猛暑のなか、母犬の雪月はつきっきりで子どもたちを育て、そのすぐそばでは、先住犬である黒柴のサクラが、産後の雪月を気遣うかのように、小さな兄妹の遊び相手になり、近くで見守り、一緒になって世話を焼いていた。
千葉さんは汗をかきながら、家中のものをおもちゃにしていく兄弟に扇風機を向けていた。
暑い日が過ぎ、落ち葉の中を駆け回り、雪に大はしゃぎする犬たち。兄弟はすくすくと育っていった。
千葉さんは毎日二回、みんなを連れてお散歩に出かける。
途中で通りかかる事務所のおじちゃんは、嬉しそうに買いだめたおやつをくれる。公園で遊んでいる子どもたちは、その時間を待っていたかのように、遊んでいたボールをほったらかして千葉さんファミリーの元へと集まってくる。すれ違う老夫婦は、愛おしそうに目を細めながら、一生懸命にカメラのシャッターを切って「大きくなったねぇ」と声をかける。地域のみんなが2頭とファミリーの成長を見守っている様子が、大館らしい。
気づけば兄弟は、黒柴サクラの倍以上の大きさになり、分厚い耳と、立派な巻き尻尾、それに太い脚をもち、ぎゅうっと抱きしめてもしっかりと立っている立派な秋田犬になっていた。