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2023年12月
新電力会社の設立検討 大館市 「脱炭素先行地域」応募へ 花岡地区を対象に
2023-12-07
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温室効果ガス排出量削減を国が支援する「脱炭素先行地域」で、大館市は本年度の応募に向けて地域新電力会社の設立を想定している。花岡地区を対象エリアとし、事業所などが発電したエネルギーを地域内に供給することで地産地消を目指す。廃熱を活用する高付加価値農業なども検討している。
環境・リサイクル事業を手がけるDOWAグループが花岡地区を拠点としており、市は共同提案者と位置付けている。
工場屋根への太陽光発電パネルや大型蓄電池の設置、廃タイヤ油化発電を検討しているほか、花岡総合スポーツ公園内で木質バイオマス発電を展開したい考え。地域新電力会社はこれらの再生可能エネルギーを買い取り、花岡地区内の公共施設や家庭などに供給する。
木質バイオ発電はチップを加熱し、一酸化炭素や水素などの可燃性ガスを取り出して冷却、ガスエンジンの動力を受けて電気を生み出す仕組み。エンジン冷却水から回収した熱も利用できる。
廃熱についてはキノコ栽培や高付加価値農業、養殖などに活用し、資源循環を目指す。木質チップ調達を通した林業振興、障害のある人たちが農林業に従事する「農福連携」なども想定。公園はスポーツ施設として県から譲渡されたため、発電に使用する場合は用途変更の手続きが必要となる。
脱炭素先行地域に選定されると、再生可能エネルギー導入や建築物の省エネ化などについて支援が受けられる。国は2025年度までに少なくとも100カ所を選び、1自治体に対し5年間で最大50億円を交付する。21年度から4回にわたって計画を募り、応募があった計241件から74件が選ばれた。県内では共同申請した県と秋田市、大潟村の2件。
環境・リサイクル事業を手がけるDOWAグループが花岡地区を拠点としており、市は共同提案者と位置付けている。
工場屋根への太陽光発電パネルや大型蓄電池の設置、廃タイヤ油化発電を検討しているほか、花岡総合スポーツ公園内で木質バイオマス発電を展開したい考え。地域新電力会社はこれらの再生可能エネルギーを買い取り、花岡地区内の公共施設や家庭などに供給する。
木質バイオ発電はチップを加熱し、一酸化炭素や水素などの可燃性ガスを取り出して冷却、ガスエンジンの動力を受けて電気を生み出す仕組み。エンジン冷却水から回収した熱も利用できる。
廃熱についてはキノコ栽培や高付加価値農業、養殖などに活用し、資源循環を目指す。木質チップ調達を通した林業振興、障害のある人たちが農林業に従事する「農福連携」なども想定。公園はスポーツ施設として県から譲渡されたため、発電に使用する場合は用途変更の手続きが必要となる。
脱炭素先行地域に選定されると、再生可能エネルギー導入や建築物の省エネ化などについて支援が受けられる。国は2025年度までに少なくとも100カ所を選び、1自治体に対し5年間で最大50億円を交付する。21年度から4回にわたって計画を募り、応募があった計241件から74件が選ばれた。県内では共同申請した県と秋田市、大潟村の2件。

来年以降の継続決定 100㌔チャレンジマラソン 秋田県民生協が継承
2023-12-07
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事務局の継承と来年以降の大会継続を決めた実行委の会議(阿仁ふるさと文化センター)
「北緯40度秋田内陸リゾートカップ100㌔チャレンジマラソン」の実行委員会(黒澤芳彦会長)は6日、北秋田市阿仁ふるさと文化センターで会議を開き、同市の社会福祉法人・秋田県民生協会が事務局を引き継ぎ、来年以降も大会を継続することを決めた。同法人の木村久美夫理事長は「続けることができてありがたい。各地区の運営ノウハウを教わりながら頑張りたい」と話した。
3月の実行委総会でスタッフの高齢化やボランティアの人員不足を理由に、現在の実行委体制で開催するのは31回大会(9月24日)で終了すると決定。その後、職員数約670人で福祉施設などを運営する同法人が、大会継続に協力したいと事務局継承を申し出た。6月の会長会議で新たな体制に移行することを確認。同法人は実行委を構成する各地区を回り、運営の課題などを聞き取った。
この日の会議には、6地区の代表者や同法人などの12人が出席。事務局は体制の移行について経過を説明し、会長会議で▽大会名の継続▽大会回数の引き継ぎ▽ランナー名簿や備品等の継続使用―を承認したと報告。課題となっていた各地区のボランティア不足については同法人が職員を派遣するなどして対応する案を示し、代表者が承認した。事務局はこれまで同様に市交流センター内に設置する。
各地区との具体的な協力体制などは今後の会合で協議する方針。木村理事長は「地域活性化の上で、なくなってしまうのはいたたまれない大会だった。続けることができてありがたい」と話した。黒澤会長は「私たちも協力していきたい」と述べた。
来秋の32回大会は9月22日の開催が決定。各種目男女年代別表彰を新設し、新体制移行のイベントも予定している。
このほか今年の大会を振り返り、仮設トイレが不足する箇所があったことなど、反省点を確認した。
仙北市角館―北秋田市鷹巣間で開催される大会は、地域振興などを目的に1989年に始まった。今年9月に開かれた31回大会には100㌔の部に988人、50㌔の部に414人が出走した。
3月の実行委総会でスタッフの高齢化やボランティアの人員不足を理由に、現在の実行委体制で開催するのは31回大会(9月24日)で終了すると決定。その後、職員数約670人で福祉施設などを運営する同法人が、大会継続に協力したいと事務局継承を申し出た。6月の会長会議で新たな体制に移行することを確認。同法人は実行委を構成する各地区を回り、運営の課題などを聞き取った。
この日の会議には、6地区の代表者や同法人などの12人が出席。事務局は体制の移行について経過を説明し、会長会議で▽大会名の継続▽大会回数の引き継ぎ▽ランナー名簿や備品等の継続使用―を承認したと報告。課題となっていた各地区のボランティア不足については同法人が職員を派遣するなどして対応する案を示し、代表者が承認した。事務局はこれまで同様に市交流センター内に設置する。
各地区との具体的な協力体制などは今後の会合で協議する方針。木村理事長は「地域活性化の上で、なくなってしまうのはいたたまれない大会だった。続けることができてありがたい」と話した。黒澤会長は「私たちも協力していきたい」と述べた。
来秋の32回大会は9月22日の開催が決定。各種目男女年代別表彰を新設し、新体制移行のイベントも予定している。
このほか今年の大会を振り返り、仮設トイレが不足する箇所があったことなど、反省点を確認した。
仙北市角館―北秋田市鷹巣間で開催される大会は、地域振興などを目的に1989年に始まった。今年9月に開かれた31回大会には100㌔の部に988人、50㌔の部に414人が出走した。

「子どもが喜ぶ作品を」 セメント工芸で動物 大館市比内町 羽澤喜美さん(80)
2023-12-07
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動物などを題材にしたセメント工芸品(比内町達子)
今にも動き出しそうなフクロウが、ずらりと並ぶ。セメントで作られた工芸品だ。「納得のいく仕上がりになるまで、途中でやめることはできない」。そう語るのは、制作者の羽澤喜美さん(80)=大館市比内町達子。約20年にわたって趣味で続けており、これまでに約100点以上を手がけてきた。体の節々は痛むが「あと1年、子どもが喜ぶ作品を作りたい」と気力を奮い立たせている。
地元の中学校を卒業後、60歳まで左官職人として働いた。飾り用に上司から頼まれて、アニメ映画「となりのトトロ」のキャラクターを制作したのがセメント工芸に足を踏み入れるきっかけとなった。
作品完成後、「こうした方がもっと良くなる」と追求心が湧いたという。セメントを扱う仕事の経験を生かして独学で作り続け、腕を磨いた。
作品は、発泡スチロールを使った骨組みから始まる。大まかな形が出来上がると、小手を使ってセメントで丁寧に肉付け。指などで細部の仕上げを施したら、ヒビが入らないように約3カ月間、直射日光を避けて寝かせる。ペンキで色を塗って10日間ほど乾燥させたら完成という。
フクロウやリス、トラなど動物を題材にした作品が多く、アニメキャラクターも手がける。手のひらサイズから高さ約1㍍のものまで自在に制作する。昔は絵や写真を元に作っていたが、今は長年の勘を頼りにしている。かわいらしく見える表現を心がけており、作品を見た子どもから「かわいい」という声が上がる。
制作は冬に行っており、作業はあくまでも「退屈しのぎ」だと話す羽澤さん。長年続けている理由を聞くと「好きだから」。途中でやめることができない性格で「最後まで納得のいく仕上がりになるまで作り続ける」と職人かたぎな一面を見せた。
比内芸術文化祭に10回以上出展しており、先月3日に開かれた同文化祭では、フクロウを中心に約40点を展示した。
体力的に年々制作が厳しくなってきたが、「作るのはあと1年。子どもが喜ぶ作品を作りたい」と目標を語った。
地元の中学校を卒業後、60歳まで左官職人として働いた。飾り用に上司から頼まれて、アニメ映画「となりのトトロ」のキャラクターを制作したのがセメント工芸に足を踏み入れるきっかけとなった。
作品完成後、「こうした方がもっと良くなる」と追求心が湧いたという。セメントを扱う仕事の経験を生かして独学で作り続け、腕を磨いた。
作品は、発泡スチロールを使った骨組みから始まる。大まかな形が出来上がると、小手を使ってセメントで丁寧に肉付け。指などで細部の仕上げを施したら、ヒビが入らないように約3カ月間、直射日光を避けて寝かせる。ペンキで色を塗って10日間ほど乾燥させたら完成という。
フクロウやリス、トラなど動物を題材にした作品が多く、アニメキャラクターも手がける。手のひらサイズから高さ約1㍍のものまで自在に制作する。昔は絵や写真を元に作っていたが、今は長年の勘を頼りにしている。かわいらしく見える表現を心がけており、作品を見た子どもから「かわいい」という声が上がる。
制作は冬に行っており、作業はあくまでも「退屈しのぎ」だと話す羽澤さん。長年続けている理由を聞くと「好きだから」。途中でやめることができない性格で「最後まで納得のいく仕上がりになるまで作り続ける」と職人かたぎな一面を見せた。
比内芸術文化祭に10回以上出展しており、先月3日に開かれた同文化祭では、フクロウを中心に約40点を展示した。
体力的に年々制作が厳しくなってきたが、「作るのはあと1年。子どもが喜ぶ作品を作りたい」と目標を語った。

扇田病院無床化 「方向性として堅持」 厚生委 福原市長が考え示す 大館市12月議会
2023-12-06
厚生委の総括質疑(大館市役所)
大館市の12月定例議会は5日、前日に続いて2常任委員会が総括質疑を行った。厚生委(田村儀光委員長)では病院事業経営強化プラン案に質問が集中。扇田病院の無床診療所化について福原淳嗣市長は「方針は変わっていない」と強調した上で「事業の持続性を担保しつつ赤字の幅を縮小する最善の道」と述べ、「無床化は一つの方向性として堅持すべきだ」との考えを示した。
プランは2024年度から4年間。素案では県の2次医療圏再編を見据え、総合病院を県北の中核として機能整備を図る一方、期間内は扇田病院の病床を一定数維持する必要があるとして年度に2病棟を1病棟体制へ見直すとしている。
委員から「一部で方針転換との見方もある」と問われ、市長は「転換ではない。将来的に扇田病院は現在の形態ではなくなる。人口7万人を切った自治体で、二つの公立病院を維持していくのは無理」と答弁。医療圏再編に触れながら「総合病院は県北の要になる。方向性をしっかりと定めるために、まずは現状に即したプラン案を作成した」と述べた。
現行の病床数104床を25年度に40床へ見直す際、看護師配置の在り方を問われた吉原秀一病院事業管理者は「総合病院に来てくれると助かるが、職員の意向を調査し、誰一人とも意に反する退職はない」と答えた。
プラン案について委員は「期待する」「政治家として英断」などと評価する一方、「しっかりと経営改善を」と求める声もあり、扇田病院の大本直樹院長は「急激な変革による混乱を緩和する意味で良い結果。ただ持続的なものではなく課題も山積み。与えられた時間で今後どういう形がベストか協議し、将来につながる病院事業にしていきたい」との考えを示した。
来年3月末で廃止する方針が示されている老人福祉センター(通称・四十八滝温泉、雪沢字大滝)について「存続できるよう再考を」との質問があり、市長は土砂災害警戒区域内の立地などに触れながら「有事体制の取り組みを理解していただきたいが、樹海ラインエリアが持つ観光面の可能性は非常に高い。そういう中でどうすれば魅力を再発掘できるか前向きに考えていきたい」と答えた。
プランは2024年度から4年間。素案では県の2次医療圏再編を見据え、総合病院を県北の中核として機能整備を図る一方、期間内は扇田病院の病床を一定数維持する必要があるとして年度に2病棟を1病棟体制へ見直すとしている。
委員から「一部で方針転換との見方もある」と問われ、市長は「転換ではない。将来的に扇田病院は現在の形態ではなくなる。人口7万人を切った自治体で、二つの公立病院を維持していくのは無理」と答弁。医療圏再編に触れながら「総合病院は県北の要になる。方向性をしっかりと定めるために、まずは現状に即したプラン案を作成した」と述べた。
現行の病床数104床を25年度に40床へ見直す際、看護師配置の在り方を問われた吉原秀一病院事業管理者は「総合病院に来てくれると助かるが、職員の意向を調査し、誰一人とも意に反する退職はない」と答えた。
プラン案について委員は「期待する」「政治家として英断」などと評価する一方、「しっかりと経営改善を」と求める声もあり、扇田病院の大本直樹院長は「急激な変革による混乱を緩和する意味で良い結果。ただ持続的なものではなく課題も山積み。与えられた時間で今後どういう形がベストか協議し、将来につながる病院事業にしていきたい」との考えを示した。
来年3月末で廃止する方針が示されている老人福祉センター(通称・四十八滝温泉、雪沢字大滝)について「存続できるよう再考を」との質問があり、市長は土砂災害警戒区域内の立地などに触れながら「有事体制の取り組みを理解していただきたいが、樹海ラインエリアが持つ観光面の可能性は非常に高い。そういう中でどうすれば魅力を再発掘できるか前向きに考えていきたい」と答えた。

メディアコントロール 児童が園児に呼びかけ 取り組み大館で広がる
2023-12-06
園児に対し、寸劇でメディアコントロールの重要性を訴える桂城小の児童(城南保育園分園)
大館市内の小中学校や保育施設で、スマートフォンやゲーム機など電子メディアに接する時間を制限する「メディアコントロール」の取り組みが広がっている。これまでは保護者向けや学校単位での啓発が中心だったが、生徒が児童に、児童が園児に直接呼びかける動きも出始めている。それぞれ、幼少期からの意識づけの重要性を訴えている。
インターネットの普及に伴い、生活に支障が出るほどオンラインゲームや動画視聴に没頭する「依存症」が全国的な問題となっている。視力や体力の低下、睡眠障害、感情を抑えられないなどの影響があるとされ、トラブルや家族関係の悪化、不登校にもつながると指摘されている。
同市内では養護教諭で組織する教育研究会学校保健部会が、2019年度から小中学校を対象に「一斉メディアコントロール週間」を設定。隔年でメディア使用の実態調査も行い、適切利用と健康的な生活習慣の定着を訴えてきた。
学校単位での活動や、教職員や市職員による保護者向け講習なども活発に行われてきた。さらに近年は保育施設での活動も始まり、小中、幼保小連携の取り組みも徐々に広がっている。
4日は桂城小保健委員会の4~6年生8人が城南保育園分園を訪問。年長児10人に対し、寸劇でメディアコントロールの重要性を訴えた。
長時間のメディア使用で▽目が悪くなる▽筋肉や骨が弱る▽疲れやすくなる▽イライラする▽頭の働きが悪くなる―などの影響が出ると指摘。「体に悪いことがたくさんある」「使用ルールを決め、メディアコントロールをしよう」と元気に呼びかけた。
終了後は園児が学んだことを振り返る姿もあった。委員長の小山内杏さん(6年)は「相手は小さい子なので、ゆっくりはきはき言うように気を付けた。自分も意識して生活していきたい」と話した。
今回は幼少期のメディア使用に課題がある状況を踏まえ、文部科学省の「幼保小の架け橋プログラム事業」で連携体制が強まったことも縁で企画した。同じく学区内の沼館保育所にも、年度内に訪問する計画という。
佐藤啓子養護教諭は「幼い年代からメディアを使用する傾向が強まっている。低学年で既に寝る時間が遅い子もいる。幼少期から取り組むことでより効果がある」と考えている。
インターネットの普及に伴い、生活に支障が出るほどオンラインゲームや動画視聴に没頭する「依存症」が全国的な問題となっている。視力や体力の低下、睡眠障害、感情を抑えられないなどの影響があるとされ、トラブルや家族関係の悪化、不登校にもつながると指摘されている。
同市内では養護教諭で組織する教育研究会学校保健部会が、2019年度から小中学校を対象に「一斉メディアコントロール週間」を設定。隔年でメディア使用の実態調査も行い、適切利用と健康的な生活習慣の定着を訴えてきた。
学校単位での活動や、教職員や市職員による保護者向け講習なども活発に行われてきた。さらに近年は保育施設での活動も始まり、小中、幼保小連携の取り組みも徐々に広がっている。
4日は桂城小保健委員会の4~6年生8人が城南保育園分園を訪問。年長児10人に対し、寸劇でメディアコントロールの重要性を訴えた。
長時間のメディア使用で▽目が悪くなる▽筋肉や骨が弱る▽疲れやすくなる▽イライラする▽頭の働きが悪くなる―などの影響が出ると指摘。「体に悪いことがたくさんある」「使用ルールを決め、メディアコントロールをしよう」と元気に呼びかけた。
終了後は園児が学んだことを振り返る姿もあった。委員長の小山内杏さん(6年)は「相手は小さい子なので、ゆっくりはきはき言うように気を付けた。自分も意識して生活していきたい」と話した。
今回は幼少期のメディア使用に課題がある状況を踏まえ、文部科学省の「幼保小の架け橋プログラム事業」で連携体制が強まったことも縁で企画した。同じく学区内の沼館保育所にも、年度内に訪問する計画という。
佐藤啓子養護教諭は「幼い年代からメディアを使用する傾向が強まっている。低学年で既に寝る時間が遅い子もいる。幼少期から取り組むことでより効果がある」と考えている。


2023年11月
病院強化プラン案 扇田病床「一定維持へ」 25年度に病棟見直し 大館市12月議会
2023-11-30
病院事業経営強化プランの素案が示された厚生委(大館市役所)
大館市の12月定例議会は29日、4常任委員会の審査が行われた。厚生委(田村儀光委員長)では病院事業経営強化プラン(2024―27年度)案について報告を受けた。総合病院は2次医療圏の再編を見据え、中核として必要な機能整備を図る一方、期間内は扇田病院の病床を一定数維持する必要があるとして、2病棟を1病棟体制へ見直す方向性が示された。
扇田病院は病床利用率が低く、患者数の減少が収益減の要因となっている。現状体制を維持した場合には赤字幅が増大するという。
人口減少で急性期の需要が減少し、回復期と慢性期の需要は今後10年ほど微増傾向だが、その後減少すると見込んだ。現行の大館・鹿角医療圏は「県北医療圏」として再編する方針が県から示され、3次救急医療や緩和ケア医療などの機能整備を課題に挙げた。
市内では病院、診療所とも減少傾向にあり、特にプライマリケア(1次医療)を担う診療所の減少が顕著。医師や看護師が県・全国に比べて少なく、高齢化も進んでいるため各医療機関で人材確保が困難な状況となっている。
地域の需要と医療従事者の確保見通しを踏まえ、扇田病院の役割として挙げたのは▽回復期・慢性期医療を通じた地域医療への貢献▽みとりを含めた在宅医療(訪問診療・看護)強化▽人間ドック・健診事業の継続―の3点。今後の慢性期医療需要推計から、強化プラン期間内は一定数の病床を維持する必要がある一方、従事者確保が課題という現状を踏まえた場合には病床数見直しが不可避とした。
その上で現行の一般病棟(急性期22床=実質休床中、回復期40床)と療養病棟(慢性期42床)を、25年度から療養病棟(回復期30床、慢性期10床)に集約し、黒字化を目指す方針を示した。
総合病院については急性期医療機能を維持しながら、回復期・慢性期医療を含む「ケアミックス型」への移行を図る。具体的には地域救命救急センター開設(来年4月)、訪問看護ステーション開設(同)、心臓リハビリテーション(25年4月開始)、緩和ケア病棟への一部転換(26年度)を挙げた。
素案は7日の全員協議会でも説明し、大館鹿角地域医療構想調整会議や市在宅医療介護連携推進協議会から意見を聞いた後、年明けにパブリックコメント(意見公募)を行い、本年度末までに策定する。
扇田病院は病床利用率が低く、患者数の減少が収益減の要因となっている。現状体制を維持した場合には赤字幅が増大するという。
人口減少で急性期の需要が減少し、回復期と慢性期の需要は今後10年ほど微増傾向だが、その後減少すると見込んだ。現行の大館・鹿角医療圏は「県北医療圏」として再編する方針が県から示され、3次救急医療や緩和ケア医療などの機能整備を課題に挙げた。
市内では病院、診療所とも減少傾向にあり、特にプライマリケア(1次医療)を担う診療所の減少が顕著。医師や看護師が県・全国に比べて少なく、高齢化も進んでいるため各医療機関で人材確保が困難な状況となっている。
地域の需要と医療従事者の確保見通しを踏まえ、扇田病院の役割として挙げたのは▽回復期・慢性期医療を通じた地域医療への貢献▽みとりを含めた在宅医療(訪問診療・看護)強化▽人間ドック・健診事業の継続―の3点。今後の慢性期医療需要推計から、強化プラン期間内は一定数の病床を維持する必要がある一方、従事者確保が課題という現状を踏まえた場合には病床数見直しが不可避とした。
その上で現行の一般病棟(急性期22床=実質休床中、回復期40床)と療養病棟(慢性期42床)を、25年度から療養病棟(回復期30床、慢性期10床)に集約し、黒字化を目指す方針を示した。
総合病院については急性期医療機能を維持しながら、回復期・慢性期医療を含む「ケアミックス型」への移行を図る。具体的には地域救命救急センター開設(来年4月)、訪問看護ステーション開設(同)、心臓リハビリテーション(25年4月開始)、緩和ケア病棟への一部転換(26年度)を挙げた。
素案は7日の全員協議会でも説明し、大館鹿角地域医療構想調整会議や市在宅医療介護連携推進協議会から意見を聞いた後、年明けにパブリックコメント(意見公募)を行い、本年度末までに策定する。

今季来園 過去最少の1万1000人 利活用推進協 来年は10周年事業など 阿仁熊牧場
2023-11-30
本年度の実績や来年度の事業計画を確認した協議会(阿仁庁舎)
県や北秋田市、関係団体などで構成する阿仁熊牧場利活用推進協議会は27日、阿仁庁舎で2023年度2回目の会合を開き、本年度の事業実績や同牧場のリニューアル10周年記念事業を含む来年度の事業計画を確認した。今季の利用者数は前年度比3346人減の1万1001人で、2014年の開園以降過去最少となった。
動物愛護や地域活性化などの視点を踏まえ、阿仁熊牧場「くまくま園」の利活用を推進する目的で年2回の会合を開いている。県や市、地元の事業団体から13人が出席した。
事務局の報告によると、今季は開園から大型連休間の利用者が伸び悩み、5月は前年度比1709人減の2826人。7月と9、10月の利用者はそれぞれ過去最低となった。協議会の会長を務める県生活環境部生活衛生課の永須昭夫課長は、「今年は子グマが生まれなかったこと、7月の大雨や例年より市を訪れる観光客が少なかったことが影響したのでは」と考えを示した。
来年度の計画ではリニューアル10周年記念事業として、阿仁熊牧場やクマのことを楽しみながら学べる謎解きイベントや記念の絵の設置、スタンプラリーで来園者を周辺観光に訪問させる仕組みづくりなどを計画している。このほか大型連休や夏休み中のイベント、フォトコンテストなどを予定。同牧場のロゴマークやマスコットキャラクターを使用したオリジナルグッズの企画も検討している。
委員からは今年多発しているクマの出没や人身被害に関して、「世の中のクマへの関心が高まっている」「生態を理解してもらうための取り組みを行っては」などの意見が出された。永須課長は「牧場はクマのことを知ってもらうための場でもある。多くの方が来園し、理解を示すきっかけになれば」と答えた。
動物愛護や地域活性化などの視点を踏まえ、阿仁熊牧場「くまくま園」の利活用を推進する目的で年2回の会合を開いている。県や市、地元の事業団体から13人が出席した。
事務局の報告によると、今季は開園から大型連休間の利用者が伸び悩み、5月は前年度比1709人減の2826人。7月と9、10月の利用者はそれぞれ過去最低となった。協議会の会長を務める県生活環境部生活衛生課の永須昭夫課長は、「今年は子グマが生まれなかったこと、7月の大雨や例年より市を訪れる観光客が少なかったことが影響したのでは」と考えを示した。
来年度の計画ではリニューアル10周年記念事業として、阿仁熊牧場やクマのことを楽しみながら学べる謎解きイベントや記念の絵の設置、スタンプラリーで来園者を周辺観光に訪問させる仕組みづくりなどを計画している。このほか大型連休や夏休み中のイベント、フォトコンテストなどを予定。同牧場のロゴマークやマスコットキャラクターを使用したオリジナルグッズの企画も検討している。
委員からは今年多発しているクマの出没や人身被害に関して、「世の中のクマへの関心が高まっている」「生態を理解してもらうための取り組みを行っては」などの意見が出された。永須課長は「牧場はクマのことを知ってもらうための場でもある。多くの方が来園し、理解を示すきっかけになれば」と答えた。

ド派手なステージ人気上昇中 103ボイスラボ 大館市比内町
2023-11-30
笑いが絶えない103ボイスラボのメンバー(大館市比内町扇田)
カラフルなスパンコールドレスに目を引くアフロヘア―。大館市比内町を拠点に活動する女性音楽グループ「103VoicelabO(ワンオースリーボイスラボ)」のステージが、市内を中心に地区文化祭や企業のイベントなどで人気を呼んでいる。代表の仙台ななさん=扇田=は「街全体が笑いにあふれる未来」を思い描きステージに立っている。
仙台さんが長年抱いていた「ソウルミュージックに合わせてみんなで歌って踊りたい」という夢をかなえるために活動をスタート。2016年の結成後、自ら講師を務めるボイストレーニング教室の受講生を中心にメンバーが加入した。
個性が光るメンバー11人の職業は会社員や自営業、専業主婦などさまざまで、年代は30~50歳代。それぞれに音楽や振り付け、ボーカルといった担当がある。比内公民館で月3~4回、2時間ほど練習して腕を磨いている。
レパートリーはソウルミュージックやR&B、ポップス、ファンクなど約曲。参加型のステージショーが自慢で、迫力満点の歌声やダンス、軽快なトークが人気。「ド派手」な衣装が観客の心を引き付ける。今月3日に開かれた比内芸術文化祭では、ミュージカルコメディー映画「ピッチ・パーフェクト」の主題歌「フラッシュライト」をはじめ4曲を披露した。口コミが評判を呼び年4~5回、企業や団体、福祉施設から依頼を受けている。
メンバーは「楽しい気持ちが伝染するはず」「明るく華やかな見た目からパワーをもらってほしい」と語る。仙台さんは「町全体が笑いにあふれてほしい。100歳になるまで続けたい」と笑顔を見せた。
12月1日午後7時から、同市御成町の大館学び大学で練習・体験会「みんなで歌おうX,mas PoPs」を予定している。申し込みは同グループ(メール103voicelabo@gmail.com)。
仙台さんが長年抱いていた「ソウルミュージックに合わせてみんなで歌って踊りたい」という夢をかなえるために活動をスタート。2016年の結成後、自ら講師を務めるボイストレーニング教室の受講生を中心にメンバーが加入した。
個性が光るメンバー11人の職業は会社員や自営業、専業主婦などさまざまで、年代は30~50歳代。それぞれに音楽や振り付け、ボーカルといった担当がある。比内公民館で月3~4回、2時間ほど練習して腕を磨いている。
レパートリーはソウルミュージックやR&B、ポップス、ファンクなど約曲。参加型のステージショーが自慢で、迫力満点の歌声やダンス、軽快なトークが人気。「ド派手」な衣装が観客の心を引き付ける。今月3日に開かれた比内芸術文化祭では、ミュージカルコメディー映画「ピッチ・パーフェクト」の主題歌「フラッシュライト」をはじめ4曲を披露した。口コミが評判を呼び年4~5回、企業や団体、福祉施設から依頼を受けている。
メンバーは「楽しい気持ちが伝染するはず」「明るく華やかな見た目からパワーをもらってほしい」と語る。仙台さんは「町全体が笑いにあふれてほしい。100歳になるまで続けたい」と笑顔を見せた。
12月1日午後7時から、同市御成町の大館学び大学で練習・体験会「みんなで歌おうX,mas PoPs」を予定している。申し込みは同グループ(メール103voicelabo@gmail.com)。

次期衆院選出馬 市長「残された期間短い」 後継、同じ方向性の人に 大館市12月議会
2023-11-29
一般質問を行った本会議(大館市役所)
大館市の12月定例議会は28日、前日に続き本会議を開き、7議員が一般質問を行った。次期衆院選で自民党から立候補予定の福原淳嗣市長は退職時期について問われ、「残された期間は非常に短いと考え、これまで進めてきた政策を前進させる」と答弁。自身の後継については「福原市政の考え方を継承できる即戦力がふさわしい」として、「市民に選ばれた議員にも市当局側にもそうした人物はおり、この議場から選ばれてほしい」とこれまでの考えを改めて述べた。
登壇したのは田村儀光議員(真政会)、金谷真弓議員(市民の風)、工藤賢一議員(同)、田村秀雄議員(真政会)、石垣博隆議員(同)、相馬ヱミ子議員(市民の風)、吉田勇一郎議員(令和会)。
福原市長は先月、次期衆院選秋田2区の自民党公認候補予定者に決定。複数の議員から国政転身に伴う退職時期を問われると、衆院選の時期が重要としつつ「公約に掲げる地域医療など、喫緊に対応すべき政策の方向性を打ち出して可能な限り、市政への影響が最小限になるよう判断する」と述べた。
市長の後継について「市は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の中でも他市と違った歩みを確実に重ねてきた。その議論を継承できる人でなければおそらく務まらない」と言明。「私が掲げた政策を共に議論し、同じ方向性を持った人にこそ、次期市政を担ってほしい」と期待を込めた。
3期目の所信表明で明らかにした四つの政策の柱の進ちょくについて、大館駅インランドデポ構想など先進的取り組みを挙げながら「7割は進められている」と自己評価。今後は、柱の一つである「暮らしとまちを未来に導く羅針盤づくり」として策定を進めている次期総合計画が重要とした。「持続可能なまちづくりに向けて、これまでの取り組みを礎として、新たな視点を加えた羅針盤を創り上げ、次の世代に引き継ぐことが私に託された使命だ」と述べた。
登壇したのは田村儀光議員(真政会)、金谷真弓議員(市民の風)、工藤賢一議員(同)、田村秀雄議員(真政会)、石垣博隆議員(同)、相馬ヱミ子議員(市民の風)、吉田勇一郎議員(令和会)。
福原市長は先月、次期衆院選秋田2区の自民党公認候補予定者に決定。複数の議員から国政転身に伴う退職時期を問われると、衆院選の時期が重要としつつ「公約に掲げる地域医療など、喫緊に対応すべき政策の方向性を打ち出して可能な限り、市政への影響が最小限になるよう判断する」と述べた。
市長の後継について「市は新型コロナのパンデミック(世界的大流行)の中でも他市と違った歩みを確実に重ねてきた。その議論を継承できる人でなければおそらく務まらない」と言明。「私が掲げた政策を共に議論し、同じ方向性を持った人にこそ、次期市政を担ってほしい」と期待を込めた。
3期目の所信表明で明らかにした四つの政策の柱の進ちょくについて、大館駅インランドデポ構想など先進的取り組みを挙げながら「7割は進められている」と自己評価。今後は、柱の一つである「暮らしとまちを未来に導く羅針盤づくり」として策定を進めている次期総合計画が重要とした。「持続可能なまちづくりに向けて、これまでの取り組みを礎として、新たな視点を加えた羅針盤を創り上げ、次の世代に引き継ぐことが私に託された使命だ」と述べた。

中学部活動 「鹿角版」の地域移行を 市総合教育会議 コーディネーター配置など
2023-11-29
部活動の地域移行について協議した鹿角市総合教育会議(市役所)
鹿角市総合教育会議が28日、市役所で開かれ、中学校部活動の地域移行について協議した。課題となる指導者の確保について、学校と指導者・競技団体の間を調整するコーディネーターを配置し、「鹿角版の地域移行を進めてほしい」との意見があった。
部活動の地域移行へ向け、市教委は5月に検討委員会の初会合、8月に2回目の会合を開き、課題の整理などを進めている。児童生徒、保護者、教職員とスポーツ団体に対するアンケートを実施している。
課題として挙げられているのは、運営形態、指導者の確保、危機管理と責任の所在など。市は2020年度から部活動指導員を国、県の補助を受けて、配置している。本年度は3校に4人を置き、陸上、吹奏楽、バスケットボール、バレーボールを指導。学校側からは配置の要望があるものの、確保が難しいのが実情という。
指導者について、委員からは「地域移行の部活動は社会教育の一環として位置付けられている。勝負一辺倒ではなく、バランスの取れた指導が大切」との意見や、学校と競技団体・指導者の間を調整するコーディネーターの配置が重要として、「鹿角版の移行を進めるためには、コーディネーターがカギとなる」と地域の実情に応じた対応を求めた。
当面の目標は休日の地域移行だが、委員は「先生の働き方改革として進める一方で、保護者と子どもの負担が増えるという課題もある」と指摘。教師の時間外在校時間の現状を広く周知し、移行後の学校との関わりについて検討が必要、との意見があった。
移行が可能として想定している運営形態の主体は、▽スポーツ協会▽保護者会・スポ少など▽競技団体など―の三つ。市教委の担当者は、関係する団体と連携して検討していくと説明した。
部活動の地域移行へ向け、市教委は5月に検討委員会の初会合、8月に2回目の会合を開き、課題の整理などを進めている。児童生徒、保護者、教職員とスポーツ団体に対するアンケートを実施している。
課題として挙げられているのは、運営形態、指導者の確保、危機管理と責任の所在など。市は2020年度から部活動指導員を国、県の補助を受けて、配置している。本年度は3校に4人を置き、陸上、吹奏楽、バスケットボール、バレーボールを指導。学校側からは配置の要望があるものの、確保が難しいのが実情という。
指導者について、委員からは「地域移行の部活動は社会教育の一環として位置付けられている。勝負一辺倒ではなく、バランスの取れた指導が大切」との意見や、学校と競技団体・指導者の間を調整するコーディネーターの配置が重要として、「鹿角版の移行を進めるためには、コーディネーターがカギとなる」と地域の実情に応じた対応を求めた。
当面の目標は休日の地域移行だが、委員は「先生の働き方改革として進める一方で、保護者と子どもの負担が増えるという課題もある」と指摘。教師の時間外在校時間の現状を広く周知し、移行後の学校との関わりについて検討が必要、との意見があった。
移行が可能として想定している運営形態の主体は、▽スポーツ協会▽保護者会・スポ少など▽競技団体など―の三つ。市教委の担当者は、関係する団体と連携して検討していくと説明した。
