本文へ移動

今日のニュース

今月のニュース

2023年12月

新電力会社の設立検討 大館市 「脱炭素先行地域」応募へ 花岡地区を対象に

2023-12-07
NEW
 温室効果ガス排出量削減を国が支援する「脱炭素先行地域」で、大館市は本年度の応募に向けて地域新電力会社の設立を想定している。花岡地区を対象エリアとし、事業所などが発電したエネルギーを地域内に供給することで地産地消を目指す。廃熱を活用する高付加価値農業なども検討している。
 環境・リサイクル事業を手がけるDOWAグループが花岡地区を拠点としており、市は共同提案者と位置付けている。
 工場屋根への太陽光発電パネルや大型蓄電池の設置、廃タイヤ油化発電を検討しているほか、花岡総合スポーツ公園内で木質バイオマス発電を展開したい考え。地域新電力会社はこれらの再生可能エネルギーを買い取り、花岡地区内の公共施設や家庭などに供給する。
 木質バイオ発電はチップを加熱し、一酸化炭素や水素などの可燃性ガスを取り出して冷却、ガスエンジンの動力を受けて電気を生み出す仕組み。エンジン冷却水から回収した熱も利用できる。
 廃熱についてはキノコ栽培や高付加価値農業、養殖などに活用し、資源循環を目指す。木質チップ調達を通した林業振興、障害のある人たちが農林業に従事する「農福連携」なども想定。公園はスポーツ施設として県から譲渡されたため、発電に使用する場合は用途変更の手続きが必要となる。
 脱炭素先行地域に選定されると、再生可能エネルギー導入や建築物の省エネ化などについて支援が受けられる。国は2025年度までに少なくとも100カ所を選び、1自治体に対し5年間で最大50億円を交付する。21年度から4回にわたって計画を募り、応募があった計241件から74件が選ばれた。県内では共同申請した県と秋田市、大潟村の2件。

来年以降の継続決定 100㌔チャレンジマラソン 秋田県民生協が継承

2023-12-07
NEW
事務局の継承と来年以降の大会継続を決めた実行委の会議(阿仁ふるさと文化センター)
 「北緯40度秋田内陸リゾートカップ100㌔チャレンジマラソン」の実行委員会(黒澤芳彦会長)は6日、北秋田市阿仁ふるさと文化センターで会議を開き、同市の社会福祉法人・秋田県民生協会が事務局を引き継ぎ、来年以降も大会を継続することを決めた。同法人の木村久美夫理事長は「続けることができてありがたい。各地区の運営ノウハウを教わりながら頑張りたい」と話した。
 3月の実行委総会でスタッフの高齢化やボランティアの人員不足を理由に、現在の実行委体制で開催するのは31回大会(9月24日)で終了すると決定。その後、職員数約670人で福祉施設などを運営する同法人が、大会継続に協力したいと事務局継承を申し出た。6月の会長会議で新たな体制に移行することを確認。同法人は実行委を構成する各地区を回り、運営の課題などを聞き取った。
 この日の会議には、6地区の代表者や同法人などの12人が出席。事務局は体制の移行について経過を説明し、会長会議で▽大会名の継続▽大会回数の引き継ぎ▽ランナー名簿や備品等の継続使用―を承認したと報告。課題となっていた各地区のボランティア不足については同法人が職員を派遣するなどして対応する案を示し、代表者が承認した。事務局はこれまで同様に市交流センター内に設置する。
 各地区との具体的な協力体制などは今後の会合で協議する方針。木村理事長は「地域活性化の上で、なくなってしまうのはいたたまれない大会だった。続けることができてありがたい」と話した。黒澤会長は「私たちも協力していきたい」と述べた。
 来秋の32回大会は9月22日の開催が決定。各種目男女年代別表彰を新設し、新体制移行のイベントも予定している。
 このほか今年の大会を振り返り、仮設トイレが不足する箇所があったことなど、反省点を確認した。
 仙北市角館―北秋田市鷹巣間で開催される大会は、地域振興などを目的に1989年に始まった。今年9月に開かれた31回大会には100㌔の部に988人、50㌔の部に414人が出走した。

「子どもが喜ぶ作品を」 セメント工芸で動物 大館市比内町 羽澤喜美さん(80)

2023-12-07
NEW
動物などを題材にしたセメント工芸品(比内町達子)
 今にも動き出しそうなフクロウが、ずらりと並ぶ。セメントで作られた工芸品だ。「納得のいく仕上がりになるまで、途中でやめることはできない」。そう語るのは、制作者の羽澤喜美さん(80)=大館市比内町達子。約20年にわたって趣味で続けており、これまでに約100点以上を手がけてきた。体の節々は痛むが「あと1年、子どもが喜ぶ作品を作りたい」と気力を奮い立たせている。
 地元の中学校を卒業後、60歳まで左官職人として働いた。飾り用に上司から頼まれて、アニメ映画「となりのトトロ」のキャラクターを制作したのがセメント工芸に足を踏み入れるきっかけとなった。
 作品完成後、「こうした方がもっと良くなる」と追求心が湧いたという。セメントを扱う仕事の経験を生かして独学で作り続け、腕を磨いた。
 作品は、発泡スチロールを使った骨組みから始まる。大まかな形が出来上がると、小手を使ってセメントで丁寧に肉付け。指などで細部の仕上げを施したら、ヒビが入らないように約3カ月間、直射日光を避けて寝かせる。ペンキで色を塗って10日間ほど乾燥させたら完成という。
 フクロウやリス、トラなど動物を題材にした作品が多く、アニメキャラクターも手がける。手のひらサイズから高さ約1㍍のものまで自在に制作する。昔は絵や写真を元に作っていたが、今は長年の勘を頼りにしている。かわいらしく見える表現を心がけており、作品を見た子どもから「かわいい」という声が上がる。
 制作は冬に行っており、作業はあくまでも「退屈しのぎ」だと話す羽澤さん。長年続けている理由を聞くと「好きだから」。途中でやめることができない性格で「最後まで納得のいく仕上がりになるまで作り続ける」と職人かたぎな一面を見せた。
 比内芸術文化祭に10回以上出展しており、先月3日に開かれた同文化祭では、フクロウを中心に約40点を展示した。
 体力的に年々制作が厳しくなってきたが、「作るのはあと1年。子どもが喜ぶ作品を作りたい」と目標を語った。

扇田病院無床化 「方向性として堅持」 厚生委 福原市長が考え示す 大館市12月議会

2023-12-06
厚生委の総括質疑(大館市役所)
 大館市の12月定例議会は5日、前日に続いて2常任委員会が総括質疑を行った。厚生委(田村儀光委員長)では病院事業経営強化プラン案に質問が集中。扇田病院の無床診療所化について福原淳嗣市長は「方針は変わっていない」と強調した上で「事業の持続性を担保しつつ赤字の幅を縮小する最善の道」と述べ、「無床化は一つの方向性として堅持すべきだ」との考えを示した。
 プランは2024年度から4年間。素案では県の2次医療圏再編を見据え、総合病院を県北の中核として機能整備を図る一方、期間内は扇田病院の病床を一定数維持する必要があるとして年度に2病棟を1病棟体制へ見直すとしている。
 委員から「一部で方針転換との見方もある」と問われ、市長は「転換ではない。将来的に扇田病院は現在の形態ではなくなる。人口7万人を切った自治体で、二つの公立病院を維持していくのは無理」と答弁。医療圏再編に触れながら「総合病院は県北の要になる。方向性をしっかりと定めるために、まずは現状に即したプラン案を作成した」と述べた。
 現行の病床数104床を25年度に40床へ見直す際、看護師配置の在り方を問われた吉原秀一病院事業管理者は「総合病院に来てくれると助かるが、職員の意向を調査し、誰一人とも意に反する退職はない」と答えた。
 プラン案について委員は「期待する」「政治家として英断」などと評価する一方、「しっかりと経営改善を」と求める声もあり、扇田病院の大本直樹院長は「急激な変革による混乱を緩和する意味で良い結果。ただ持続的なものではなく課題も山積み。与えられた時間で今後どういう形がベストか協議し、将来につながる病院事業にしていきたい」との考えを示した。
 来年3月末で廃止する方針が示されている老人福祉センター(通称・四十八滝温泉、雪沢字大滝)について「存続できるよう再考を」との質問があり、市長は土砂災害警戒区域内の立地などに触れながら「有事体制の取り組みを理解していただきたいが、樹海ラインエリアが持つ観光面の可能性は非常に高い。そういう中でどうすれば魅力を再発掘できるか前向きに考えていきたい」と答えた。

メディアコントロール 児童が園児に呼びかけ 取り組み大館で広がる

2023-12-06
園児に対し、寸劇でメディアコントロールの重要性を訴える桂城小の児童(城南保育園分園)
 大館市内の小中学校や保育施設で、スマートフォンやゲーム機など電子メディアに接する時間を制限する「メディアコントロール」の取り組みが広がっている。これまでは保護者向けや学校単位での啓発が中心だったが、生徒が児童に、児童が園児に直接呼びかける動きも出始めている。それぞれ、幼少期からの意識づけの重要性を訴えている。
 インターネットの普及に伴い、生活に支障が出るほどオンラインゲームや動画視聴に没頭する「依存症」が全国的な問題となっている。視力や体力の低下、睡眠障害、感情を抑えられないなどの影響があるとされ、トラブルや家族関係の悪化、不登校にもつながると指摘されている。
 同市内では養護教諭で組織する教育研究会学校保健部会が、2019年度から小中学校を対象に「一斉メディアコントロール週間」を設定。隔年でメディア使用の実態調査も行い、適切利用と健康的な生活習慣の定着を訴えてきた。
 学校単位での活動や、教職員や市職員による保護者向け講習なども活発に行われてきた。さらに近年は保育施設での活動も始まり、小中、幼保小連携の取り組みも徐々に広がっている。
 4日は桂城小保健委員会の4~6年生8人が城南保育園分園を訪問。年長児10人に対し、寸劇でメディアコントロールの重要性を訴えた。
 長時間のメディア使用で▽目が悪くなる▽筋肉や骨が弱る▽疲れやすくなる▽イライラする▽頭の働きが悪くなる―などの影響が出ると指摘。「体に悪いことがたくさんある」「使用ルールを決め、メディアコントロールをしよう」と元気に呼びかけた。
 終了後は園児が学んだことを振り返る姿もあった。委員長の小山内杏さん(6年)は「相手は小さい子なので、ゆっくりはきはき言うように気を付けた。自分も意識して生活していきたい」と話した。
 今回は幼少期のメディア使用に課題がある状況を踏まえ、文部科学省の「幼保小の架け橋プログラム事業」で連携体制が強まったことも縁で企画した。同じく学区内の沼館保育所にも、年度内に訪問する計画という。
 佐藤啓子養護教諭は「幼い年代からメディアを使用する傾向が強まっている。低学年で既に寝る時間が遅い子もいる。幼少期から取り組むことでより効果がある」と考えている。

2023年11月

かづの物産振興プラザ 仕入れ硬直化は「事実誤認」役員が 記者会見

2023-11-11
会見するプラザの役員(十和田市民センター)
 鹿角市の第三セクターで道の駅かづの「あんとらあ」を運営するかづの観光物産公社の経営改善に向け、関厚市長は道の駅の仕入れ硬直化などを課題として指摘している。こうした中、仕入れの多くを担うかづの物産振興プラザの役員が10日、十和田市民センターで会見を開き、設立経緯や業務内容などを説明。「仕入れ硬直化の指摘は事実誤認。あんとらあを支える組織としてプラザの業務を継続していかなければ」と主張した。
 公社の経営を巡っては、2021年度の決算資料で経理内容に不明な点があったため22年9月、市が税理士に調査を委託した。
 同10月に提出された報告書では「経理等の社内の管理体制が脆弱(ぜいじゃく)であるため、その強化を図っていくこと」や「仕入れ方法の見直しを図っていくこと」が指摘された。さらに「仕入れの多くが、物産振興プラザからの調達になっている。硬直的で、通常の仕入れ額も高い」と仕入れの二重構造の見直しが求められた。
 そんな中、9月20日に開かれた公社の臨時株主総会で、過半数の株を持つ市が社長の解任案を提出し議決された。関市長は解任理由に▽公文書が適正に管理されていない▽臨時総会の人事案の漏えい▽仕入れの硬直化が改善されていない―の3点を挙げた。
 今回の会見にはプラザの山崎誠社長(86)、刈谷茂樹取締役(76)、畠山佑介取締役(54)の3人が出席。山崎社長は「弊社から公社に出向していた畠山前社長が突然解任され、原因がプラザにあると指摘されている。このためプラザの成り立ちや業務内容を説明し、市民、会員に理解をいただきたい」と会見の趣旨を述べた。
 プラザの株主(会員)は市内の事業者28人。従業員はおらず、事務は公社が実施。現在は公社の役員11人中4人がプラザから出向する形で務めている。
 前身の物産協会を経て1994年に設立。役員は「市から、あんとらあへの経営参加の打診を受けてプラザを立ち上げた。行政と民間で共同運営していこうという理念、仕組み。それは今も変わっていない」と説明した。
 仕入れの硬直化については「税理士の報告書は事実誤認。それを市長はうのみにしているのではないか」と指摘。「仕入れはどこから調達してもいいし、業者が決定する希望小売価格で販売している」とした。また「『プラザがもうけているのではないか』と事実を誤認し、会員をやめるという人も出てきている」と風評被害の懸念も述べた。
 プラザの今後について、役員はこれまでの理念や仕組みを踏襲していく考えを示した上で「物販だけではうまくいかない。裾野を広げて会員を増やしながら改革していきたい」と述べた。

ドイツ出身ヤーニさん 大館中央RC元交換留学生 20年ぶりに ホストファミリーと再会

2023-11-11
ホストファミリーらとの再会に笑顔を見せるヤーニさん㊨(北秋くらぶ)
 「元気そうで良かった」「会いたかったよ」と笑顔があふれる。約20年前、大館中央ロータリークラブ(RC、丸山佳孝会長)の交換留学生として大館市に1年間滞在したヤーニ・カニザデさん(38)=ドイツ出身=が11月上旬、再び同市を訪れた。6日夜に、当時のホストファミリーや級友と久しぶりに再会。幸町の料亭・北秋くらぶで料理を囲み、思い出話に花を咲かせた。
 ヤーニさんが初めて大館にやって来たのは2002年の夏。同RCが創立10周年記念事業として実施した交換留学プログラムを通じ、大館鳳鳴高校で約1年間の学校生活を送った。RC会員の居宅4世帯をホームステイ先として3カ月ごとに移り住み、幅広く交流も深めた。帰国から半年後には「お世話になったみんなにまた会いたい」と家族総出で大館を再訪するなど「大好きな場所になった」という。
 6日の食事会にはホストファミリーら約20人が集まった。大学で日本語を学んだヤーニさんは流ちょうな言葉使いで「久しぶりですね」と再会を喜ぶと、みんなと笑顔で抱き合った。「今はドイツの自宅に畳部屋を作り、布団を敷いて寝ている」「時々日本のお米を買って食べている」と近況を語り、「日本人より日本人らしいよ」などと笑い合った。
 「また会えて良かった」とほほ笑むのは高校時代の同級生、丸山貴也さん(38)だ。2人とも息子、娘を持つ親となり「お互い大きくなったね」としみじみ。学校生活を振り返りながら「一緒に過ごした時間が1年だけだったのが信じられない。全然当時と変わらず、明るくはつらつな雰囲気そのまま」と感慨にふけっていた。
 当時、自宅でヤーニさんを受け入れた丸山会長は「懐かしい気持ちでいっぱい。元気な姿が見られてうれしい」と笑顔。グローバル人材の育成を目的にRCが展開する青少年交換プログラムについて「ヤーニさんのように大館に滞在した人が、その土地の風土や文化を気に入ってくれていることは非常に喜ばしいこと」とほほ笑み、「今後もこうしたつながりが持てる環境を整えていきたい」と展望を語った。

インフラ包括委託 本格導入へ提案公募 大館市 範囲広げ3年契約

2023-11-10
 道路や河川の維持管理について「包括的民間委託」を2024年度から本格導入する大館市は、公募型プロポーザル(企画提案)方式で事業者を選定する。現行の比内地域・十二所地区に二井田・真中地区を加えた範囲として12月1日から参加表明書を受け付け、審査を経て24年4月から27年3月まで3年間の契約を結ぶ。補修や清掃、除草などを一括発注して効果を検証し、市全域へ段階的に対象範囲を広げる予定だ。
 包括委託は個別の業務を民間事業者にまとめて発注し、複数年契約で管理してもらう手法。インフラ(社会基盤)の老朽化や技術職員・建設業従事者の減少を背景に、民間の創意工夫やノウハウを活用した効率化や経費縮減、民間側の設備投資や人材確保などの利点がある。破損箇所の早期発見・対応も期待できる。
 市は22~23年度を試行期間と位置づけ、比内地域・十二所地区の道路374路線(延長226㌔)、52河川(136㌔)を対象に、路面補修や支障木の伐採などを地元5社でつくる共同企業体(JV)に委託。このうち路肩の草刈りには、市が要求する一定の水準を満たす条件に、施工方法等は受託者側に任せる「性能規定」を導入した。
 24年度からは現行エリアに二井田・真中地区を加えた462路線(延長313㌔)、53河川(135㌔)が対象。舗装維持、道路清掃、応急処置などすべての業務に性能規定を適用する。契約期間は試行の1年4カ月から3年に延ばす。
 市内に本社や本店、営業所を置き、とび・土木・舗装工事の許可を得ている構成員を含むなどの要件を満たした共同企業体が参加できる。事業規模は約3億円。9月補正予算に関連費を計上した。
 参加表明書は来年1月10日まで、技術提案書は同22日から31日まで受け付ける。提案のテーマは業務を効率的・効果的に実施する方策と住民参画を促進する方策の2点。内容の審査を経て、事業者を選定し、3月下旬に業務委託を締結する。
 効果を検証した上で、対象区域を広げる見通し。25年度は下川沿地区を含む田代地区、26年度以降に大館北部や中心部を追加する予定。

田代「寿会」のしめ飾り作り 新年の風物詩がピンチ 田代の寿会 高齢化と人手不足

2023-11-10
しめ飾り作りに取り組む会員(大館市田代老人福祉センター)
 新年の風物詩にも高齢化の波―。大館市田代地域の高齢者生産活動グループ「寿会」(虻川重美会長)が行う正月用のしめ飾り作りが、受注数量を縮小せざるを得ない危機に直面している。会員の高齢化や人手不足が理由で、夏の記録的な暑さもあって材料のスゲを十分に調達できなかった。店頭販売は取りやめ、一部の注文のみ受け付ける。会員からは「来年も続けられるかどうか分からない」との声がこぼれる。
 しめ飾り作りは、同会が30年以上続ける活動。仕上がりの美しさが好評で、県内各地のほか、青森、東京からも注文が舞い込むほどの人気だ。
 需要が多い一方で、真夏に行うスゲの刈り取り、天日干しや、12月にかけての連日の編み込みなど負担が大きいのが実情。作業をするのは70~80代の会員で、年々担い手が少なくなっている。
 今年は夏の記録的な暑さも影を落とした。連日熱中症の危険がある中で、屋外でのスゲの刈り取りを思うようにできなかったという。例年は軽トラック4台分を確保するが、今年は1台分にとどまった。
 11月に入ってから、大館市田代老人福祉センターで作業を始めた。参加できるのは会員4~5人。スゲが折れないように水を吹きかけながら、手作業でらせん状に編み込み、今年も一つ一つ丁寧に仕上げている。
 虻川会長は「体の調子が良くない人もおり、作業できる人も少ない。今まで通りの数量を作るのは難しい」と話す。神社の鳥居用と会社の玄関用2種類のみを製作し、受注数量を大幅に減らした。JAあきた北とれたて旬菜館での店頭販売も取りやめることにし、理解を求めている。
 「人手を確保しないと続けていくのは難しい。来年がどうなるか分からない」と明かす。限られた数量の販売となるが、「皆さんが良い年を迎えられるように頑張りたい」と話している。

北秋田 コムコムに新店舗 ボディセラピーhirari 「明日も頑張れる施術を」

2023-11-10
「ボディセラピーhirari」を出店した長谷川さん(コムコム)
 北秋田市民ふれあいプラザコムコム内のチャレンジブースに先月28日、「ボディセラピーhirari(ひらり)」がオープンした。代表の長谷川康子さん(44)がオイルマッサージなどを提供し、「地域の人が明日も頑張ろうと思えるようにサポートしたい」と話す。
 長谷川さんは同市米内沢出身。大館鳳鳴高から東京の大学に進み、卒業後は都内でシステムエンジニアとして働いた。「激務で心も体もボロボロになった時、マッサージサロンによく通い、すごく楽になった」と振り返る。
 31歳の時に帰郷。「マッサージを受けるのは好きだが、ほかの必要とする人に施術をしたい」と、〝仕事〟にすることを決意。2018年には月2回上京して専門の協会で学び、半年かけてコースを修了した。最初は会社勤めをしながら自宅で週末にサロンを開いていたが、20年に退職し、セラピストとして本格始動した。
 「多くの人に知ってほしい」とコムコムに出店。メニューは、オイルボディセラピーが基本の「スウェディッシュマッサージ」や筋肉の深部に働きかける「ディープティシューマッサージ」。ボールを使った施術やハンドマッサージも提供する。店内にベンチを置くなど気軽に来店できる雰囲気を目指し、通りかかった市民が立ち寄ることもあるという。
 今後はワークショップの開催も予定。長谷川さんは「自分へのご褒美として利用してもらい、来た人が明日も元気に活動できるサポートをしていきたい」と目標を掲げた。オイルボディセラピーは60分6600円~。初回のみ全メニュー半額。問い合わせは同店(☎050・5436・9370)。
印刷に関するご案内
ご案内
広告に関するお問い合わせ
お問い合わせ
後援のお申し込み
資料請求
記事・写真等2次使用について
資料請求
株式会社 北鹿新聞社

〒017-0895
秋田県大館市字長倉79
TEL.0186-49-1255(総務課)
FAX.0186-43-3065(総務課)
 
*日刊新聞発行および一般印刷*
TOPへ戻る