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秋田県北鹿地方のオピニオン紙・北鹿新聞
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【北鹿川柳】
北鹿川柳
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7(1995)年にスタートした北鹿新聞社主催事業。
管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、
寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。
その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。
月間賞 秀句観賞
2026年4月
NEW
老老であなたと共に揺らぐ道 菅原 ルリ
【評】身体(からだ)も心もこの先、大きく揺らぐ生きる道となるでしょうが、「あなたと共に」が強く大きく見えます。大丈夫です、きっと。
秘め事があるから人生妙味増す 乳井 宏資
【評】不思議なほど効くのが妙薬、すぐれた味やおもむきがあるのが妙味、作者の年季の入った味が思われます。秘め事は人それぞれ。
明日開く花の小さな息づかい 岩谷 隆史
【評】毎日毎日小さな蕾を覗き込んでいる作者が見える。明日咲く若い人へのあたたかい眼差しのようにも感じる。
一筋に生きた気骨にある魅力 澤田 亮
【評】まさに黒光りの魅力。その方はどんな人生を送られたのだろう。読者に想像を促してくれる。
樟脳の匂いが勝(まさ)る大茶会 芳賀 優子
【評】茶会なら新茶の香り…と表現するのを樟脳の匂いを最初に置いた事で艶(あで)やかな和服で振る舞う豪華場面がみえて来ます。雰囲気だけでも味わいたいものですね。
褒められて心開いて丸くなり 三浦カツヱ
【評】人生で褒められる体験はあまりにも少ないといわれるなか一滴(しずく)の褒め言葉は妙薬になりますね。教訓的な一句。
2026年3月
プロポーズ縦に揺れてるイヤリング 須藤 良子
【評】キラキラとイヤリングが縦に揺れれば言葉はいらない。「小道具」が幸せな場面を上手に演出してくれましたね。
年輪を刻んで出せる渋い味 佐々木千枝子
【評】前回「いぶし銀」と表現し詠んだ方がおられました。何事も年輪を経て手をかけて本来の味が出るもの…。生きてゆくための教訓にですね。
加齢という魔物かかえて歩む道 伴 朝子
【評】私達は得体の知れない魔物をかかえて生きているらしい。自覚して生きようと思った。
疑いは一番先に耳に来る 浅岡 仁
【評】声には微妙な心が出てしまうのだろう。気付く作者も繊細な方なのだと思う。
無くて泣き過ぎても泣ける雪の量 三ツ倉奈美子
【評】あり過ぎて泣いた今年の冬、春になったら有りすぎて笑う山菜の山が待っていてくれるでしょう。実感こもる苦労の句。
予定なく気掛かりもなく春うらら 今村ゆう子
【評】空がよく晴れて、わだかまりや心配事もない、まして今後の差し迫った予定もない、自由な身がみごとに詠われています。
2026年2月
乙女座も老人となり黒光り 菅原 賴子
【評】まばゆく光っていた乙女座も、寄る年波には勝てず黒光り。くすんではいなく、光沢があります。
除雪車に感謝と怨嗟(えんさ)の玄関前 桂田 中
【評】他人の家よりはまず、自分の家の前が気になり、「良くやってくれた」か、「恨む」か。
ありがとう涙で交わす豊かな死 佐京奈緒美
【評】送る側も逝く側も感謝しあえるあたたかな別れ。いい言葉を頂戴した。
真冬でも母のひまわり咲いている 児玉ユキヱ
【評】いくつになっても母はそこに居るだけで心の支え。まるでひまわりのよう。
願い事言う前消える流れ星 三浦カツヱ
【評】流れ星に願いを…どんなロマンでも一呼吸する前に消えてしまう儚さを短い語列で表現出来ました。星空に憧れる一人として、しばし、浸ってみたい一時(ひととき)です。
妻描く未来予想図に俺不在 畠山 秀文
【評】「不在」とは何と淋しい表現。もっと自分をPRしましょう。存在価値は自分で作るもの。次回の投句を楽しみにしています。何事も努力。
2026年1月
宝くじ当らず消える胸算用 山口 陽子
【評】大きな望みも一瞬にして消える瞬間…痛々しい時間空間も人は何度も体験してその時々を生きてゆく。消える―。は少し淋しいですが次回へのファイトも感じられる一句。
主(あるじ)無き家に表札ただ一つ 芳賀 ヒサ
【評】表札が凛として主の無き後を守る。心意気が感じられる一句ですがどこか哀愁も漂います。
我が家にもひょっこり来てよ宝船 伊東 誠子
【評】一月らしい句。年賀状に添えられていたら嬉しい。もしかしたらもう来ているかも。
母になりすくすく育つ肝っ玉 佐々木千枝子
【評】児もすくすく、親もすくすく。肝っ玉母さんの声が響く。望ましい未来が見える。
パンダロス月の輪熊で埋められぬ 三ツ倉奈美子
【評】ずいぶん通った。グッズも買った。ロスは癒やせない、憎い月の輪熊などでは決して…。
戦争で今日もどこかで家なき子 岩谷 隆史
【評】亡くなる大人は子供の親、親なき子も家なき子も多くなるばかり。心痛むリアルな句。
2025年12月
そうだねと言って言われて平和な日 佐藤 雅之
【評】まずは同感。反論はゆっくりご機嫌をみてから。それが家庭平和の秘訣、らしい。
賞味期限自覚してます九十才 珠井 妙安
【評】重い、重い自覚だ。人生百年へ向けて突きつけられる自覚だ。
腹割って話せば解る同じ傷 御所野ユウ子
【評】包み隠さずに言い合えば、なあんだ、皆持っている悩みだよ。解り合えるよ。
御土産(おみやげ)は重くなっても平気なの 糸屋 幸
【評】荷物になるだろうけど、と言われてもらった物に娘達は、重くなんかない、いくらでももらうと言う。
熊怖く歩数止まった万歩計 畠山 正秀
【評】熊のせいで、あれほど働いた万歩計も用無しです。再デビューは見通し立ちません。
何事も笑顔に勝る薬なし 三浦カツヱ
【評】父母や夫の笑顔に支えられてきた人生だったと振り返る日々です。
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