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ツキノワグマ出没「例年より早い」 県連絡会議  人身被害で注意喚起

2021-04-22
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被害防止対策を協議した連絡会議(県第2庁舎)
 県ツキノワグマ被害防止連絡会議が21日、県第2庁舎で開かれ、関係団体が本年度に実施する被害防止対策について協議した。北鹿地方ではクマによる人身被害がすでに発生しており、県自然保護課は4月に複数の人身被害が発生した過去の例を説明。「冬眠から覚めた状態にあり、出没してもおかしくない」として注意を呼びかけた。
 山菜採りなどで入山が増え、クマと遭遇するケースが増える時期を前に、関係団体が被害防止対策を確認し、県民に向けて注意喚起しようと開催。北鹿地方では20日に大館市内で、山菜採りの男性がクマに襲われ重傷を負う被害が発生。鹿角市では飼料が食い荒らされる被害が確認されるなど、注意が必要な時期に入っている。
 会議には県と市町村、東北森林管理局、県警、猟友会などの関係者約80人が出席。県自然保護課の澤田智志課長は「大館市では人身被害、鹿角市では食害が確認されるなど例年より被害の発生は早い。耕作放棄地の増加や人口減少などで、クマが人里近くまで来るようになっている。山に入る機会の増加に向け、対策にあたって」などと訴えた。
 続いて県自然保護課、水田総合利用課、森林整備課、県警、東北森林管理局の担当者が本年度実施するクマの被害防止対策を説明した。
 自然保護課は、2018年4月に2件の人身被害が発生したことを紹介しながら「例年より早いとされているが、クマはこの時期、冬眠から覚めており、出没してもおかしくない状況」とし、入山者に注意するよう呼びかけた。
 今後の対策については、▽人里での人身被害増加▽集落や市街地への出没の多発▽被害対策を担う人材の確保―などが課題になるとし、市町村などと連携して地域の実情に合わせた取り組みを展開する方針を示した。
 クマ出没の増加を受けて、県が昨年度開設した被害対策支援センター職員による事故の未然防止と、出没時の対応をテーマにした講話も行われた。



修学旅行 東京、函館は断念 新型コロナ再拡大で 大館市の小中学校

2021-04-21
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 新型コロナウイルス感染が全国的に再拡大していることを受け、大館市内の小・中学校が、5月以降に計画している修学旅行の目的地を変更するなど対応を余儀なくされている。市教委によると、ほとんどの学校が新たな目的地として、比較的拡大していない県内や、岩手と青森両県を含む北東北方面を選んでいる。
 市立の中学8校は5月中旬から6月上旬までの間に実施する計画だった。目的地は東北地方が目立った。小学17校は6月上旬から10月上旬までの間、大半が北海道函館市方面で計画していた。
 いずれも3月1日時点の計画。現在ほど感染者数が増加していなかった時期で、一昨年までの首都圏や北海道を目的地に選ぶ学校もあった。県が独自の警戒レベルを「3」に引き上げた4月12日の段階で、ほとんどの学校が県内や北東北に変更したという。
 5月19日から東京方面に行く予定だった北陽中は県内で再調整している。伊多波卓美校長は「東京方面は2月ごろから諦めかけていた。北東北方面に変更するつもりでいたが感染が相次いだため、現在は県内で検討中。今月末までには決めたい」と話す。
 東京・千葉方面の予定だった下川沿中は岩手・宮城方面に変更した。仙台市は感染が急拡大し4月5日から1カ月間、まん延防止等重点措置の重点区域に指定されている。山崎悟校長は「同じ宮城県でも感染者数の少ない市町村をコースに選んだ。宿泊先には特に気を使った」と説明する。
 県立の国際情報学院中は国際理解を図る目的で、11月に台湾での修学旅行を予定したが「渡航自体が難しい」(村上清秀校長)ため、国内に変えた。具体的な目的地は今後の感染状況を踏まえた上で検討するという。
 市教委によると、昨年度はコロナ禍で1校が修学旅行を中止。他は秋に延期するなどして実施した。目的地は北東北方面が多かった。本年度については時期を大きく変えず、目的地を変更して実施する方針で、実施の可否は各校の校長が判断する。山本多鶴子教育監は「各校が行き先の感染状況を精査し感染防止対策を立てた中でコースを選んでいる。そのコースも2案、3案を持ってもらっている」と話した。



鷹巣中央公園 桜が見ごろ 水面に浮かぶ夜桜

2021-04-22
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満開の桜と水面に映し出された夜桜(北秋田市鷹巣中央公園)
 北秋田市鷹巣中央公園の桜が見頃を迎えている。園内では桜まつりが開催中で、夜桜が楽しめるライトアップを実施している。ライトで照らされた満開の桜とともに、水面に映る鮮やかな花が幻想的な光景をつくりだしている。期間は5月5日まで。
 「観光秋田三十景」の一つに数えられる中央公園には、ソメイヨシノやヤエザクラなど約800本が植えられており、池に映る桜の景観が花見客を楽しませている。
 まつりを主催する市観光物産協会(檜森正太会長)によると、中央公園のソメイヨシノは18日に開花。見頃は25日ごろまでとみている。
 園全体で実施している桜のライトアップは、期間中の午後5時から9時まで。新型コロナウイルス感染防止対策として会場での飲食は禁止とし、露店の出店やイベントなどは行わない。
 今年はインスタグラムフォトコンテストのほか、ドローンとボート上で撮影した動画を動画投稿サイト「ユーチューブ」で配信する。市の協力を得て、花咲か爺さんに扮(ふん)した同協会の職員が市内各地を巡り、市が伐採した桜の枝と自宅での桜の楽しみ方を紹介したチラシを配る。
 同協会の三澤士事務局長は「コロナ禍でも、まつりを楽しんでもらえるよう取り組んでいる。コロナ対策を万全にして、ぜひ公園を訪れてほしい」と話した。



クマに襲われ男性重傷 大館市比内町 山菜採りで入山 県内今年初の人身被害 市では2年9カ月ぶり

2021-04-21
現場状況を確認し合う猟友会員や大館市職員(大館市比内町独鈷)
 20日正午ごろ、大館市比内町独鈷字向日詰の山中で、山菜採りをしていた同市比内町扇田字町後の無職男性(75)がクマに襲われて顔を引っかかれ、右ほほの骨を折るなどの重傷を負った。県警によると、クマによる人身被害は今年県内で初めて。大館署管内では2018年7月以来、約2年9カ月ぶり。
 大館署や市などによると、男性は山菜採りをするため、友人の男性(70)=大館市=と一緒に午前10時30分ごろから入山。声を掛け合いながら別々に行動していた。
 正午ごろ、約20㍍離れた場所にいた友人の男性が悲鳴を聞き、山の上方に目を向けると、クマにおおいかぶさられている男性を発見。大きな声や音を出して追い払った後、携帯電話で「一緒に入山した男性がクマに襲われ、顔面から出血している」と119番通報した。
 クマは体長約1㍍で、山の南東方向に逃げたとみられる。猟友会員や市職員、大館署員ら約10人が現場付近を探したが、クマの姿は見つからなかった。周辺には足跡などがあった。
 現場は日詰集落から南に約300㍍に位置する山の中腹。高さ1~1・5㍍のやぶが生い茂っているが、刈り払われた箇所も多く、見通しは悪くないという。
 同署や市は周辺地域を巡回し、住民に注意を呼び掛けている。

PCR検査試薬 増産へ大館に第2工場 PSS(本社・千葉県) 供給能力4倍に 来春の稼働目指す

2021-04-21
地鎮祭であいさつする田島社長(大館市花岡町)
 DNA自動抽出装置製造のプレシジョン・システム・サイエンス(PSS、本社・千葉県、田島秀二社長)は20日、大館市花岡工業団地内で大館試薬センター第2工場の地鎮祭と安全祈願祭を行った。新型コロナウイルスの感染拡大に伴って、グループ会社で全自動PCR検査装置を製造しており、同装置に使用する試薬などの供給能力拡大を目指す。今後順次着工し、2022年4月ごろの稼働を予定している。
 第2工場は、同社の子会社で医療機器・プラスチック成形品製造・エヌピーエス(NPS・池田秀雄社長)に隣接するPSS所有の約6000平方㍍の敷地に建設予定。鉄骨平屋造りで、建築面積は第1工場の約2倍となる3554平方㍍。事業費は約14億5000万円を見込み、国の「サプライチェーン対策のための国内投資促進事業費補助金」を活用する。
 NPSはPSSが販売している全自動PCR装置の一部を製造しているほか、同装置に使う試薬や、試薬を入れるカートリッジなども生産。NPSの池田社長によると、現在はPCR試薬を月に70~80万セット製造しているが、すでに1日3交代のフル稼働となっており増産要求に対応できなかった。新工場が稼働すれば、月に300万セットの生産が可能となり、生産能力は約4倍となる見込み。
 地鎮祭には関係者約30人が出席。PSSの田島社長は「PCR装置と試薬の増産を図るとともに、国内の遺伝子検査体制を充実させる機会としたい」とあいさつした。「遺伝子検査はコロナだけでなく、がんの早期発見など広範に活用が期待できる。装置と試薬の供給体制をしっかり整備していきたい」と展望を語った。

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教職員異動 高校 大館鳳鳴校長に渡邉氏 北鷹に一関氏、花輪に佐藤氏

2021-03-24
 県教育委員会は23日、2021年度教職員定期人事異動を発表した。北鹿関係の高校長は2人が退職し、異動は5件。大館鳳鳴に渡邉政徳・十和田高校長、秋田北鷹には一関智子・小坂高校長、花輪には佐藤真之・横手高副校長、十和田には成田耕治・二ツ井高校長、小坂には藤澤修・高校教育課主幹が就く。教育庁関係を含む全体の異動件数は3449件で、前年度比345件増。発令は4月1日。
 高校の異動件数は631件で、前年度比50件増。人事交流として引き続き、秋田大学教育文化学部附属中学校に2人、聖霊短期大学附属高校に1人配置。他道県との交流は休止となった。教育専門監は新たに4人を認定。前年度3人増の計20人を置く(学習支援の場「スペース・イオ」配置の2人は除く)。
 小中学校の異動件数は2299件で、前年度比262件増。北鹿関係の小中学校長は17人が退職し、異動は27件となった。鷹巣中央小と鷹巣南小が統合した「清鷹小」には山本英幸・鷹巣南小校長、花輪北小と平元小が統合した「紫平小」には虻川真喜子・花輪北小校長。上小阿仁小は小林公栄・大阿仁小教頭、小坂小は奈良育・尾去沢小校長が就きそれぞれ中学を兼任する。他県交流で岡山県から教員1人が北陽中に配置される。教育専門監は本年度1人減の34人を置く。
 特別支援学校は258件で、9件増。小中学校との研修人事交流では、2年間の交流期間が終了。新たに小中学校から6人、特別支援学校から6人が2年間の交流を始める。教育専門監の配置は前年度比2人増の12人を配置する。

「教わる」からの卒業 小林さん(大館市) 教員生活の成果一冊に

2021-03-24
著書を出版する小林さん(本人提供)
 元中学校長で県小・中学校進路指導研究会の小林一彦名誉会長(大館市)が、新学習指導要領で重視される「主体的・対話的な学び(アクティブラーニング)」の実現に向けて「追究型学習」を紹介する著書「追究型学習のすすめ 『教わる』からの卒業」(実業之日本社)を出版した。
 教育分野の大学名誉教授や教育長、専門機関の研究員らが出席する「キャリア教育中央研修」の講師を務めたことがきっかけとなり、他県の教育関係者から見解を求められることが増えたという。自身の教員生活33年の振り返りも兼ねて、教育に関する理論と実践を一冊にまとめた。
 学校のキャリア教育は、新学習指導要領によると「生徒が自らの生き方を考え主体的に進路を選択できるよう、計画的な進路指導を行う」と位置づけられている。
 本書では、教え込まれるのではなく、自ら調べて考える追究型学習の構造や事例を紹介。子どもの内発的意欲を喚起して、学習課題を意図的に引き出させる工夫やポイントが述べられている。
 台形の面積を求める設問では「面積を求めよ」を「面積をどのような方法で求めると、どんなよさがあるだろう」という学習課題に変換することで回答が「早く解ける」「正確にできる」など複数になると指摘。「学習課題がリフレクション(学習を振り返り生活や将来にどうつながっているか想起すること)に到達できる設定でなければ、学びは生活や将来に結びつきにくい」とする。「子どもから意図的な引き出し・導き出しで学習意欲をかき立てることが学習の効果を上げる」と説く。
 小林さんは「教育の力で大館を、未来を変えたい」と話し、「そもそも〝キャリア教育とは何か〟を知らない人も多い。初任者研修や講演、大学での講義などでこれから教育に携わる人に向けて啓発活動をしていきたい」と語った。A4判、128㌻。2200円(税込み)。

「寒熟りんご」商標登録認定 陽気な母さんの店 ブランド化の弾みに

2021-03-23
「寒熟りんご」の商標登録を報告した畠山会長㊧と畠山幹事(大館市釈迦内の大館放送)
 大館市曲田の直売所「陽気な母さんの店」(石垣一子社長)がジュースにして売り出している「寒熟りんご」が商標登録された。晩秋の寒さで糖度が上がったふじと王林を使用した商品で、商標登録されたことでブランド力や知名度向上が期待される。同社ではさらに「寒熟りんご」を使用した商品を開発し、農家の収入増とともに、地域活性化につなげる狙いだ。
 同店によると、昼夜の寒暖差の激しい中で育つリンゴは甘みが凝縮されるのが特徴。通常は10月下旬から収穫するが、寒さが厳しさを増す月中旬以降に収穫する。リンゴは寒さが増すごとに糖度が上がって甘くなるという。じっくり樹上で完熟させることから、同店の果樹部会(畠山和子会長)が「寒熟りんご」と命名した。
 果樹部会は「寒熟りんご」が広く親しまれ定着するよう、名称の商標登録を昨年1月に特許庁に申請。今年2月に登録された。交流のある県農林水産部・農業経済課・販売戦略室の加藤はなゑ主査に協力してもらい、商品開発のワークショップを開き、準備を進めてきた。
 パッケージデザインは同市のデザイン事務所「スリーペアデザイン」でグラフィックデザイナーを務める三浦梨恵子さんに依頼。イラストは会員たちがリンゴの木の下で一生懸命農作業をしている場面が描かれている。三浦さんは「『大切な人がいっぷくの時に飲んでほしい、子どもにも安心して飲んでほしい』という母親ならではの思いを表現。やさしい癒やしが感じられるようなかわいいデザインにした」と語った。
 果樹部会の畠山会長と畠山市子幹事は19日、コミュニティーFM「ラジオおおだて」で商標登録されたことを報告。加藤主査も電話出演し、商品開発から登録までの経緯、会員19人の思いを伝えた。
 ジュースは「ふじ」と「ミックス(ふじと王林)」の2種類。リンゴ100%で、ふじの酸味や王林の甘さ、香りが凝縮された商品になっている。小瓶(180㍉㍑)は200円、大瓶は(500㍉㍑)350円(どちらも税込み)。セットでも販売している。畠山幹事は「お中元やお歳暮など贈り物にも使ってほしい」と呼び掛けた。
 今後は県外での販路拡大を目指すと同時に「寒熟りんご」シリーズとして、さまざまな加工商品を開発していく。畠山会長は「みんなで協力しないと作れない商品。いつまでも長く続けるとともに、弁当部、食堂部と協力しながら新商品開発に取り組んでいく」と抱負を語った。



新型コロナワクチン接種 高齢者「5月から本格化」 県が見通しが示す

2021-03-23
県新型コロナウイルスワクチン接種支援本部会議(災害対策本部室)
  県新型コロナウイルス感染症ワクチン接種支援本部(本部長・堀井啓一副知事)は22日、秋田市の県第2庁舎で第2回本部会議を開き、ワクチン供給スケジュールや高齢者向け接種の体制確保状況などを確認した。市町村が主体となって実施する高齢者向け接種は、4月に配送されるワクチンが限定的なため、本格化するのは5月に入ってからとなる見通しが示された。
 国が示したワクチン配送スケジュールによると、県が主体となって行う医療従事者等向け優先接種分は、4月中旬までに対象者の8~9割分が県内に配送される見通し。北鹿地方では大館市立総合病院は今月上旬に到着済み、今月29日の週にはかづの厚生病院、4月12日の週には北秋田市民病院に配送される予定。
 高齢者向け優先接種については、4月5日の週から19日の週に配送予定となっている22箱は高齢者人口が多い22市町に配分する。4月26日の週に配送予定の25箱は全市町村に1箱ずつ配分する方針。その後は、市町村の需要量に応じて出荷する計画。国は、6月末までに全国の対象者に2回接種できる分のワクチンの配送を完了するとしている。
 接種体制については、集団が中心だが個別を併せて行う市町村もある。北鹿地方は大館、鹿角、北秋田の3市は集団と個別の両方で実施。小坂町は個別、上小阿仁村は集団で行う方針。4月下旬から5月中旬に接種を開始する方向で準備を進めている。
 接種前のシミュレーションについては、仙北市を除く24市町村が実施または実施する予定。専用のコールセンターについては半数以上の市町村が開設せず、専用窓口を設けて住民の相談に対応する考え。県では、医学的知見が必要となる専門的な相談に対応するワクチン相談センターを25日に開設する。新年度に入るとコールセンターを設けて対応する予定。
 堀井副知事は「高齢者向け接種は数量の関係で4月は限定的な実施になる。5月から本格化する。実施体制を確保できないという市町村はないが、医療従事者等接種と日程が重なったりする可能性もある。市町村や医師会などと連携してきめ細かにサポートして」などとした。

地域救命救急センター 設置へ施設整備計画 大館市立総合病院 新年度から3カ年で

2021-03-22
地域救命救急センターの設置が計画されている大館市立総合病院
 大館市立総合病院(吉原秀一院長)は、虚血性心疾患の心臓カテーテル治療などに対応するため、地域救命救急センター設置を計画している。新年度から3カ年で救急室棟の増築・改修工事、医療機器整備を行う方針。現在は心臓カテーテル治療が必要な患者を県外の医療機関に搬送しており、病院事務局は「秋田大から循環器内科医師を派遣するとの回答を得ており、高度な専門的治療を地域内で受けることができるように環境を整備したい」と話す。
 大館・鹿角地域では、狭心症や心筋梗塞などで心臓カテーテル治療が必要な患者のほぼ全てを、他県の医療機関に搬送している状況にある。総合病院への救急搬送患者は、市外からも含めて年間2300件前後で推移。心臓カテーテル治療等による他病院への紹介患者数は2017年が85人、18年53人、19年51人となっている。
 県地域医療構想では「大館・鹿角地域に地域救命救急センターの設置を目指す」と盛り込まれた。18年の同地域医療構想調整会議で「総合病院への地域救命救急センター整備が課題」とされ、本年度から県の補助を受けて必要な医療機器の整備を進めている。
 市の3月定例議会厚生常任委員会で病院事務局が整備計画を示した。救急車が到着し、患者が搬送される病院東側の救急室棟の増築や改修を行う。
 具体的には、救急車で搬送された患者の初期治療を行う「救急処置室」と、初期治療が済み次第、点滴などの治療を受ける「時間外処置室」を2倍に増やす。救急処置室は現在の1人から2人同時に治療ができるように、時間外処置室は現在の5人分から10人分に拡張する。現在2部屋の診察室は、感染症用1部屋を含め計4部屋に増やす。増築した2階部分には、医師・看護師の当直室、患者の症例・治療の検討を行うスペースを設ける。
 診療の要となる医師の配置について事務局は、「これまで県や秋田大、弘前大に依頼し、秋田大から循環器内科医師2人を派遣するとの回答を得たことから必要な体制整備を進めたい」と説明した。
 施設整備や医療機器整備など概算事業費は現時点で約5億700万円を想定。補助など県と協議を行いながら、6月定例議会に関連予算を提案する方針。年度に基本・実施設計、22、23年度で増築、改修工事を行い、23年度には必要な医療機器や備品購入を予定している。
 事務局は「センター設置により、複数重症患者の受け入れや、狭心症や心筋梗塞などの治療が可能となり、県外に行かなくても高度な専門的治療を地域内で受けることができるようになる」と話している。
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