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春そこまで フキノトウ顔出す きょうは啓蟄

2021-03-05
顔を出したフキノトウ(大館市花岡町の鳥潟会館)
 5日は二十四節気の一つ「啓蟄(けいちつ)」。大地が暖まり、冬眠していた虫が土の中から出てくる頃とされる。4日の北鹿地方は高気圧に覆われ広く晴れた。大館市花岡町の県指定有形文化財・鳥潟会館では、鮮やかな黄緑色のフキノトウが顔をのぞかせ、一足早い春の訪れを告げている。
 秋田地方気象台によると、最高気温(午後3時現在)は大館市で9・5度(午後3時)、北秋田市鷹巣で11度(同3時)、鹿角市で8・1度(同2時21分)を観測。平年より4~7度ほど高かった。
 同館では外壁沿いの地面から、約5㌢のフキノトウが顔を出している。案内人を務める山内常代(つねよ)さん(71)によると、毎年約30株が芽吹き、今年は2月下旬から咲き始めたという。
 山内さんは「長い冬がようやく終わったと感じる。一足早い春の訪れを感じに鳥潟会館にきてほしい」と話した。
 気象台によると5日は、気圧の谷や湿った空気の影響で曇り、昼過ぎから雨の降る所がある見込み。



浸水した山田病院に勤務 帰郷し在宅医療の普及に力 平泉宣さん(62)=大館市扇田病院診療局長

2021-03-05
地元・大館市に帰郷し、訪問診療に力を入れる平泉さん(大館市扇田病院)
 「道具はいらない。聴診器さえあれば」。大館市立扇田病院の診療局長、平泉宣さん(62)=大館市=は東日本大震災の発生当時、岩手県山田町の県立山田病院で副院長を務めていた。自らも被災したが、停電した病院や避難所でけが人の診療を続けた。震災後には年間4000件近くの往診・訪問診療に汗を流した。住民の「笑顔」のために。
 山田病院は2階建てで、海岸から約200㍍の位置にあった。揺れが長引き、津波が襲ってくることを直感した。「三陸沿岸は過去に何度も津波が来ている。大きな被害になる」。病院が停電し、携帯電話もつながらない。看護師、患者、近隣住民ら約120人で屋上に向かった。
 屋上から見えた光景が脳裏に焼きつく。周囲は津波で覆われ、家や自動車が浮いている。孤立した病院が「まるで島のようだった」。病院は1階が浸水した。発電機でテレビをつけると、被害の深刻さが伝わってきた。
 被災から3日後、国道が通れるようになると、けが人が次々と運ばれてきた。真っ暗な手術室に寝泊まりしながら診療を続けた。4日後からは地域を歩きながら巡回診療も始め、4日間で避難所約30カ所を回った。
 11日後、担当患者の安否確認も兼ねて訪問診療も再開した。震災前は往診も含めて年間900~1000件だったが、12年は2000件弱、13、14年は4000件近くまで急増した。常勤医は2人しかおらず、周辺の開業医も被災した状況下で「医療の働きをなんとか残さないといけない」。自らの使命を全うした。
 住民からは「ショックで気分が優れない」「薬がほしい」といった声が漏れる。それでも、診察を受けると安心して笑顔で次に会う約束をする。白衣、長靴姿を見かけ、声を掛けてくれる人も多かった。「先生、大丈夫だったんですか?」「どこに行くの? 車で乗せていくよ」。人々の優しさ、笑顔が印象に残った。「互いの無事を喜んでいた。逆に心配されることも多かった」。だから「皆さんの笑顔が見たい」という気持ちが原動力になった。
 17年に山田病院を離れ、19年9月、地元・大館に44年ぶりに帰郷した。山田町では在宅医療の普及度の指標である在宅死の割合を、全国トップクラスの22・9%まで押し上げたが、大館・鹿角医療圏は10%にも満たないことを知った。「在宅医療が進まないと、病院も大変になる」。扇田病院でも訪問診療に力を入れる。赴任からこの1年間で件数は3倍以上に増えた。
 震災当時は「10年後なんて考えられない」という先の見えない日々だった。時が流れ、今は故郷の未来のために奮闘する。「世の中はもっとよくすることができる。大館に住んで良かった、と思える街にできる」と前を向いている。



鹿角市長選 三つどもえの構図に 新人の藤井氏が出馬表明

2021-03-04
市長選へ出馬を表明する藤井氏(ホテル鹿角)
 任期満了(7月2日)に伴い6月に見込まれる鹿角市長選で、元文部科学省職員で新人の藤井陽光氏(73)=花輪字西町=が3日、無所属で立候補することを表明した。これまで、会社社長の岩船勝広氏(60)=花輪字妻ノ神=と元農林水産省職員の関厚氏(67)=花輪字上花輪=が出馬を表明しており、新人による三つどもえの選挙戦となる公算が高まった。
 藤井氏は十和田大湯のホテル鹿角で会見した。7年前から親族の介護で花輪に居住し、人口減少の状況を目の当たりにしたといい、「もっと危機感を持たないと、都市機能がなくなってしまう。夢と希望を持てる鹿角にしたい」と出馬を決意した。
 最重点の政策には「鹿角に大学を作り、定住人口を増やし、転出をくい止める」を掲げ、市立の「鹿角公立情報大学」の設置構想を提示。「あらゆる産業の中で景気に左右されず一番安定している。欠点が少なく、効果が絶大。鹿角の人は学生を大事にすると思うので最適だ」と語った。
 最先端の人工知能(AI)などが学べる情報系学部で3コース(事務マネジメント、中堅工学技術者、福祉)を構想。定員は400人を目標とし、定住人口は1600人増加すると想定している。
 文科省で大学設置事務を統括する部署のリーダーを務めた経験から「人脈を生かして教員を確保できる」としたほか、財源は「市の年間予算の中から一定程度節約して積み立てる。また、市民や鹿角サポーターに寄付を呼び掛け、基金をつくる」と説明。
 最短で5年後の開学を目指すといい「『スキーと駅伝のまち』に『大学と世界遺産のまち』を付け加えたい」と意欲を示した。
 このほか、観光客数(宿泊と日帰り)を現行から約1・5倍増、就業者の所得を県平均並みまで10%アップ、花輪駅前に足湯(たまり場)の設置、女性副市長制度の導入などの政策を掲げている。
 先に出馬表明した2人と比べ「組織力や地縁はないが、政策の企画力と、それを実行に移す力が強み。政策も2人より若い」と強調。「小中学校の同級生や先輩後輩、主宰している『鹿角文化経済未来研究会』の仲間などと協力し、草の根的に支援を広げていきたい」とした。


大震災10年 被災地から東北活性化へ 復興へ起業支援に力 大館市出身の白川さん

2021-03-04
起業支援事業でチームのメンバーと話し合う白川さん㊥(本人提供)
 東日本大震災の発生から、11日で10年が経過する。大災害からこれまでの時間を北鹿地方の人々はどのように生き、歩んできたのか。震災に直面した人、被災地支援を続けてきた人、震災当日に出産を迎えた人。それぞれが向き合ってきた「3・11」と、被災地への思いに耳を傾ける。
東日本大震災で被災した地域を盛り上げ、東北の活性化につなげるために―。大館市出身で仙台市職員の白川裕也さん(35)は、「日本一起業しやすいまち」を目指して始まった同市の起業支援事業で中心的な役割を担う。震災に直面して変わった価値観。復興に向けて立ち上がる人々の背中を押したいと考えるようになった。「ロールモデルとなる仕組みをつくり、東北全体に広げたい。それが支援への恩返しになる」との思いで走り続ける。
 大館鳳鳴高校から東北大学に進学し、2008年度に入庁。若林区役所に配属されて3年が経過しようとしていた頃、震災が起きた。
 陥没した道路、落下した外壁、ビルから上がる黒い煙。若林区の沿岸部では「見慣れた景色が変わっていた」。当時、自身は庁舎内にいて無事だったが、「家族を亡くした知人もいる。市の職員も津波の警戒広報中に流された。あの時、もし沿岸部にいたら…。どうなるか分からなかった」。
 仙台市では津波等で1000人近くが亡くなり、被害の多くは海に面している若林区や宮城野区だった。「これからどうしよう」。避難所の運営業務に追われる中、住民から聞こえる声には将来を見通せない暗さが漂う。震災後は地域コミュニティーの弱体化、産業の担い手不足、過疎化による公共サービスの低下といったさまざまな社会課題も顕在化してきた。
 変わってしまった街や人。自分には何ができるのか。そんな時、地域外からやって来た人々が支援や課題解決のため、熱意を持って取り組む姿を目の当たりにした。「気持ちを揺さぶられた。被災地のために何かしたいという思いに触れ、応援したいと思った」。ゼロから復興を目指すには新たな事業が不可欠だった。
 2013年度から起業支援業務の主担当となった。開業時の補助金給付ではなく「知識やノウハウを身に付けてもらい、起業後も成長できるようなきっかけをつくりたい」と考えた。関係団体のメンバーとチームを組んで環境づくり、仕組みづくりに力を注いだ。
 13年には起業を目指す人や起業家、支援者らの交流イベントを立ち上げた。第1回は約80人の参加だったが、今では1000人超が集まるほどに成長した。14年には専門家が起業、経営についての無料相談を受け付ける起業支援センターも開設。社会起業家、ベンチャー企業の成長を促す集中支援プログラムも構築した。震災後に20件ほどだった開業件数は、年間100件超にまで急増した。
 復興に向けて勢いを加速させてきた10年間。「震災時の避難所でもそうだが、無我夢中で取り組んできた。あっという間だった」と振り返る。多くの人から支援を受けた被災地の住民として「モデルとなるような取り組みにし、東北全体に広げたい。それが恩返しになる」と信じている。


地域経済対策 商品券の再実施検討 福原市長答弁 開発支援の拡充も 大館市3月議会一般質問

2021-03-03
一般質問が行われた本会議(大館市役所)
 大館市の3月定例議会は2日、前日に続いて本会議を開き、5議員が一般質問を行った。地域経済の支援策について福原淳嗣市長は「プレミアム付き商品券事業の再実施を検討したい」との考えを示し、新技術・新商品開発支援事業についても「見直しや拡充を図りながら事業者に寄り添った支援を継続したい」と強調した。
 登壇したのは明石宏康議員(市民の風)、相馬ヱミ子議員(同)、吉原正議員(同)、小畑新一議員(公明党)、富樫孝議員(市民の風)。
 市が新型コロナウイルス対策として昨年8月に発行したプレミアム付き商品券は総額19億5000万円。購入額の3割分を上乗せして販売し、2月末に使用期限を迎えた。1日の本会議でも再実施を求める質問が出ていた。
 既存の地域商品券「Buyおおだて」の購入額に一定額を上乗せすることで「市内での消費量を増やすべきではないか」との質問があり、市長は「事業者からの要望を踏まえ、まずはプレミアム付き商品券事業の再実施を検討したい」と答弁。地域商品券については「引き続き長寿祝い金や大館能代空港運賃助成などの制度と組み合わせ、消費の流出抑制につなげるとともに、将来的にキャッシュレス決済と組み合わせた商品券の電子化を検討したい」と述べた。
 コロナ感染拡大に伴う業績悪化で従業員を休ませた企業に支給する「雇用調整助成金」の特例水準が6月末に終了する見通しを受け、「市として企業への支援をいかに考えているか」との問いに対し「国の中小企業事業再構築促進事業は業態転換や新分野への展開を支援する制度で、市では新技術・新商品開発支援事業がその役割を担っている。コロナ対策枠を設けたところ反響が大きく、今後も見直しや拡充を図る」と答えた。
 昨年12月に営業を終了した花岡温泉について「保養所として活用できないか」との質問に対しては、「源泉を所有する市として民間所有の土地建物を引き継ぐ新たな経営体から相談があった場合、積極的に対応したい」と述べた。
 新ブランド米「サキホコレ」については「現時点で作付け推奨地域に含まれていないが、早期に栽培実証試験が実施されるよう県の動向を注視する」との考えを示した。
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ドローン、観光に活用 操縦体験を販売 「地域周遊に厚みを」 秋田犬ツーリズム

2021-01-26
空撮用ドローンの操縦を体験するDMO関係者(東光鉄鋼UAV事業部)
 大館、北秋田、小坂、上小阿仁4市町村の観光地域づくり法人(DMO)・秋田犬ツーリズム(中田直文会長)は、地域の観光資源を生かした新たなアクティビティとして、大館市雪沢の東光鉄工UAV事業部(旧雪沢小)を会場に「ドローン操縦体験」の販売を開始した。同事業部と連携し、ドローンを観光資源とした新規集客を狙う。25日に関係者を招いた商品のお披露目が行われ、近隣DMOの担当者らが操縦を体験した。
 同法人の大須賀信事務局長によると、ドローン操縦体験の事業化は県内でほぼ例がないという。同事業部がある雪沢は大館市と小坂町の中間に位置し、複数の温泉施設や旧小坂鉄道の旧茂内駅など豊かな観光資源があるが、これまでは観光客が長時間滞在する機会が少なかった。操縦体験を新たに企画することで「観光客が北鹿地域を周遊するルートに厚みが生まれる。魅力あるコンテンツとして広く認知されるよう、さらに磨き上げていきたい」と話している。
 操縦体験は昨年12月上旬から商品化。全国各地の体験型商品を掲載するサイト、アクティビティジャパン(本社・東京都)のプラットフォームを使用し、同法人のウェブサイトから予約を受け付けている。
 この日は同法人職員のほか、近隣DMOとして連携を深めているあきた白神ツーリズム(能代市)の畠譲さん、十和田奥入瀬観光機構(青森県十和田市)の姫野みやこさん、会場近くの産直センターを運営するゆきさわ産直にこにこ友の会の鳥潟功幹事長らが参加し、操縦を体験した。
 参加者は同事業部の岩澤祥さんから指導を受けながら、屋外での空撮用ドローン操縦や、球状のプラスチックフレームに覆われた専用機を使って屋内で行う「ドローンサッカー」などを体験した。いずれの参加者もドローン操縦は未経験だったが、繰り返し操作を行ううちに徐々に上達。姫野さんは「最初は難しかったが、だんだん操作できるようになった。私たちのDMOでもイベント撮影などに生かせると思ったので導入も検討したい」、畠さんは「操縦体験自体が楽しいが、他のアクティビティを行う際の〝映(ば)える〟写真撮影にも活用できそうだと感じた」などと話していた。
 体験は所要時間1・5時間のSコース(人数2~3人)と、2・5時間のMコース(同2~5人)の2種類を用意。基本料金はSコースが大人(中学生以上)1人4400円。小学生は1人2800円。Mコースが大人1人5500円。小学生1人3800円。空撮ドローンで撮影した映像はデータで受け取ることができる。問い合わせは同法人事務局(電話070・2020・3085)。

花輪ばやし屋台模型 「感動 鹿角パークホテル」に展示へ 制作者の佐藤さん「感動の一助に」

2021-01-26
屋台の模型を修復する佐藤さん(ファンタジア・サトウ)
 鹿角市の旧鹿角パークホテルのロビーに飾られていた花輪ばやし屋台の模型10台が、新たな経営体によって今春再開される「感動 鹿角パークホテル」にも展示されることになった。製作者の佐藤興造さん(78)=花輪大町=は「廃棄処分される可能性もあったが、展示されることになり感謝したい」と感無量の様子。情熱を注いだ作品が再び日の目を見る、ホテル再開を心待ちにしている。
 佐藤さんは、花輪ばやし関連商品をメインにした土産品や化粧品などを販売するファンタジア・サトウの店主。
 20年ほど前から、花輪ばやし屋台の模型作りをライフワークとし、これまで大小100台以上を製作。1台完成させるには1年から1年半ほどかかるが、インターネットでの販売も行っており、市外からの問い合わせも多いという。
 旧パークホテルには歴代の社長から依頼を受け、花輪ばやし全10町内の屋台の模型を展示していた。平均サイズは幅、高さが各50㌢、奥行きが60㌢。絢爛(けんらん)豪華な造りを細部にわたって再現した逸品で、来訪者の目を楽しませてきた。
 こうした中、昨年5月に旧ホテルは事業を停止。その後しばらくは模型の行く先が決まらず、宙に浮いた状態だった。
 佐藤さんは「破産手続きが進む中で処分される可能性もあったが、多くの市民有志が心配して引き取り手を模索してくれた」と振り返る。
 その後、状況は好転。昨年10月に設立された鹿角プランニング(佐藤順英社長)が旧ホテルの建物と土地を取得し、「感動 鹿角パークホテル」として今春、再開することが決まった。
 屋台の模型10台は新パークホテルのフロントカウンター前に展示される予定。鹿角プランニングでは「花輪ばやしは鹿角、花輪にとって特別な催し物。お客さまにその興奮の一端を屋台の模型から感じ取っていただければ」と話している。
 佐藤さんは現在、ホテル側から依頼を受け、模型を店舗内に持ち込んで順次修復中。破損したり色あせたりした箇所の補修や着色などに取り組み、それぞれの屋台で微妙に異なる金箔(きんぱく)の色合いなども忠実に再現している。
 「九分九厘あきらめていたが、再生の道が見つかり感謝したい。感動が与えられるホテルの一助になればうれしい」。佐藤さんはホテル再開に期待を膨らませながら熱心に作業を進めている。作業は見学できるほか、「一緒に作ってもいい。興味のある方は大歓迎」という。
 問い合わせはファンタジア・サトウ(電話0186・23・2991)。

高齢者は3月下旬から 新型コロナワクチン接種 県が支援本部設置

2021-01-26
 全ての国民を対象に新型コロナウイルス感染症のワクチン接種を行う方針を国が示したことを受け、県は25日、接種の実施主体となる市町村をサポートするワクチン接種支援本部(本部長=堀井啓一副知事)を設置した。秋田市の県第2庁舎で本部会議を開き、今後のスケジュールや支援体制の構築について協議。国が示したスケジュール案では、重症化リスクが高い歳以上の高齢者向け接種は3月下旬に始まる予定となっている。
 新型コロナのワクチン接種は医療従事者、感染で重症化するリスクが高い高齢者、その他の人という順で行う計画。約1万人を対象とする医療従事者向けの先行接種は2月下旬、都道府県が調整主体となって実施する医療従事者向けの接種は3月中、高齢者向けの接種は3月下旬から開始する予定としている。
 高齢者やその他の人を対象にした接種は市町村が主体となって実施する計画。県はワクチン流通に関する卸業者との調整、市町村事務に関する国との連絡調整、接種スケジュールの広域調整、専門的な相談などの役割を担う。
 支援本部の設置に合わせて医務薬事課内に優先接種の体制構築など行う調整グループ、市町村の実施体制整備の支援など行う支援グループで構成するワクチン接種推進チームを設けた。
 最も早い供給開始が見込まれるワクチンはマイナス70度以下で保管する必要があるため、保管専用の機器が必要になる。機器は国が確保し都道府県を通じて設置する計画。本県は地域の中核となる大規模病院を中心に14カ所に配置する方針。
 堀井副知事は「短期間に大量の人に接種するという例のないもので、医療従事者や会場の確保など課題は多い。万が一の事態も想定しながら体制構築を進めて」と話した。

「大館の味」4点セット レトルト試作品完成 来年度までに販売目指す 試食会で反応上々

2021-01-25
馬肉と根曲がりだけの煮つけの試作品
 国の委託事業「関係人口創出・拡大モデル事業」の一環で「大館の味」をテーマにした商品開発に取り組む大館市は、レトルトの家庭料理4品をセットにした試作品を完成させた。23日夜、全国各地のサポーターで構成する「大館の食を応援するファンクラブ『WAN』」を対象にリモート試食会を開いたところ、「調理が簡単でおいしい」などと反応は上々。来年度までに首都圏で売り出す計画で、市移住交流課は「さらに磨き上げて大館のファンを増やしたい」としている。
 同事業は地域づくりの担い手不足解消のため、地域と多様に関わる人を増やすきっかけづくりをするもの。大館市はモデルに採択されて2年目。
 昨年9月から、地元食材を使用した「大館の味」の商品開発に着手。市、市まるごと体験推進協議会、女子栄養大学(埼玉県)の3者を中心に意見交換を重ねたほか、試食もして4品を決定。細かく刻んだ野菜、山菜などをみそ味のスープで煮込んだ「けの汁」、乱切りしたダイコンを塩や酢に漬けて甘酒と絡めた「なた漬け」、「山菜おこわ」、「馬肉と根曲がりだけの煮つけ」を商品化することにした。
 各品1~2食分を真空パックに小分けして4品をセットにして販売する。12月末に試作品が出来上がり、電子レンジで加熱したり、鍋で一煮立ちさせたりといった簡単な調理で食べられるようにした。女子栄養大の学生にデザインを協力してもらい、秋田犬と比内地鶏のイラストを用いたパッケージも完成させた。
 この日は試作品の反応を確かめようと、大館を応援してくれるサポーターを募って昨年9月に設立した「ファンクラブ『WAN』」の会員約70人のうち、希望した25人を対象にリモート試食会を開催。事前に4品を送り、食べてもらった感想を聞いた。
 東京、埼玉、神奈川のほか、鹿児島など全国各地から参加があり、「たくさん栄養を取れそうで毎日でも食べたい」「なた漬けは食べ応えがあり、優しい甘さ」「馬肉を食べる機会は少ないが、臭みもなく味付けがおいしい」「秋田の料理、故郷の味だと一目で分かる」との声が聞かれた。調理が簡単なため「子どものいる家庭には便利」「1人暮らしの人でも簡単に作れる」「コロナ禍でニーズは高い」と好評だった。
 市は参加者の意見を参考にして商品をさらに磨き上げていく考え。市移住交流課交流企画係の高松方純係長は「商品化に向けて自信がついた。より『大館の味』を意識して販売までこぎ着けたい。食を通じた情報発信で、大館のファンを増やせたら」と話した。

地域の財産を守れ 北秋田 金家住宅などで消火訓練 文化財防火デー前に

2021-01-25
文化財の火災を想定して住民がバケツリレーなどに取り組んだ訓練(金家住宅)
 文化財防火デー(1月26日)を前に地域の重要な建築物を守る意識を高めようと24日、北秋田市内4カ所で火災想定訓練が行われた。同市本城の国指定有形重要文化財・金家住宅では参加者約40人が初期消火などを体験し、万が一に備えた。
 文化財防火デーは、1949年に法隆寺金堂で火災が発生し壁画が焼損したことを受け、文化財の防災意識を高めようと文化庁などが制定。市消防本部では毎年、市内4地区や上小阿仁村で文化財指定の建造物や寺社など歴史のある建物での防火訓練を行っている。村では23日に福昌寺で実施した。
 金家住宅での訓練は市教委の主催で開催。金家住宅は1928年に建てられた2階建ての和館と洋館が良好に保存され、東北地方でも数少ない和洋並立住宅として2008年に重要文化財に指定された。和館は市に寄付され、洋館は現在も住家として使用されている。
 市教委や市消防本部、市消防団第9分団、本城自治会の計40人が参加。訓練は和館に煙が充満しているのを家人が発見した想定で実施し、通報や文化財の持ち出し、初期消火、消防団による放水などを行った。初期消火訓練では地域住民が協力してバケツリレーを行った。
 閉会式で長岐孝生生涯学習課長は「地域の財産を大切にし、災害から守り後世に引き継ぐのが私たちに課せられた責務」と呼び掛けた。本城自治会の金晃咲会長は「防火の重要性をあらためて感じた」と話していた。

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