと表現されますが、原因となる疾患も様々です。では、めまいの時は何科を受診すれば良いのでしょうか。
 めまいの原因は耳鼻科と脳神経外科領域の疾患が多いのですが、めまいあるいはめまいのような症状を訴えて内科を受診する患者さんも多数います。体には異常がなく、心の問題で起こることもあります。
11月19日(土)午後2時から4時、中央公民館で開催される「第41回 地域の医療を考える集い」では「めまい~何科を受診したらいいの?~」というテーマで脳神経外科、耳鼻咽喉科、内科、心療内科の医師が、日常診療でよくあるめまいについて、それぞれの立場で講演します。
 今回は私が内科を担当しますので、紙面を借りて講演の概要をお話します。
めまいの原因で最も多いのは、加齢によるふらつきです。急に立ち上がった時や、歩き始めなどに感じるようですが、動脈硬化による血流の低下や下肢筋力低下が原因になっているようです。しゃがんで立つことが出来ますか?出来なければ筋力が低下している証拠です。足腰を鍛えましょう。
 しかし、重大な病気が見つかることもありますので、一度は詳しい検査が必要です。ここでは特に重要と思われる疾患についてご説明します。
 
1.貧血
ここでお話する貧血とは血が薄くなることで、いわゆる脳貧血のことではありません。軽い貧血では全く症状がありませんが、ひどくなるとフラフラしたり息切れしたりします。治療も大事ですが、最も大事な事はなぜ貧血になったのかという事です。
体のどこかから出血しているか、血液を作る働きが悪くなっているか、どちらかです。40歳以上で、徐々に貧血が進んでいる場合、胃癌と大腸癌がないか必ずチェックしてください。癌には出血しやすいという特徴がありますから、少しずつ出血して貧血が進むのです。貧血がきっかけで癌が見つかる事はしばしばです。女性の場合は婦人科受診も必要です。
多くはありませんが、白血病などの血液疾患が原因の事もあります。
 
 
2.不整脈
不整脈で目の前が暗くなったり、失神したりすることがあります。不整脈の場合は動悸がすることが多いのですが、全く感じないこともありますので、心電図は必須です。失神した場合は24時間心電図も必要になります。
 
3.低血糖
血糖値が下がると、脳のエネルギーが不足するため、フラフラしたり、意識レベルが低下したりします。ほとんどの場合は糖尿病の治療に伴うものです。最近は低血糖になりにくい薬が主流になったため、あまり起こらなくなりました。しかし、糖尿病の患者数はとても増えていますので、低血糖を見たら糖尿病の治療をしていないか必ず内服薬をチェックします。
 
4.神経疾患
パーキンソン病などの多数の疾患がありますが、疑わしい時には専門医(神経内科医)に紹介しております。
他にもめまいの原因は多数あります。数日で改善すれば問題ありませんが、長引く場合には重大な病気がないか、何科でも結構ですので一度受診してください。

(大館市 平成28年11月11日掲載)

 

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