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2022年8月

大雨被害 農林関係24億円超に 県の対策本部会議 さらに拡大する見通し

2022-08-19
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大雨に関する県災害対策本部会議(県災害対策本部室)
 今月上旬から続いた大雨による農林水産業関係の被害は24億円に上る見通しとなっている。18日に開催された県災害対策本部会議で農林水産部が報告。河川の氾濫が相次いだ北鹿地方を中心に農地の冠水や農業用施設の破損などが相次いでいる。県によると、山間部など被害の確認が進んでいない地域も多く、被害の規模はさらに大きくなる見込みとなっている。
 9日以降の大雨による農業関係の被害は、水稲と野菜、大豆、比内地鶏など農作物などが4億2289万円、比内地鶏の飼育用パイプハウスなど施設が423万円。比内地鶏の被害は大館市と北秋田市、上小阿仁村で確認されたもので被害額は2000万円を超えている。
 農地や農業用施設の被害は、水田畦畔の崩落などが119カ所で確認されたほか、ため池17カ所、水路92カ所、農道42カ所など合計299カ所に上っている。被害額は5億4631万円。林地や林道の被害は235カ所、被害額8億9543万円。水産関係は被害の発生は確認されているが、被害額は確定していない。
 農林水産関係被害の総額は18億6888万円に上る見込み。3日からの大雨による被害額5億7492万円を含めると、今月上旬からの大雨による農林水産関係被害は24億円を超えている。農林水産部によると、山間部の被害状況が判明するのは今後になる見通しで、被害総額はさらに膨らむと見られている。
 今月上旬からの大雨で氾濫が発生した河川は、大館市の下内川と引欠川、北秋田市の糠沢川と羽根山沢川、上小阿仁村の小阿仁川と仏社川と五反沢川を含めた13河川。斜面崩落や土砂流出などの土砂災害は大館市、鹿角市、北秋田市のほか、五城目町や三種町などの15カ所で発生。
 道路関係は県管理の9路線区間で全面通行止め、11路線14区間で片側交互交通規制が行われた。道路決壊で全面通行止めとなっている上小阿仁村の琴丘上小阿仁線は、今後1年ほど通行止めが続く見通し。
 北秋田市と仙北市を結ぶ国道105号の大覚野峠で発生した土砂崩れによる通行止めは地盤の関係から早期に土砂を撤去するのが難しい状況で、仮設の道路を整備して対応する予定。建設部によると、仮設道の設置は今後の天候に左右されるが1週間ほどかかる見通しという。
 会議で佐竹敬久知事は「大雨は一段落した状態となったが、地盤のゆるみなどで災害が発生しやすい状況が続く。引き続き警戒を」と指示した。住宅被害に対する見舞金の支給については、予算が足りなければ予備費や9月補正で対応する考えを示した上で「できるだけ早く交付を」とした。

花輪ばやしきょう開幕 関係者が安全祈願 3年ぶり開催に決意新た

2022-08-19
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祭典の安全を祈願する関係者(御旅所)
 鹿角市の伝統行事「花輪ばやし」の開幕を前に、花輪ばやし祭典委員会(髙瀬幸広会長)は18日、花輪谷地田町の御旅所(おたびしょ)で祭典祈願祭を執り行った。参加した関係者が、3年ぶりとなる祭りの安全や盛況、伝統文化の末長い継承に向けて決意を新たにした。
 花輪ばやしは、地域の総鎮守・幸(さきわい)稲荷神社の祭典で、19、20日に祭礼ばやしを奉納する伝統行事。例年、祈願祭は神社本殿からのご神体が安置される里宮の御旅所で、花輪ばやしの開幕前日に行われる。
 新型コロナウイルスの影響で昨年、一昨年は中止を余儀なくされた。3年ぶりとなる今年は19日昼の子どもパレードは中止するが、それ以外はほぼ通常通りの屋台運行となる。
 祈願祭には祭典委員会や若者頭協議会の役員ら関係者約30人が浴衣姿で参列。祭典委の名誉会長を務める関厚市長、髙瀬会長らが玉串を奉てんし、祭りの安全や無病息災などを祈った。
 19日は午後5時半に屋台運行を開始、同7時50分から駅前行事を行う。20日は未明に「朝詰」、夜は駅前行事、「赤鳥居詰」などを行う。
 臨時駐車場は鹿角市役所、鹿角地域振興局、かづの商工会、道の駅かづの・あんとらあ。シャトルバスは市役所―あんとらあ間で午後4時40分~10時20分に20分間隔で運行する。料金は100円(小学生以下無料)。
 問い合わせは祭典委員会(千歳盛酒造内、☎0186・22・6088)。

伝統の「ハッタギ踊り」 有志が練習重ね復活 大館市比内町 4年ぶり住民跳ねる

2022-08-19
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太鼓奏者を囲んで踊る参加者(扇田神明社駐車場)
 大館市比内町の市川町内会(渡邊鐵夫会長)は扇田地区伝統の「ハッタギ踊り」を4年ぶりに復活させた。住民有志が練習を重ね、17日夜に扇田神明社駐車場で開いた納涼盆踊りで披露。太鼓や笛の音に合わせて跳ねるように踊り、過ぎゆく夏のひとときを楽しみながら継承を誓い合った。
 踊りの名前に含まれるハッタギはイナゴの呼び名の一つ。振り付けに跳ねるような動きがあるのが特徴。発祥は定かではないが、戦国末期の豪族・浅利氏が太鼓の音で害虫を追い払い、地域を凶作から救った説があり、豊作を祈る踊りとして伝えられている。
 以前、ハッタギ踊りは扇田地区の送り盆行事「扇田盆踊り」で披露されてきた。2018年12月に踊り手不足などの理由から主催団体が解散して以来途絶えていた。踊りに使う太鼓を所有する市川町内会が主催し、納涼行事にハッタギ踊りを取り入れる形で4年ぶりに復活させた。
 21年に同町内の住民が扇田小学校の正課クラブ「和太鼓クラブ」で演奏指導を行ったことがきっかけ。途絶えていた踊りを復活させることで地域の伝統を深く知ってもらおうと、有志が集まり練習会を企画。同年6月から月2回、太鼓や笛の練習を重ねてきた。渡邊会長は「今後は隣接する町内会にも声をかけて徐々に規模を広げて、さらに地域を盛り上げたい」と語った。
 この日は午後6時半ころから、紅白のはんてんに白ズボンを着た奏者たちが太鼓と笛を演奏。直径約1㍍の太鼓を息の合った様子で「どーんどーん」と打ち鳴らした。地域住民ら約40人が会場に集まり、演奏の様子を撮影したり、音色に合わせて踊ったりする姿が目立った。
 このうちハッタギ踊りでは、太鼓奏者を囲むように輪を作り、参加者は軽快に飛び跳ねながら舞った。4年ぶりに参加した大沢美重子さん(76)=扇田=は「長年踊ったハッタギは体が覚えている。町全体で楽しく舞える日がまたきてほしい」と話していた。

新型コロナ 過去最多、大幅に更新 県内1673人 北鹿地方は251人

2022-08-18
 県と秋田市は17日、大館保健所管内の199人(ほか滞在の県外4人)と北秋田保健所管内の52人(同5人)を含む計1673人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりでは10日の1351人を上回り過去最多。大館管内の病院で新たにクラスター(感染者集団)が発生した。県はこれまでに確認された感染者のうち1人を取り下げ、県内は延べ6万2331人となった。県は同日、感染者3人の死亡を明らかにした。
 大館管内(大館市、鹿角市、小坂町)は50歳代の31人が最も多かった。病院クラスターは6人(入院患者4人、職員2人)の感染が確認された。このほかクラスター関連は4日公表の施設が1人で累計83人、同日公表の病院が1人で累計84人、12日公表の施設が3人で累計27人となった。
 北秋田管内(北秋田市、上小阿仁村)は2日の49人より3人多く、最多を更新。15日公表の施設クラスター関連が1人で累計10人(利用者、職員各5人)となった。
 このほか保健所別に能代管内94人、秋田中央管内124人、由利本荘管内161人、大仙管内249人、横手管内86人、湯沢管内53人、秋田市621人、県外25人。能代・由利本荘・大仙・湯沢管内と秋田市で計6件のクラスターが発生した。
 県発表分の1052人のうち会社員が259人、無職144人、施設等職員69人、未就学児68人などと続いた。軽症は825人、無症状17人、中等症5人、調査中205人。陽性者の濃厚接触者は267人、不明・調査中785人。医師が検査なしで判断する「見なし陽性」は北秋田管内の2人を含む計50人だった。
 県によると、死亡した3人はともに65歳以上で基礎疾患があった。性別や居住地は非公表。感染者の死亡は県内で累計86人となった。

9日からの記録的大雨 大館市は被害12億円 今月だけで15億円超 比内地鶏も大打撃

2022-08-18
比内地鶏農家に被害を確認する大館市職員㊧(大館市比内町笹館)
 9日から続いた記録的大雨について、大館市は17日、同日午後1時時点の被害状況をまとめ、被害額は12億2085万円に上ったと発表した。3日の大雨も含めると、被害総額は15億円超に達する。引き続き被害調査を進めており、今後さらに膨らむ可能性が高い。
 土木関係は市道32カ所、河川11カ所、河川敷7カ所などで、被害額は9億2600万円。上下水道は被害額7453万円。農林関係は農地13カ所、農業用施設23カ所、林道66カ所で、被害額は1億3033万円。
 冠水や土砂流入による農作物等の被害は、水稲が200ヘクタールで被害額3776万円、アスパラガス、ネギ、ヤマノイモ、キュウリ、小玉スイカ、花卉(かき)などの作物が4・96ヘクタールで被害額3299万円、果樹がリンゴの0・2ヘクタールで被害額81万円。
 このほか、比内地鶏は比内町味噌内、笹館、独鈷、中野の農家7戸の鶏舎が浸水し、1万5750羽が被害を受けた。鶏舎2棟も流された。被害額は1842万円としている。
 比内地鶏農家からは嘆きの声が漏れる。比内町片貝の高松司さん(40)はビニールハウス3棟で2900羽を飼育していたが、このうち約75%の2200羽が被害に遭った。水没した鶏舎の中で溺死していたという。「心配で13日朝に鶏舎の様子を見に行ったが、膝上ほどまで水が上がっていた」と話す。
 ほとんどが9~10月に出荷予定で、商品化目前の被害。2020年には新型コロナウイルス禍での需要落ち込みにも悩まされ、再び危機に直面している。「もう売るものがない。これからどうやって生活していけばいいのか」と落胆していた。
 3日の大雨の被害額は土木関係6504万円、農林関係1億8520万円、農作物等3582万円などで、計2億8857万円だった。今回と合わせると、被害総額は15億942万円に達することも判明した。
 市では土木、農政、林政各課が被害調査を続けており、「被害額は今後さらに膨らむ可能性が高い」としている。被災世帯を対象に、見舞金や税の減免措置など支援策を検討することにしている。

2022年7月

営農関係の原油・資材 価格高騰で支援策 大館市 あすから申請受け付け 脱炭素も同時推進

2022-07-31
 大館市は原油価格高騰に伴い、経営状況の厳しい農業者を支援する助成制度を新設した。二酸化炭素の排出を抑制する電動型農業機械を導入したり、耐久力などの高い資材へ転換したりした場合が条件で、営農支援と同時に脱炭素社会の実現を目指す。
 助成制度は▽農業カーボンニュートラル推進事業(事業費約2450万円)▽農業高効率化推進事業(約4190万円)▽比内地鶏導入支援事業(約540万円)の三つ。農政課によると、比内地鶏については素びな導入経費を助成し、対象農家に直接周知している。他の2事業は8月1日から申請を受け付ける。
 カーボンニュートラル推進事業は価格3万円を超える農業用電動機械を導入した場合、経費の2分の1(上限なし)を助成する。電動型の例として草刈り機、耕運機、運搬車、リフト車などが挙げられる。
 対象は10アール以上の農地を耕作している市内の農業者。農産物の販売が要件で、販売実績を証明する書類が必要。同課は「助成の対象機械となるかどうか申請前に相談してほしい」と呼びかけている。募集期間は8月末まで。
 高効率化推進事業の対象は▽被覆資材転換▽出入り口等転換の2種類。耐久力や効率性に優れたビニール資材、高気密にできるハウス資材を想定している。補助率は園芸用等施設が資材費に限って全額。育苗用や自家用などの施設は2分の1。原油由来の資材を長持ちさせ、効率的に使えるようになることで営農の経費負担を抑え、環境負荷も軽減する狙いがある。
 同課は「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、原油価格高騰に伴い厳しい経営状況の農家を支援し、脱炭素社会に向けた取り組みも進めたい」としている。詳細は生産振興係(電話0186・43・7074)。市は商工関係の中小事業者向けにも価格高騰に伴う支援策を7月から実施している。

「オリンピックオーク」除幕 後継木の寄贈受ける 鹿角市運動公園

2022-07-31
除幕式に出席した(右から)浅利名誉会長、阿部教育長、小山代表、増田さん(鹿角市総合運動公園)
 1936年のベルリン五輪で優勝者に贈られた「オリンピックオーク」。その後継木が鹿角市に贈られた。30日、植樹された市総合運動公園で除幕式が行われた。
 オリンピックオークは、同五輪の三段跳びで優勝した田島直人さんに、金メダルとともに与えられた鉢植えのドイツカシワ。出身の京都大学農学部グラウンドに植えられ、孫に当たる木を「オリンピックオークの植樹を推進する会」の小山尚元代表(岩手県滝沢市)が育て、これまでに全国各地に寄贈している。
 小山代表は鹿角紫根染・茜染研究会の関幸子会長と親交があることから、同市への寄贈が持ち上がった。東京五輪開催に合わせ、昨年10月に同公園に1本が植樹された。
 同日の浅利純子杯争奪第16回鹿角駅伝に合わせ、除幕式を行った。同大会名誉会長の浅利純子さんやスポーツジャーナリストの増田明美さんらも参加した。
 阿部義弘教育長は「オリンピックオークの木が、次の世代を担うジュニアアスリートたちに勇気と希望を与え、スポーツの競技力を高める原動力となることを期待する」とあいさつ。
 小山代表は「田島さんの文武両道の姿が人間として大切と感じて活動してきた。木が市のスポーツ振興、植物を大切にする人の力になれば」と話した。

「ボランティア広がって」 大館一中生が自主的にアルミ缶回収 夏休みに協力呼びかけ

2022-07-31
難民支援のため独自にアルミ缶回収を行っている大館一中の生徒5人(左から本多さん、谷地田さん、千葉さん、若狭さん、関口さん)=北鹿新聞社
 大館市第一中学校の生徒が、独力でアルミ缶回収のボランティア活動に取り組んでいる。3年生5人が「KRTS(カーツ)」というチーム名で企業を訪ねて回り、協力を依頼。換金して難民支援の寄付金に充てる。「ボランティア活動が地域に広がっていけば」と話している。
 取り組んでいるのは、千葉翔(かける)さん、本多剛大さん、関口正拳さん、谷地田昴さん、若狭哩惟我(りいが)さんの5人。
 千葉さんは国連児童基金(ユニセフ)のテレビコマーシャルや学校での募金活動などに触れる中で、「生活困難な難民のために寄付をしたい」という思いを募らせた。ただ現金を集めるだけでなく、生徒の手で不要な物を善意に変える方法はないか考えた。
 思いついたのがアルミ缶回収。「ロシアのウクライナ侵攻でアルミ缶の価格が高騰していると聞いた。ごみとしてよく出る物だし、軽くて持ち運べる」とSDGs(持続可能な開発目標)も意識しながら、自主的、効率的に取り組める方法に行きついた。
 友人に声をかけ、活動に勧誘。参加生徒の名前の頭文字を取って「KRTS」を結成した。6月上旬から放課後の時間を利用し、独自に企業を訪ねて協力を依頼して回っている。
 27日までに10社以上を回り、約80㌔を回収。夏休み最終日の8月24日まで協力を呼びかけるという。リサイクル会社に持ち込み換金した上で、難民支援の募金などを行うユニセフに送る予定。
 5人ともボランティア活動の経験は少なかったものの、本多さんは「難民の役に立つなら」、関口さんは「困っている人の役に立ちたい」と参加を決めた。谷地田さんは「アルミ缶回収という考えが良いと思った」、若狭さんは「新しいことに挑戦したい」と賛同した。
 千葉さんは「ボランティアは中学生でもでき、どんな人でも工夫をすればできること。活動や思いが地域に広がっていけば。アルミ缶が多くある企業や家庭があれば協力してほしい」と呼びかけている。
 アルミ缶回収の受け付けは「KRTS」のメール(krts.volunteer.4@gmail.com)

移動サービス「モビ」 推進協議会を設立 10月から実証試験 大館市

2022-07-30
実証試験の内容などを話し合った推進協議会(大館市役所)
 大館市は29日、新たな移動サービスの導入を目指す「大館版mobi(モビ)プロジェクト」の推進協議会を設立し、市役所で初会合を開いた。人工知能(AI)を活用し、予約型・乗り合い式・定額料金で配車するもので、10月から市街地の半径約2㌔圏内で実証試験を行う。市民の移動量や既存公共交通への波及効果などデータを収集・分析し、本格運行につなげたい考えだ。
 モビは、携帯電話大手・KDDIと高速バス大手・WILLER(ウィラー)の合弁会社が提供するサービス。スマートフォンのアプリか電話で乗降場所を指定すると、ワゴン車が迎えに来る仕組み。ルートが近い人との相乗りが前提となり、AIで配車効率を高める。通常料金は月5000円で何度でも利用できる。
 実証試験は国土交通省の補助事業に採択され、10月1日から来年2月28日まで秋北タクシーが運行を担う。収集するデータは▽住民移動量の変動▽エリア内施設への波及効果▽既存公共交通への影響▽市職員の業務活用―など。
 チラシやポスター、新聞広告などで周知を図り、スタンプラリーや周遊ツアーなどのイベント、きりたんぽまつりや産業祭との連携などで利用を促す。運転免許証を返納した高齢者や子どもの送り迎えなど幅広い利用を見込む。
 協議会は交通や商業、観光、金融、教育、子育て、福祉などの団体の関係者で構成。公共交通を研究している村上早紀子・福島大准教授(羽後町出身)が会長に選出された。
 事務局の都市計画課は「幅広く意見を聞きたい」として、実証運行価格を「世帯1人目2500円(月額)、2人目以降500円(同)、1回券300円」と提案したが、「バスとタクシーの中間に位置付けるとすれば安いのではないか」などの声があり、改めて協議することにした。
 市内の路線バス輸送人員は年々減少し、新型コロナウイルスの影響で2018年度から21年度にかけて27・6%減少。一方、市のアンケートで「交通手段がなく困る」との回答が47・4%を占め、移動ニーズは高まっている。
 福原淳嗣市長は「少子高齢化が進む中、地域公共交通こそが暮らしをつなぐまちづくりの要。プロジェクト実現を通じて新しい地方行政の形をつくりたい」とあいさつした。

大館市内 夏祭り 3年ぶり開催へ 一部中止も 感染対策に苦心も

2022-07-30
3年ぶりに開催する大鮎の里ふるさとまつり(2019年8月17日撮影)
 大館市で例年8月のお盆前後に開催される夏祭りや伝統行事は、7月下旬からの新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けながらも、町のにぎわいを取り戻そうと各主催団体が準備を進めている。3年ぶりの開催を目指す「大鮎の里ふるさとまつり」は、8月から9月への日程変更に加え感染症対策のため場所を変えて実施する。祭りの多くはコロナ禍以来の開催となるが、人員不足から規模縮小や中止を余儀なくされるなど関係者が対応に追われている。
 例年8月中旬に同市外川原の米代川河川緑地で開かれる田代地区の風物詩「大鮎の里ふるさとまつり」は、日程と会場を変更して実施する。感染状況を鑑みて、今年は9月4日に開催日を変更した上で、場所を同市早口のグリアス田代の多目的運動広場に変えた。奈良敏夫実行委員長は「会場が広いと、出入り口の制限、検温と消毒に人を割かなくてはならない。元通りの開催を検討してきたが、人員の問題や来場者の安全を考えて祭りの形を改めた」と話した。
 比内地区では例年8月上旬から中旬にかけて「山コチンチコ」「大葛金山太鼓」「中野七夕」を開催している。いずれも参加人数を限定し3年ぶりに実施する予定。主催団体の解散で2018年夏から途絶えている送り盆行事「扇田盆踊り」は、踊りに使う太鼓を所有する市川町内会が4年ぶりの復活開催を目指している。
 お盆期間に市内各地で行われる「獅子踊り」は通常開催を目指して各団体が準備を進めている。山田獅子踊りは8月13日の本番に向けて7月下旬から踊り手の練習会が開かれている。粕田獅子踊りは、これまで通りの実施としたが、密集を避けるために獅子踊りの前に子どもたちが披露する「やっこ踊り」は昨年に続き取りやめた。
 花岡地区で例年8月中旬に開く「花矢夏まつり」は、6月下旬時点で3年連続の中止を決めた。実行委の鈴木一敬委員長は「人員不足が主な原因。飲食やステージイベント中心の催しのため、当日の運営に加えて感染症対策となると割ける人が足りない」とこぼした。

2022年6月

長走風穴 林業遺産の種子貯蔵庫 大館 「先人の知恵詰まっている」 ガイドウオーク

2022-06-19
林業遺産に登録された風穴2号倉庫を見学する参加者㊨(長走風穴高山植物群落)
 大館市長走の国指定天然記念物・長走風穴高山植物群落で18日、大正から昭和時代初期にスギの種子貯蔵のため活用された「長走風穴種子貯蔵庫遺構」を見学するガイドウオークが行われた。参加者は、5月に林業遺産に登録された倉庫2棟を見て回るとともに風穴倉庫の歴史や利用法に理解を深めた。
 長走風穴種子貯蔵庫遺構は、長走風穴の2、3号倉庫に当たる。造林用の種子を冷温低湿状態で貯蔵するため、秋田大林区署白沢小林区署(現・米代東部森林管理署)が1912年に建造したもの。55年まで運用され、東北地方の造林事業を支えた。風穴を利用した種子貯蔵施設として国内で初めて建造され、最も長く使用された。
 同遺構は今年5月に、日本森林学会(東京都)が林業の発展に貢献した景観や建物を指定する「林業遺産」に県内2例目として認定・登録された。風穴種子貯蔵施設としても全国2例目となった。
 ガイドウオークでは、長走風穴館の管理人と大館郷土博物館の学芸員・鳥潟幸男さんが案内を務めた。自生するコケモモなどの高山植物を紹介しながら、参加者と風穴倉庫跡を巡った。
 コンクリート造りの3号倉庫前では、鳥潟さんが「当時の営林署が東北各地に配給するためにスギの種の貯蔵庫として使った」と説明。参加者は冷風が噴き出す倉庫奥をのぞき込み、内部を確認していた。
 参加した市内の男性(81)は「内部に積まれた石の隙間から冷風が出て涼しい。先人の知恵が詰まった倉庫を見学して勉強になった」と話した。
 次回のガイドウオークは7月23日午前10時半から。参加無料。問い合わせは同風穴館(☎0186・51・2005)。

釈迦内・長木地区 浄化槽で汚水処理へ 大館市が検討 21、29日に相談会 下水道区域見直し

2022-06-18
 大館市は、公共下水道未整備の釈迦内地区(獅子ケ森・小釈迦内)と長木地区(天下町・芦田子・上代野・下代野)について、個人設置の合併処理浄化槽による汚水処理で検討に入った。両地区にアンケートを行い、下水道を整備した場合に「接続できる」との回答が3割弱にとどまったためだ。21日に釈迦内公民館、29日に長木公民館で整備手法に関する相談会を開く。
 相談会は両日とも午前9時から午後7時。浄化槽はトイレの汚水だけでなく、風呂や台所などで使った生活排水を一緒に処理する。大きさに応じて設置費の一部を補助(35万2000~58万8000円)する制度があり、一般的な初期費用は約100万円。下水道のトイレ水洗化や受益者負担などを合わせた費用に比べると安いという。こうした仕組みや各種制度を紹介する。
 人口減少や少子高齢化に伴う空き家問題が今後顕著になるのは明らかだとして、市は下水道区域を見直している。昨秋は花岡や池内、餅田地区などで相談会を開いた。
 釈迦内・長木地区のアンケートは昨年9月から12月の間、6町内1475世帯を対象に実施。820世帯(55・6%)から回答を得た。
 排水処理状況について「トイレはくみ取り、その他は側溝などに流している」が59・4%で最も多く、「全て浄化槽」が32・4%、「トイレは浄化槽、その他は側溝など」が7・8%と続いた。
 今後5年程度で空き家になる可能性は「当分ない」が49%、「分からない」27・8%、「将来ある」18・4%。下水道を整備した場合、「3年以内に接続できる」が25・7%だったのに対し、「経済的に負担が大きいので接続は難しい」が27・5%、「浄化槽が使えるので急いで接続する考えはない」22・4%、「家を引き継ぐ者がいないのでこのままで良い」20・2%となった。
 これらを踏まえ「下水道でも浄化槽でも、住民負担の少ない方法で整備」を望んだ人が57%を占め、「下水道を整備してほしい」19・3%、「下水道でも浄化槽でも最も経済的な手法」が10・5%、「下水道の整備は必要ない」が8・1%と続いた。
 自由意見は225件あり、「下水道接続は経済的に困難」「他事業の整備を希望(道路、側溝、上下水道)」などの意見・要望が81件だった。
 下水道整備は旧大館市で1987年、旧比内町で89年、旧田代町で90年に着手。計画面積2023ヘクタールのうち1706ヘクタールで供用開始した。4月1日時点の普及率は61・5%。本年度は釈迦内字稲荷山下・土肥や片山字八坂、池内、小館花の一部などで工事を行う。

統合する小坂高 跡地利用は「民間に期待」 小坂町6月議会一般質問 「IC近く好立地」

2022-06-18
 小坂町の6月定例議会は17日、本会議を再開し6人が一般質問を行った。統合する小坂高校の跡地利用について、細越満町長は「インターチェンジに近く好立地だ」として、民間企業の利活用に期待を込めた。来秋グランドオープンする十和田湖・和井内エリア「道の駅」は、7万人の年間入館者数を見込んでいることを明らかにした。
 小坂高校の校舎は1978年の建設で築後40年以上が経過。細越町長は校舎の利活用には多額な改修費用がかかるとして、「建物の取得には慎重な検討が必要」と述べた。
 登壇したのは、小笠原憲昭議員、鹿兒島巖議員、菅原明雅議員、秋元英俊議員、本田佳子議員、船水隆一議員。
 小笠原議員は、小坂高の校舎利活用策を質問するとともに、消防団員の報酬引き上げを求めた。細越町長は、跡地利用は「白紙の状態」としながらも、民間活力による利活用に向け、町として対応していく考えを示した。消防団員の報酬は鹿角市と同水準にするため、条例の改正案を9月定例会に提案する方針。
 鹿兒島議員は、高齢者の生活支援を充実させるため、法制度の対象にならない人を助成する特別給付事業の創設を提案。細越町長は在宅支援サービスを充実させるため、既存事業の評価と見直しを進めていることを報告、「実態把握に努め、早い時期に制度設計し対応したい」と前向きな姿勢を示した。
 菅原議員は、小坂高校は校地のほかにグラウンドなど敷地が広く、跡地利用へ早期に積極的に取り組むべきだと質問。統合後に町外に通学する高校生に対する助成を求めた。細越町長は、跡地利用は民間活力が望ましいという考えを改めて示し、「町外への通学費補助は当然考えていかなければならない」と答えた。
 秋元議員は十和田湖大川岱に設置されている「樹恩の鐘」が休止状況にあることを取り上げ、復旧しないのか、と質問。細越町長は、鐘はドイツで鋳造されたもので「修理は困難」とし、「鐘の鳴る丘」整備事業で設置された趣旨を踏まえ「必要なモニュメント。地元の意見を聞いて今後の方向性を検討する」と答えた。
 本田議員は母子手帳を取り上げ、低出生体重児の支援体制をただした。細越町長は低出生体重児の成長を記録できる冊子の発行について、県が検討していることを指摘し、「動向を注視している」と答弁。町は8月から母子手帳アプリ「母子モ」の運用を開始する予定。
 船水議員は来秋オープンする和井内の道の駅を取り上げ、運営体制、入館者見込みなどを質問。細越町長は運営は指定管理で行う考えを示した。入館者については「コロナ禍がある程度収束すれば、十和田湖観光客の約1割の7万人程度が見込めるのではないか」と答えた。

北秋田市のカフェで フラワーツーリズム 庭を観賞、寄せ植えも

2022-06-18
オープンガーデンを観賞する参加者(ふみきりのcafe)
 花が咲き誇る庭の観賞や寄せ植え体験を楽しむ「秋田花まるっフラワーツーリズム2022」が17日、北秋田市川井のふみきり野cafeで行われた。県内から10人が参加し、バラや宿根草など色とりどりの花に触れながら、交流を深めた。
 NPO法人秋田花まるっグリーン・ツーリズム推進協議会主催。花を見どころにしている会員施設を訪れる「フラワーツーリズム」として初めて企画し、今月北秋田市とにかほ市で開催した。事務局は「自然の中でゆっくり過ごし、花を通じて交流する機会にしてほしい」と話す。
 「ふみきり野Cafe」はあけぼの農園(加藤吉弘社長)が経営し、敷地内には花苗などを販売する「ふみきりの花屋」やオープンガーデンがあり、育てているヒツジなどの見学もできる。加藤由美子さんが案内し、ピンク色のバラのアーチをくぐり、ジギタリスやオルレアなど多彩な花々を見ながら笑顔が広がった。
 寄せ植え体験では加藤さんが「背の高いもの、こんもりと増えるもの、這わせるものの3種類を選んで植えるとバランスがいい」などアドバイス。参加者が花やハーブの苗を選び、プランターに植え付けた。
 オープンガーデンは見頃を迎えており、加藤さんは「あこがれの庭というよりは、親しみやすい庭を目指している。見に来た人がまねしたり、始めてみようと思ったりするきっかけになればうれしい」と話した。

コールセンターなぜ撤退 大綱質疑 議員「企業見極め誘致を」 北秋田市6月議会・開会

2022-06-17
開会した北秋田市の6月定例議会本会議(市役所)
 北秋田市の6月定例議会は16日開会し、会期を28日までの13日間と決めた後、2022年度一般会計補正予算案など議案14件と報告3件を上程、議案に対する大綱質疑を行い、各常任委員会へ付託して散会した。一般会計補正予算案にはコロナ禍や燃料高騰の影響を受けている公共交通事業者、貸し切り観光バス、代行事業者への補助金や、市内事業者の事業承継を支援する補助金などを計上した。
 提出された議案は、条例案1件、補正予算案10件、単行議案3件、報告3件の計17件。
 条例案は南鷹巣団地の建て替えに伴い用途廃止する市営住宅について、所要の規定整備を行うため市営住宅条例の一部を改正する。
 補正予算案のうち、一般会計の補正額は1億9560万円で、補正後の総額は228億5960万円。主な歳出は公共交通事業者事業継続支援補助金に380万円、観光交通事業者等事業継続支援事業補助金に115万円を計上。車両固定費の一部として事業者に、バス1台10万円、タクシー1台5万円、貸し切り観光バス1台10万円、代行1台5万円を補助する。秋田内陸線を支援する交付金349万円も措置した。
 事業者の事業承継や新分野の展開を支援する地域商業等活性化支援事業補助金600万円、世界文化遺産の伊勢堂岱遺跡を知ってもらうため、市民団体ツアーを企画する縄文遺跡招待業務委託に118万円などを計上した。
 財産の取得は市消防本部の車両更新のため、災害対応特殊救急車1台を3696万円で購入する。
 昨年3月に誘致企業として進出したコールセンター業のディグロス(本社・東京)が今年3月に撤退し、一般会計で雇用奨励金と事業所賃借料助成金を減額する。大綱質疑で撤退理由の質問があり、産業部は「生産性や実績があまり向上しなかったことや、首都圏での事業に力を入れた方が望ましいと経営方針が転換されたため」と説明。産業部によると、社員はパートなどを含め最大27人で、閉鎖時は23人。17人が解雇され、6人はリモートワークでコールセンター業務を続けている。
 議員が「市は企業を見極めて誘致し、経営状態を把握する努力が必要ではないか」と指摘し、津谷永光市長は「この地域で人が集まらないなどの理由もあり、こういう結果となった。期待された企業の撤退にショックを受けている。これを教訓に企業の状況や雇用環境を把握する努力をしたい」と答えた。
 開会に先立ち、議員在職20年以上の板垣淳議員、正副議長4年以上在職者として前副議長の佐藤重光議員に全国市議会議長会の表彰状が伝達された。このほか、正副議長4年以上の黒澤芳彦前議長も表彰を受けた。
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