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2022年8月

北鹿地方 被害額は6億円超 記録的大雨から1週間 床上など浸水131棟

2022-08-10
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3日の大雨で下内川が氾濫し、浸水被害が多発した大館市沼館地区(大館市消防本部提供)
 本県北部を襲った記録的な大雨から、10日で1週間となる。北鹿地方を中心に被害が相次ぎ、3市での被害額は8日現在で6億円超。JR奥羽線では線路の盛り土が流出し、大館―東能代駅間で運転の見合わせが続いている。被害の傷跡が残る中、10日にかけて再び雨が強まる見込みで、地域住民は不安を感じている。
 県が9日午後3時現在でまとめた被害状況によると、建物被害は大館市で111棟(床上浸水19棟、床下浸水38棟、非住家浸水54棟)、北秋田市で14棟(床上1棟、床下13棟)、鹿角市で6棟(床上3棟、床下3棟)。
 河川や道路など土木施設関係の被害は、鹿角、北秋田両地域振興局管内で34カ所に上る。小坂町十和田湖―青森県境間の国道454号、小坂町小坂―青森県境間の国道282号はいずれも土砂の流出で、交通規制が続いている。
 北鹿各市町村によると、農作物、施設被害等を含めた農林水産・土木関係の被害総額は8日現在、大館市で4億3545万円、北秋田市で1億9063万円、鹿角市で2246万円となり、3市合計で6億4854万円に上ることが判明した。
 のり面崩落や倒木、田畑の冠水、土砂流入などが相次ぎ、確認される被害は日に日に増えている。一部の自治体では農業用施設や農作物などの被害を調査中で、被害額は今後さらに膨らむ可能性がある。
 JR奥羽線では下川沿―大館駅の線路の盛り土が流出し、列車が運行できない状況が続く。線路が宙づりの状態となっており、JR秋田支社が復旧を急いでいるが、運転再開の見通しは立っていない。
 大館市での浸水被害111棟のうち大部分の97棟を占めたのが沼館地区。下内川が氾濫して堤防の3カ所が決壊し、集落が冠水した。県は決壊箇所に土のうを積み上げるなどして応急の復旧作業を急ピッチで進め、8日までに完了させた。
 10日にかけて再び強い雨が降る予報となっており、県河川砂防課は「監視体制をとってしっかりと備えたい」と警戒感を示す。
 被害から間もない中で、地域住民からは不安の声が漏れる。沼館町内会の虻川正道会長は「堤防の復旧は終わったが、川の水量が多くなるとどうなるか心配」とこぼす。県が進めている下内川の河川改修工事について「早期の全面改修が地域みんなの願い」と切望している。

花輪ねぷた 久しぶり熱気戻る

2022-08-10
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大太鼓を打ち鳴らす若者たち(稲村橋)
 鹿角市無形民俗文化財に指定されている七夕行事「花輪ねぷた」が7、8の両日、同市花輪で3年ぶりに行われた。新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、初日は縮小開催となったが、最終日の8日夜は米代川に架かる稲村橋に10町内が集合し、王将型灯籠に点火して圧巻のフィナーレを迎えた。
 花輪ねぷたは、七夕祭りと眠り流しが習合したもので、源流は古代信仰にみられる禊(みそ)ぎにあると考えられている。江戸末期ごろから行われ、お盆を迎えるための前行事として伝承されてきた。保存団体は花輪ばやし祭典委員会(髙瀬幸広会長)。
 将棋の駒の形をした王将灯籠は高さ約5㍍。正面に「王将」、側面に「七夕祭」「天の川」の文字、背面に色どり鮮やかで勇壮な武者絵を描くのが伝統的なスタイル。大太鼓は直径約2㍍で、さまざまな形の灯籠が飾り付けられる。
 参加10町内のうち旭町の武者絵は、コロナ禍で中止となった2年前の卒業生が当時描いた作品をそのまま使用し、現役最後の年に祭りができなかった世代の思いを共有した。祭りの若者会は数え年42歳の定年制。
 今年は3年ぶりの開催に向けて準備を進めてきたが、7月下旬から感染が急拡大。「参加者や観光客の安全を考え、初日の運行を一部変更した」(髙瀬会長)と対策を講じ、予定していた大太鼓コンクールやJR鹿角花輪駅前行事、赤鳥居パレードなどは中止した。
 8日は花火打ち上げや、上5町内と下5町内に分かれての大太鼓競演を取りやめた以外はほぼ例年通りに運行した。
 午後9時ごろ、稲村橋へ全町内が集合し、王将コンクールの審査結果を発表。独特の手締め式「サンサ」に続き、灯籠へ一斉に火を放った。大太鼓の演奏曲はそれまでの「七夕」から「大の坂」へと切り替わって盛り上がりは最高潮に達した。
 7日に行われた王将絵コンクールの結果は次の通り。
 ▽秋田県知事賞=大町▽鹿角市長賞=谷地田町▽花輪ばやし祭典委員会長賞=六日町▽鹿角市教育長賞=旭町▽かづの商工会長賞=新町▽十和田八幡平観光物産協会長賞=舟場元町

鹿角市官製談合事件 児玉前市長ら有罪判決確定 業者側も控訴なく

2022-08-10
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 鹿角市発注工事の一般競争入札を巡る官製談合事件で、入札情報を複数の業者に漏らし不正に落札させたとして、官製談合防止法違反と公契約関係競売入札妨害の罪に問われた前市長の児玉一被告(75)=同市花輪=を懲役3年、執行猶予4年(求刑懲役3年)とした秋田地裁判決が確定した。業者側の4被告についても判決が確定。検察、弁護側いずれも期限の8日までに控訴しなかった。
 業者側4被告は、入手した情報で工事を落札したとして、いずれも公契約関係競売入札妨害の罪に問われた「柳沢建設」元社長の柳沢義人被告(75)=十和田大湯、同社元常務で元市建設部長の山口達夫被告(64)=八幡平、「田中建設」元社長の田中教雄被告(72)=花輪、「イトウ建材店」元取締役の伊藤正隆被告(71)=十和田毛馬内。
 秋田地裁判決で、柳沢、田中、伊藤の3被告は懲役1年、執行猶予3年(いずれも求刑懲役1年)、山口被告は懲役10月、執行猶予3年(求刑懲役10月)を言い渡されていた。
 判決によると、児玉被告は2019年に道の駅かづのの建築主体工事と機械設備工事の2件、20年に統合校舎(旧花輪二中)の機械設備工事1件の計3件の入札で、最低制限価格や工事価格などを業者に漏らし、不正に落札させた。
 柳沢、山口、田中、伊藤の4被告は児玉被告と共謀の上、情報に基づいて工事を落札し、入札の公正を害した。

ハチ公生誕100年 プロジェクトが始動 大館市 公式ロゴを発表

2022-08-09
公式ロゴ付きTシャツを着てPRする福原市長㊥(大館市役所)
 来年、生誕100年を迎える大館市生まれの秋田犬・ハチ公を祝おうと市は8日、公式ロゴマークを発表し、ホームページや交流サイト(SNS)で本番に向けたPRを本格的に開始した。ロゴは申請すれば個人や企業に無料で提供し、幅広く利用を呼びかけている。
 市役所で福原淳嗣市長が会見し、ロゴのほか、公式ホームページ(HP)や短文投稿サイト「ツイッター」のアカウント開設などを発表した。99歳を祝うプレイベントを今年11月上旬に東京都渋谷区で、本番の生誕祭を来年11月中旬に市内で開く予定も明らかにした。
 ロゴはオレンジ色の「100」の数字に、白抜きしたハチ公のシルエットが特徴。「1」の部分は、ハチ公の垂れた左耳をモチーフにしているという。東京都渋谷区で活躍するデザイナーの大橋祥さんが手がけた。図柄の配置が異なるものなど9種類を用意。オレンジ色以外にも自由に色を変えて使用でき、詳細は公式HPや実行委員会事務局の市観光課(☎0186・42・7072)。
 関連グッズを10月ごろから販売する予定。Tシャツやトートバッグ、ステッカーなど8種類。観光地域づくり法人「秋田犬ツーリズム」のサイトで販売する。
 福原市長は会見を生誕100年プロジェクト始動の場と位置付け、ハチ公を通じた縁のある渋谷区との交流を一層深める考えを示した。「単なるイベントに終わらせず、都市と農山村の交流モデルをつくる事業にしたい」と意気込んだ。ロゴのデザインについては「センスが良い」とほめた。
 ビデオメッセージで、長谷部健区長から「大館との絆を強くする機会になればと思う」などのコメントが寄せられた。
 両市区は2001年に締結した災害時相互応援協定を皮切りに、区内の小中学校給食に市産米の提供、区が観光案内所として活用していた鉄道車両「青ガエル」の譲渡・移設など交流を広げてきた。今年5月には交流促進協定を結び、観光・文化、産業、スポーツなど4項目にわたって連携・協力を約束。メインとなる生誕祭を共同で実施する。

大館市沼館 広がる支援の輪 ボランティア 活動本格化 家具搬出等に汗

2022-08-09
側溝の泥上げをする北陽中の生徒(大館市沼館)
 3日の大雨で浸水被害が多発した大館市沼館地区で、市民有志による災害ボランティア活動が本格化している。7日は秋田銀行や大館青年会議所などから66人、8日は北陽中学校生徒ら34人が参加。田畑の砂利寄せ、側溝の泥上げ、家財道具の搬出・洗浄などに汗を流しており、支援の輪が広がっている。
 大館市社会福祉協議会が5日に「災害ボランティアセンター」を立ち上げた。沼館地区で被災状況や支援のニーズを調査した後、市内在住者を対象にボランティアの受け入れ、調整を行っている。
 本格的な活動開始となった7日は秋田銀行の行員、大館青年会議所の会員、釈迦内地区の住民ら66人が参加を申し込んだ。午前9時から被災世帯で、汚れた家財道具の搬出などに励んだ。
 秋田銀行公務室の斉藤新さん(52)=秋田市=は「休日を使って参加できる社員を集めた。テレビでは見たが、日がたっているにもかかわらず大変な状況だと思った」と被災状況に驚いた様子だった。
 8日は北陽中2~3年生の有志や教職員19人が協力。3班に分かれて、スコップを使って側溝の泥を寄せて運んだり、田畑に流されてきた砂利や木の枝を集めたり、約3時間にわたって協力して作業に当たった。
 山内莉緒さん(3年)、長﨑琉夏(るな)さん(同)は「民家の壁に(冠水時の水の高さを示す)線が残っていた。身近でこんな被害が出ていると知らなかった。活動の手伝いをできて良かった」と話した。
 自宅が床上浸水の被害に遭った40歳代女性は「知人の手を借りて片付けをしているが、地域では人手が足りず、若者も少ない。助けてもらって本当にありがたい」と感謝していた。
 市社協では団体、個人を問わず随時ボランティアを募っている。市内在住者が対象。問い合わせは市社協(平日☎0186・42・8101、土日祝日☎070・7422・4238)。

2022年7月

営農関係の原油・資材 価格高騰で支援策 大館市 あすから申請受け付け 脱炭素も同時推進

2022-07-31
 大館市は原油価格高騰に伴い、経営状況の厳しい農業者を支援する助成制度を新設した。二酸化炭素の排出を抑制する電動型農業機械を導入したり、耐久力などの高い資材へ転換したりした場合が条件で、営農支援と同時に脱炭素社会の実現を目指す。
 助成制度は▽農業カーボンニュートラル推進事業(事業費約2450万円)▽農業高効率化推進事業(約4190万円)▽比内地鶏導入支援事業(約540万円)の三つ。農政課によると、比内地鶏については素びな導入経費を助成し、対象農家に直接周知している。他の2事業は8月1日から申請を受け付ける。
 カーボンニュートラル推進事業は価格3万円を超える農業用電動機械を導入した場合、経費の2分の1(上限なし)を助成する。電動型の例として草刈り機、耕運機、運搬車、リフト車などが挙げられる。
 対象は10アール以上の農地を耕作している市内の農業者。農産物の販売が要件で、販売実績を証明する書類が必要。同課は「助成の対象機械となるかどうか申請前に相談してほしい」と呼びかけている。募集期間は8月末まで。
 高効率化推進事業の対象は▽被覆資材転換▽出入り口等転換の2種類。耐久力や効率性に優れたビニール資材、高気密にできるハウス資材を想定している。補助率は園芸用等施設が資材費に限って全額。育苗用や自家用などの施設は2分の1。原油由来の資材を長持ちさせ、効率的に使えるようになることで営農の経費負担を抑え、環境負荷も軽減する狙いがある。
 同課は「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、原油価格高騰に伴い厳しい経営状況の農家を支援し、脱炭素社会に向けた取り組みも進めたい」としている。詳細は生産振興係(電話0186・43・7074)。市は商工関係の中小事業者向けにも価格高騰に伴う支援策を7月から実施している。

「オリンピックオーク」除幕 後継木の寄贈受ける 鹿角市運動公園

2022-07-31
除幕式に出席した(右から)浅利名誉会長、阿部教育長、小山代表、増田さん(鹿角市総合運動公園)
 1936年のベルリン五輪で優勝者に贈られた「オリンピックオーク」。その後継木が鹿角市に贈られた。30日、植樹された市総合運動公園で除幕式が行われた。
 オリンピックオークは、同五輪の三段跳びで優勝した田島直人さんに、金メダルとともに与えられた鉢植えのドイツカシワ。出身の京都大学農学部グラウンドに植えられ、孫に当たる木を「オリンピックオークの植樹を推進する会」の小山尚元代表(岩手県滝沢市)が育て、これまでに全国各地に寄贈している。
 小山代表は鹿角紫根染・茜染研究会の関幸子会長と親交があることから、同市への寄贈が持ち上がった。東京五輪開催に合わせ、昨年10月に同公園に1本が植樹された。
 同日の浅利純子杯争奪第16回鹿角駅伝に合わせ、除幕式を行った。同大会名誉会長の浅利純子さんやスポーツジャーナリストの増田明美さんらも参加した。
 阿部義弘教育長は「オリンピックオークの木が、次の世代を担うジュニアアスリートたちに勇気と希望を与え、スポーツの競技力を高める原動力となることを期待する」とあいさつ。
 小山代表は「田島さんの文武両道の姿が人間として大切と感じて活動してきた。木が市のスポーツ振興、植物を大切にする人の力になれば」と話した。

「ボランティア広がって」 大館一中生が自主的にアルミ缶回収 夏休みに協力呼びかけ

2022-07-31
難民支援のため独自にアルミ缶回収を行っている大館一中の生徒5人(左から本多さん、谷地田さん、千葉さん、若狭さん、関口さん)=北鹿新聞社
 大館市第一中学校の生徒が、独力でアルミ缶回収のボランティア活動に取り組んでいる。3年生5人が「KRTS(カーツ)」というチーム名で企業を訪ねて回り、協力を依頼。換金して難民支援の寄付金に充てる。「ボランティア活動が地域に広がっていけば」と話している。
 取り組んでいるのは、千葉翔(かける)さん、本多剛大さん、関口正拳さん、谷地田昴さん、若狭哩惟我(りいが)さんの5人。
 千葉さんは国連児童基金(ユニセフ)のテレビコマーシャルや学校での募金活動などに触れる中で、「生活困難な難民のために寄付をしたい」という思いを募らせた。ただ現金を集めるだけでなく、生徒の手で不要な物を善意に変える方法はないか考えた。
 思いついたのがアルミ缶回収。「ロシアのウクライナ侵攻でアルミ缶の価格が高騰していると聞いた。ごみとしてよく出る物だし、軽くて持ち運べる」とSDGs(持続可能な開発目標)も意識しながら、自主的、効率的に取り組める方法に行きついた。
 友人に声をかけ、活動に勧誘。参加生徒の名前の頭文字を取って「KRTS」を結成した。6月上旬から放課後の時間を利用し、独自に企業を訪ねて協力を依頼して回っている。
 27日までに10社以上を回り、約80㌔を回収。夏休み最終日の8月24日まで協力を呼びかけるという。リサイクル会社に持ち込み換金した上で、難民支援の募金などを行うユニセフに送る予定。
 5人ともボランティア活動の経験は少なかったものの、本多さんは「難民の役に立つなら」、関口さんは「困っている人の役に立ちたい」と参加を決めた。谷地田さんは「アルミ缶回収という考えが良いと思った」、若狭さんは「新しいことに挑戦したい」と賛同した。
 千葉さんは「ボランティアは中学生でもでき、どんな人でも工夫をすればできること。活動や思いが地域に広がっていけば。アルミ缶が多くある企業や家庭があれば協力してほしい」と呼びかけている。
 アルミ缶回収の受け付けは「KRTS」のメール(krts.volunteer.4@gmail.com)

移動サービス「モビ」 推進協議会を設立 10月から実証試験 大館市

2022-07-30
実証試験の内容などを話し合った推進協議会(大館市役所)
 大館市は29日、新たな移動サービスの導入を目指す「大館版mobi(モビ)プロジェクト」の推進協議会を設立し、市役所で初会合を開いた。人工知能(AI)を活用し、予約型・乗り合い式・定額料金で配車するもので、10月から市街地の半径約2㌔圏内で実証試験を行う。市民の移動量や既存公共交通への波及効果などデータを収集・分析し、本格運行につなげたい考えだ。
 モビは、携帯電話大手・KDDIと高速バス大手・WILLER(ウィラー)の合弁会社が提供するサービス。スマートフォンのアプリか電話で乗降場所を指定すると、ワゴン車が迎えに来る仕組み。ルートが近い人との相乗りが前提となり、AIで配車効率を高める。通常料金は月5000円で何度でも利用できる。
 実証試験は国土交通省の補助事業に採択され、10月1日から来年2月28日まで秋北タクシーが運行を担う。収集するデータは▽住民移動量の変動▽エリア内施設への波及効果▽既存公共交通への影響▽市職員の業務活用―など。
 チラシやポスター、新聞広告などで周知を図り、スタンプラリーや周遊ツアーなどのイベント、きりたんぽまつりや産業祭との連携などで利用を促す。運転免許証を返納した高齢者や子どもの送り迎えなど幅広い利用を見込む。
 協議会は交通や商業、観光、金融、教育、子育て、福祉などの団体の関係者で構成。公共交通を研究している村上早紀子・福島大准教授(羽後町出身)が会長に選出された。
 事務局の都市計画課は「幅広く意見を聞きたい」として、実証運行価格を「世帯1人目2500円(月額)、2人目以降500円(同)、1回券300円」と提案したが、「バスとタクシーの中間に位置付けるとすれば安いのではないか」などの声があり、改めて協議することにした。
 市内の路線バス輸送人員は年々減少し、新型コロナウイルスの影響で2018年度から21年度にかけて27・6%減少。一方、市のアンケートで「交通手段がなく困る」との回答が47・4%を占め、移動ニーズは高まっている。
 福原淳嗣市長は「少子高齢化が進む中、地域公共交通こそが暮らしをつなぐまちづくりの要。プロジェクト実現を通じて新しい地方行政の形をつくりたい」とあいさつした。

大館市内 夏祭り 3年ぶり開催へ 一部中止も 感染対策に苦心も

2022-07-30
3年ぶりに開催する大鮎の里ふるさとまつり(2019年8月17日撮影)
 大館市で例年8月のお盆前後に開催される夏祭りや伝統行事は、7月下旬からの新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けながらも、町のにぎわいを取り戻そうと各主催団体が準備を進めている。3年ぶりの開催を目指す「大鮎の里ふるさとまつり」は、8月から9月への日程変更に加え感染症対策のため場所を変えて実施する。祭りの多くはコロナ禍以来の開催となるが、人員不足から規模縮小や中止を余儀なくされるなど関係者が対応に追われている。
 例年8月中旬に同市外川原の米代川河川緑地で開かれる田代地区の風物詩「大鮎の里ふるさとまつり」は、日程と会場を変更して実施する。感染状況を鑑みて、今年は9月4日に開催日を変更した上で、場所を同市早口のグリアス田代の多目的運動広場に変えた。奈良敏夫実行委員長は「会場が広いと、出入り口の制限、検温と消毒に人を割かなくてはならない。元通りの開催を検討してきたが、人員の問題や来場者の安全を考えて祭りの形を改めた」と話した。
 比内地区では例年8月上旬から中旬にかけて「山コチンチコ」「大葛金山太鼓」「中野七夕」を開催している。いずれも参加人数を限定し3年ぶりに実施する予定。主催団体の解散で2018年夏から途絶えている送り盆行事「扇田盆踊り」は、踊りに使う太鼓を所有する市川町内会が4年ぶりの復活開催を目指している。
 お盆期間に市内各地で行われる「獅子踊り」は通常開催を目指して各団体が準備を進めている。山田獅子踊りは8月13日の本番に向けて7月下旬から踊り手の練習会が開かれている。粕田獅子踊りは、これまで通りの実施としたが、密集を避けるために獅子踊りの前に子どもたちが披露する「やっこ踊り」は昨年に続き取りやめた。
 花岡地区で例年8月中旬に開く「花矢夏まつり」は、6月下旬時点で3年連続の中止を決めた。実行委の鈴木一敬委員長は「人員不足が主な原因。飲食やステージイベント中心の催しのため、当日の運営に加えて感染症対策となると割ける人が足りない」とこぼした。

2022年6月

森吉山 花の百名山を ガイドと歩く 高山植物、次々に見頃 「北秋田発」

2022-06-25
 標高1454㍍の北秋田市の森吉山で、秋にかけて高山植物が次々と見頃を迎える「花のリレー」が始まった。NPO法人森吉山の理事・生田嶋照雄さん(77)=同市=の案内で23日に登山し、「花の百名山」に数えられる同山の魅力を体感してきた。
 阿仁スキー場のゴンドラは運行開始午前8時45分の前に約30人が並んでいた。一気に標高1167㍍まで上り、登山スタート。登山道には紫色のシラネアオイや清楚(せいそ)な白花のヒナザクラ、ツマトリソウ、うつむいて咲くイワハゼ(アカモノ)など次々と登場する。所々でオレンジ色のニッコウキスゲが涼しげに揺れていた。
 標高1308㍍の石森で山頂や周囲の山々を眺め小休止。少し下った場所に、背丈の低いニッコウキスゲの群落を発見。開花期は撮影スポットとなり、生田嶋さんは「ここは雪が解けたばかり。花の見頃は7月下旬」と話した。
 阿仁避難小屋を過ぎ、1400㍍付近の稚児平へ。この山を代表するチングルマは見頃で、斜面や石の周囲に白い花のじゅうたんが広がる。「葉が鏡のように光沢があるのが特徴」という濃いピンク色のイワカガミも咲き、コントラストが美しい。
 稚児平までをゆっくり往復し、下山まで約3時間。木道の登山道は歩きやすく、道沿いに途切れることなく高山植物が咲く。花を見ながら、咲く場所によって違う花の色などを見比べながら進むと、あっという間だった。生田嶋さんは「3歳から90歳まで登れる山。地元の人にもっと登ってほしい」と話した。1度の登山で楽しめる植物は40種類程度。チングルマは「今月いっぱいは楽しめそう」とのこと。花のリレーは9月下旬まで続く。
登山道沿いのシラネアオイ
ベル型の花を咲かせるイワハゼ(アカモノ)

大館能代空港ターミナルビル 21年度は2100万円の黒字 株主総会 3往復化「定着へ努力を」

2022-06-25
2021年度決算を承認した株主総会(北秋田市交流センター)
 大館能代空港ターミナルビルの第27回定時株主総会が24日、北秋田市交流センターで開かれ、2185万円の純利益を計上した2021年度決算を承認した。コロナ禍の影響は受けつつも、施設設備関連経費を大幅に圧縮するなどし黒字を確保。羽田線3往復化定着へ地域と連携して取り組むことを確認した。取締役と監査役の選任を行い、取締役会で社長に津谷永光・北秋田市長、専務に赤川克宗・同社常勤取締役を再任した。
 事業報告書によると、空港の利用状況は定期便が4万5346人。前年度比187・6%、2万1176人増となた。
 売上高は前年度比108・1%の2億709万円。空港利用者の微増や直営店舗の販売額増、営業収入の7割を占めるエアラインの賃料収入が増加に向かったため。施設設備関連費用について、工事の中止や次年度以降へ持ち越すなどして大幅に圧縮し、営業利益は3112万円(前年度比164・3%)。経常利益は3034万円(同176・1%)、当期純利益は2185万円(同137・4%)を計上した。「ミニマムラインである赤字決算の回避と、期初予算、20年度を上回る最終利益を確保した」と説明した。
 22年度から3年間の中期経営計画では、「築24年を経過した建物、設備への対応を最優先事項とし着実に実行する。ポストコロナを視野に入れた空港機能の強化と利用者拡大への投資を並行して計画する」と掲げた。22年度の売上高は2億1229万円を見込んでいる。
 津谷社長は「21年度は利用者や空港に立ち寄る人の数に明るい兆しが見え、コスト削減努力で収支は改善できた」とし、4月に始まった羽田線3往復化について「県外・海外との往来人口の増加が見られないと意味がない。地域と連携し、多くの人に利用してもらう努力、空港インフラを整えていく努力をしていく」と述べた。
 取締役、監査役は次の通り。
 ▽取締役=津谷永光・北秋田市長(再任)、齊藤滋宣・能代市長(同)、福原淳嗣・大館市長(同)、関厚・鹿角市長(同)、赤川克宗・同社常勤取締役(同)、石黒道人・県観光文化スポーツ部長(新任)、中島浩(全日空より出向)(同)▽監査役=北林貞男・秋田県信用組合理事長(再任)、伊藤市之丞・北都銀行鷹巣支店長(同)

忠犬ハチ公 来年生誕100年 渋谷区と事業準備 大館市 ロゴ制作など動き出す

2022-06-25
2023年に生誕100年を迎える忠犬ハチ公の像(秋田犬の里前)
 忠犬ハチ公が大館市で生まれてから来年で100年を迎えるのに合わせ、同市と東京都渋谷区は生誕事業を計画している。準備の年となる本年度は、実行委員会組織を5月に立ち上げ、同市が今後の事業に活用するロゴ制作に着手するなど具体的に動き出した。
 ハチ公は1923年11月生まれとされ、飼い主の上野英三郎博士を渋谷で待ち続けた逸話は世界的に有名。その縁で両市区は2001年に災害時相互応援協定を締結。学校給食や観光などの面でも連携し、今年5月には交流促進協定を結んだ。
 協定に生誕100年事業が盛り込まれ、推進組織の交流促進協議会(会長・福原淳嗣大館市長)や実働組織の実行委(委員長・阿部拓巳市観光交流スポーツ部長)が相次いで設立された。実行委には渋谷区産業観光文化部、秋田犬ツーリズム、渋谷区観光協会、忠犬ハチ公銅像及び秋田犬群像維持会、忠犬ハチ公銅像維持会のメンバーが名を連ねている。
 来年秋に見込む生誕祭を中心に、観光・文化、産業、スポーツなどの分野で両市区の交流を活性化する方針。盛り上がりを来年1年だけにとどめないためにも、1年以上前から準備に取りかかった。
 本年度は関連経費796万8000円を一般会計補正予算に盛り込んだ。主に▽体制整備や事業PR▽生誕100年事業実行委員会の活動に充てる予定。観光課は6月定例議会教育産業常任委員会で「生誕100年のロゴを制作し、ウェブページを特設したい」と説明した。ロゴなどの公開時期は8月ごろをめざしている。
 今後は、市役所若手職員らのワーキンググループが記念事業を創出するほか、民間とのコラボレーション商品開発などを見込む。渋谷側もJR渋谷駅前でのPR活動などを予定しているという。市は「ハチ公を通じて紡いできたつながりを再認識し、新たな世代へ、次の100年への架け橋となる事業を実施したい」としている。

鹿角市の官製談合事件 市が独自に再発防止策 市職員の退職管理条例 9月議会に提案へ

2022-06-24
官製談合への対応などを当局が説明した鹿角市議会全協(市役所)
 鹿角市は23日、市発注工事を巡る官製談合事件を受け、市が独自に取り組む再発防止対策や、前市長ら5被告の判決確定後に見込まれる対応を明らかにした。再就職した市退職職員から職員への依頼などを規制する条例の制定案を9月議会に提出する予定。判決確定後には工事請負契約書に基づく賠償金請求や、前市長への退職手当返納命令などが見込まれている。同日開かれた市議会全員協議会で当局が説明した。
 事件は、前市長が工事価格を建設業者に漏らして落札させたもの。前市長から情報提供を受けて落札した業者関係者の中には再就職した元市建設部長も含まれている。
 市が設置した第三者委員会「官製談合再発防止対策検討委員会」は21日、関市長に報告書を提出。再発防止対策として①入札制度の見直し②チェック体制の強化③外部監視機関の設置④職員の意識と専門能力の向上―の4項目を提言した。
 今回は報告書で示された対策以外で、市が独自に取り組む対策や対応を明らかにした。
 このうち、9月議会で提案予定の「(仮称)鹿角市職員の退職管理に関する条例」は、市退職職員に向けた対応策の一つ。退職職員の顔が利く分野で職務上の行為をするよう職員に対して依頼、要求するといった働きかけを規制したり、再就職の届け出を義務化したりする内容。規則等も整備し、再就職の届け出事項を公表する。
 判決確定後に見込まれる対応として、市は工事請負契約書に基づく賠償金を契約先の業者に請求する。賠償金は契約額の2割(2019年度までは1割)。
 金額は統合校舎(花輪二中)大規模改造工事(機械設備工事)が1500万円、鹿角観光ふるさと館大規模改修工事(建築主体工事)が4300万円、同(機械設備工事)が3300万円。
 統合校舎の工事では賠償金の納付によって市の負担分が減るため、国庫補助金の返還が生じる可能性がある。市の試算では返還額は950万円の見込み。
 3件の工事はいずれも過疎債を活用。賠償金の納付によって市債の繰り上げ償還が必要となる可能性もあるという。
 前市長への退職手当の返納命令について当局は「職員の退職手当を取り扱う県市町村総合事務組合で決定されるものだが、判決確定後に手続きが進むものと見込まれる」と説明。返納の対象は市長任期4期目の1期分。
 議員が「逮捕3社の指名停止措置(12カ月)を延ばす考えはあるか」とただしたのに対し、当局は「(延長を)検討していきたい」と答弁。議員からは「市長に対する意見を、職員がどんどん言える体制づくりが大事だ」との提言も出た。
 関厚市長は「対策は段階的に取り組み、一定の時点で議会に報告する。市民にも説明する予定」との考えを示した。

大館神明社祭典 PR動画や踊りのDVD 国補助事業 最終年度 初心者向け囃子講習も

2022-06-24
最終年度に行う事業などを決めた実行委(桜櫓館)
 大館市文化遺産活用まちづくり実行委員会(長谷川文悦委員長)は23日、同市字中城の桜櫓館で本年度初会合を開き、大館神明社祭典のPR動画作製などを盛り込んだ本年度の事業計画を決めた。文化庁の補助事業で、5カ年計画の最終年度となる。このほか、初心者向けの大館囃子(ばやし)講習会も新たに開催する。
 実行委は市郷土芸能保存協会、大館・北秋田建築士会、大館神明社例祭余興奉納実行委、大館ばやし保存会の4団体で構成。市歴史的風致維持向上計画に基づき、民間主体で文化振興、地域活性化事業を進めている。事業期間は2018~22年度の5カ年。
 最終年度となる本年度は、同例祭余興奉納実行委が神事や余興奉納行事などをまとめたPR動画を作製する。大館囃子に合わせて披露される手踊りの教則DVDも作製する予定。これまでに伝承4曲の教則DVDや参加講独自の自囃子CDも作製しており、映像・音源として「例祭の記録を全て残せることになる」とした。
 大館ばやし保存会は、初心者向けの囃子講習会を初開催する計画。新型コロナウイルスの影響で過去2年間は大館神明社祭典が規模縮小となり、囃子演奏が行われていない状況から、広く一般に呼びかけ、新規参加者の獲得を目指す。
 大館・北秋田建築士会は昨年度に引き続き、歴史的建造物の保存・活用に取り組む専門家「ヘリテージマネジャー」のスキルアップ講座を開く。大館市中心街やJR東大館駅に関する報告書もまとめる予定。
 市歴史文化課の小松工課長は「大館には文化財が多くあるが、このまま後世に引き継いでいくには難しい状況もある。文化遺産活用まちづくりは大きな成果。文化財を守るために、未来の市民に残すために協力してもらえれば」と述べた。
 任期満了に伴う役員改選では、長谷川委員長らを再任した。
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