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ニプロ 「7回接種」の注射器開発 新型コロナワクチン用 大館工場で5月から製造 本年度5千万本提供へ

2021-04-13
6回接種できる「ローデッドタイプ」㊤と、新たに開発した7回接種可能な「ノンデッドタイプ」㊦の注射器
 医療機器製造のニプロ(本社・大阪市)は12日、米ファイザー社製の新型コロナウイルスワクチン1瓶当たり7回接種できる新たな注射器を開発したと発表した。大館市二井田の大館工場で5月から製造する。既存の注射器では薬液が先端の隙間や針基に残るため、特殊な製品でも6回接種が限度とされていた。ワクチンの需要増加で供給が十分でない中、貴重な薬液を有効活用する手段として期待がかかる。供給開始は5月末を見込んでおり、小林京悦・常務生産事業部長兼大館工場長は「医療機器メーカーとしての技術を国民のために生かしたい」としている。
 ファイザー社のワクチンは、生理食塩水で薄めて1瓶に2・25㍉㍑が入っており、注射器で1回分当たり0・3㍉㍑を吸い出して筋肉注射を行う。薬液の無駄がなければ1瓶から7回分を採れる計算だが、一般的な注射器では先端部分に薬液が残るため5回分しか採れず、特殊な注射器でも6回分とされていた。
 このため薬液の無駄をなくそうと、ニプロは7回接種可能な注射器「ニプロVAシリンジ」を新たに開発した。薬液の残る先端部分をほとんどなくし、針を注射器に埋め込んで一体化した「ノンデッドタイプ」と呼ばれるもの。残液は1回の接種につき0・002㍉㍑のみで、限りなくゼロに近づけた。
 これまでも針と一体となった注射器としては、糖尿病の治療薬・インスリン用を製造しており、既存製品を基に改良した。針はインスリン用で長さ13㍉、直径0・3㍉だったが、筋肉まで確実に到達するよう長さを25㍉にし、操作性等を考慮して直径は0・5㍉とした。
 3月25日に厚生労働省から製造販売承認を得た。注射器は大館工場のほか、海外の工場でも製造しているが、このうち大館は品質保証体制等が整っているため、早期に量産化できると判断。大館工場で生産を始めることにし、設備の一部改造などを経て準備を整えた。生産本数は5月に50万本を見込み、6月からはタイの工場でも並行して進め、本年度内に約5000万本の提供を目指す。
 同社では、注射器の先端部分を細く突起状にして隙間を少なくし、ワクチンを1瓶当たり6回接種できる「ローデッドタイプ」と呼ばれる製品もタイの工場で製造しており、国からの要請を受けて増産体制を整えたところだった。これまで月50万本だった製造能力を月100万本以上に引き上げ、需要に対応していた。
 小林常務は「ワクチンの無駄をなくし、1人でも多くの人に接種するため、7回接種できる注射器の需要も高まってくる」とみており、「全社一丸となって供給し、国民の感染予防、コロナの収束に向けて技術を提供していきたい」と話している。

災害 全国の事例基に対策 大館市 防災戦略会議立ち上げ 初回は「林野火災」協議

2021-04-13
林野火災の事例を基に、課題や対応策について意見交換した会議(大館市消防本部)
 全国の災害事例を基に課題を出し合って発生時の対応に役立てようと、大館市は12日、第1回防災戦略会議を市消防本部で開いた。本年度初めて企画したもので、年4回の開催を予定。初回は同本部や危機管理課、林政課の担当者11人が出席し、福原淳嗣市長を招いて林野火災をテーマに協議。多角的な情報収集に向けた関係機関の連携構築、山ごとの警防計画策定の必要性などを挙げた。
 管内での災害発生時に被害を最小限に抑えるため、全国の事例を基にしながら課題を洗い出して対策を検討しようと、本年度初めて開催。空気が乾燥して火災が発生しやすい時期を迎えたため、初回は林野火災をテーマとした。
 同本部警防課の石田裕樹課長補佐が、実際の活動状況や災害事例に触れながら課題を説明。2018年4月に同市岩瀬字大石渡で発生した大規模な林野火災について「防災ヘリから散水し、岩瀬川が近くにあったので良かったが、消防水利をどう確保するかが重要。警報をいかに効率的に市民に伝えるかも課題」とした。
 栃木県足利市で2~3月に約100haを焼いた山林火災と同規模の災害が大館市内で発生したと想定し、早期に状況を把握し避難誘導につなげるため、▽ドローンの活用▽山ごとの警防計画策定▽森林管理部門を含めた連携構築―の必要性を指摘した。
 出席者がそれぞれの部門から課題と現状を報告し、「風向き等を考えた避難誘導が必要で、現場からの情報が重要になる。市民に寄り添った活動をするため、さまざまな機関と協力していく」などの声が上がった。
 会議では、季節や全国で発生した事例に応じて毎回テーマを変えて協議していく。福原市長は「北東北の陸援隊として市民、圏域住民の生命財産を守るのが大館消防。意識を共有していくことが大切」と述べた。

新型コロナ 警戒レベルを引き上げ 県対策本部 新規感染者の増加で

2021-04-13
警戒レベルの引き上げを決めた対策本部会議(災害対策本部室)
 新型コロナウイルスの新規感染が先月下旬以降、県内で増加していることを受けて県は12日、独自に定めた警戒レベルを特措法に基づく人の移動や外出自粛を要請できる「レベル3」に引き上げた。同日、県災害対策本部室で開いた対策本部会議で決定。県民に対して不要不急の県外との往来自粛を求めたほか、県内で拡大の要因となっている「家庭内感染」への注意を呼びかけた。
 県内の感染状況は先月中旬、約40日ぶりに新規感染が確認されて以降、大仙保健所管内を中心に増加傾向にあり、今月5~11日の1週間には警戒レベル2の指標を大幅に超える30人を確認。感染力が強いとされる変異ウイルスの感染も発生している。
 新規感染者の急増で入院患者や宿泊療養者も増加しており、病床確保計画のフェーズも2から3に引き上げた。即時に対応できる病床数は現在の98床から123床になる。11日現在の療養者数は入院21人、宿泊療養21人、調整中3人。フェーズ2の基準に対する病床使用率は21・4%でひっ迫した状況にないが、新規感染の急増を受けて早めに対応した。
 会議では、東北地方の宮城を含めた1都2府3県に「まん延防止等重点措置」が適用されたことや変異ウイルスが全国的に広がっていることを踏まえ、警戒レベルの引き上げを決めた。
 引き上げにより、県民に対して「仕事や試験、冠婚葬祭などを除いた県外との往来」について自粛するよう要請。また、大仙管内の感染拡大は家庭内での感染によるものが多いことから、ウイルスを家庭に持ち込まないための対策徹底を呼び掛け。会食についても▽マスク会食の実践▽対策が不十分な状況下でのカラオケ自粛―などを訴えた。
 会議終了後に佐竹敬久知事は臨時会見を行い、「ワクチン接種の開始に向けて感染を抑え込むことが重要」などと述べ、県民に理解と協力を呼びかけた。感染拡大に伴い誹謗(ひぼう)中傷も増えているとし、「誰もが感染する可能性はある。誹謗中傷や差別は絶対にやめて」と訴えた。

コロナワクチン集団接種 総合病院で模擬訓練 大館市 まず90歳以上、24・25日

2021-04-11
 大館市は10日、市立総合病院で90歳以上の市民に先行して行う新型コロナウイルスワクチン集団接種のシミュレーションを実施した。1回目の接種は今月24、25日、同病院正面玄関ホールで行う。1日約500人の接種を想定し、3カ所の接種ブースを設けるなど市職員が会場を設営し、課題を確認した。12日に対象となる市民約3000人に接種券を発送し、電話での予約受け付けを開始する。
 ワクチンの入荷が限定的で、市では高齢者の優先接種のうち、重症化のリスクが高い90歳以上から先行して行う。対象は1932年4月1日以前に生まれた市民。接種日は土、日曜に設定し、1回目が4月24日、25日、2回目が5月15日、16日。接種は無料。
 接種者は正面玄関から入り、発券機で整理番号を受け取り、ロビーに並べたいすで番号を呼ばれるのを待つ。受け付けで予診票や本人確認などを行った後、接種ブースへ進む。
 接種ブースは5㍍×5㍍の広さで、3カ所設置。各ブースに予診医と接種医の医師2人、看護師1~2人、事務職員2人を配置する。接種後、外来の待合室で経過を観察する。病院にはワクチンを保管する超低温冷凍庫が設置されており、希釈したものを各ブースへ運ぶ。
 市新型コロナワクチン接種対策室によると、両日とも午前200人、午後300人への接種を想定。医療従事者や市職員計80人体制で対応する。
 シミュレーションには職員20人以上が参加し、間仕切りを並べて接種ブースを設営し、動線などを確認した。安保透室長は「ワンフロアの会場で接種者の負担が減り、職員は全体が見通せる。30分で約50人の接種を進める計画で、職員を多めに配置して安全安心に行いたい」と話した。
 対象者に12日、接種券や予診票を同封した「予防接種のお知らせ」を郵送する。コールセンター業務は委託し、12日以降予約を受け付ける。市に到着する第1弾のワクチンは975回分で、先着順で締め切る。
 65歳以上の市民の接種はニプロハチ公ドームで実施する。ワクチンの入荷状況により、今後実施日などを決める。

予診を終えた後、移動して接種をするシミュレーション(大館市立総合病院)
12日に対象者に発送する封筒や接種券の見本

和の風情でイベント 大館の桜櫓館 きょうまで手作り市 耐震改修後初の貸館

2021-04-11
大広間で開かれた手作り市(桜櫓館)
 大館市字中城の国登録有形文化財・桜櫓館で10日、耐震改修後、初の貸し館イベントとなる「花咲く頃の手作り市」が始まった。昭和初期の本格木造建築の風情あふれる空間に、同市と能代市の9人が布作品や陶器などを展示。来場者は作品を手に取ったり、館内を見学したりしながら楽しんだ。11日まで。
 大館町長を務めた桜場文蔵氏が1933年に建てた木造2階建ての和風住宅。ケヤキの大梁(はり)と長尺・幅広の床板、秋田杉の長押(なげし)も継ぎ足すことなく長尺が使われた。部屋の障子や階段の手すりにも高度な技術が施され、2階の屋根から突き出た展望台もある。99年7月に登録文化財となった。
 2019年度の耐震診断で耐力壁の不足が判明し、市が昨年5月から改修工事を実施。文化財の価値を守ることと安全性確保の両立を目指し、建設当時の材料も可能な限り使用。今月1日に開館した。
 手作り市は布作品を制作する能代市の渡辺みや子さん(71)が知人に呼び掛けて開催。32・5畳の大広間にバッグや衣類、ステンドグラス作品、陶器などを並べ、販売した。渡辺さんは「以前もここで作品展を開いたことがあり、リニューアルを知って利用しようと思った。雰囲気のある建物で、庭もすばらしい。コロナ禍でイベント自粛が続いていたので、出展者も来場者も喜んでいる」と話した。最終日は午前10時30分から午後4時まで。
 桜櫓館の見学は無料。月曜休館(祝休日の場合は翌日)。大広間の使用料は1時間220円。

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大館市 来年度からAI相談導入 5年間の移住者119人 本年度はコロナ禍で減少 

2021-03-20
「はちくん」が質問に自動で回答するAIチャットボットの相談画面
 大館市への移住者数は2016年度に移住交流課が発足してから約5年間で119人に上ることが、市のまとめで分かった。専門部署を配置して相談体制を充実させたことが増加につながった。一方、本年度は新型コロナウイルスの影響で移動が制限されたため、2月末現在で8人にとどまる。来年度からはAIチャットボット(自動会話プログラム)での相談受け付けも本格的に開始する予定で、支援・情報発信業務をさらに強化していく。
 同市への移住者数は▽2013年度=4人▽14年度=5人▽15年度=7人―。移住交流課が設置されてからは▽16年度=19人▽17年度=22人▽18年度=20人▽19年度=50人―。首都圏での移住フェア、イベントに参加し、PRしてきたことが増加につながっている。小松工課長は「移住に興味のある人から複数回にわたって相談を受けて関係性を築き、大館の情報を細かく伝えてこられた」とみている。
 登録した空き家物件を紹介する「空き家バンク制度」も好評で、19年度は移住者50人のうち25人が活用。物件を取得して移住した市外の人に交付する定住奨励金もあり、「首都圏以外からの利用も多い。毎年40~50件の新規登録があり、このうち(市内在住者も含めて)30件前後が成約に結びついている」とする。
 一方、本年度はコロナ禍で移動やイベントが制限されたため、首都圏で直接PRがする機会がなくなり、移住者数は2月末現在で8人にとどまった。移住相談も19年度の153件から、39件まで大きく減少。オンラインでの移住フェア等に参加してきたものの、「コロナの影響で伸び悩んだ。情報交換をする場を持てなかった」と振り返る。
 このためコロナ禍を踏まえて、21年度からは移住相談体制の拡充として、AIチャットボットを活用した相談受け付けを本格的に導入。市移住・交流特設サイト「おおだて暮らし」ページ内の「はちくん」をクリックすると、チャット画面に移り、「はちくん」が質問に対して自動で回答をするもの。24時間受け付けており、「スマホやパソコンで好きな時間に気軽に聞きたいことを聞ける」として利用を促す。
 このほか、「お試し移住体験」で大館を訪れる人向けに、宿泊費用を補助する取り組みも行う。コロナの収束状況等を見ながら対面での相談会も再開したい考えで、「直接やり取りをするのが一番効果的。関係性を築きながら大館の魅力をPRしてファンを増やし、移住を考えてもらえるようになれば」としている。



大館で合同入社式 23社から39人参加 企業、地元発展の力に

2021-03-20
新入社員39人が出席した合同入社式(プラザ杉の子)
 大館市の企業などに採用された新入社員の合同入社式が19日、同市のプラザ杉の子で行われ、23事業所39人が地域の発展に尽力することを誓った。
 大館商工会議所、大館北秋雇用開発協会主催。新型コロナウイルスの影響で昨年は中止したため、2年ぶりの開催となった。出席者は真新しいスーツに身を包み、緊張の面持ちで式に臨んだ。
 大館商議所の佐藤義晃会頭は「これからの長い人生には雨の日や風の日、吹雪で目標を見失う日もあると思うが、一歩一歩着実な歩みを進めてほしい。失敗を恐れず果敢にチャレンジしてほしい」などとあいさつ。
 来賓の激励の言葉に続いて、新入社員代表の石垣咲和さん(石垣鐵工)に記念品を贈呈。続いて日景海都さん(エヌピーエス)が「私たちの仕事が会社の発展と、生まれ育った地元への恩返しにつながるよう精いっぱい頑張りたい。迷惑を掛けることもあると思うが、一日も早く会社に必要とされる社員になるため、日々精進する」と力強く決意を述べた。
 式後はフリーアナウンサーの綿引かおるさんを講師に招いた研修会も開かれ、社会人としての心構えなどを学んだ。

県知事選 期日前投票始まる 投票所、感染対策徹底

2021-03-20
受付で間隔を空けて並ぶ市民(いとく大館ショッピングセンター)
 知事選(4月4日投開票)の期日前投票が19日、県内で始まった。北鹿地方の各投票所ではマスク着用や手指消毒の呼び掛け、密を避けるなど新型コロナウイルス感染防止対策を徹底し、有権者が意中の候補に一票を投じている。4月3日まで。
 立候補しているのは、新人で県美容生活衛生同業組合前理事長の山本久博候補(69)、新人で元衆院議員の村岡敏英候補(60)、現職で4選を目指す佐竹敬久候補(73)、新人で新日本婦人の会県本部前事務局長の相場未来子候補(50)=いずれも無所属、届け出順。
 大館市の期日前投票所は市役所本庁と比内、田代総合支所、いとく大館ショッピングセンターに開設。このうち、いとくでは3階文化催事場に投票所が設けられた。午前10時の受け付け開始から市民が次々と訪れ、開始15分で20人ほどが投票を済ませた。
 市選管は感染防止対策として、投票者にマスク着用のほか、入り口での手指消毒を呼び掛ける。密を避けるため、受付のスペースを広く確保して来場者は1㍍間隔で並ぶほか、3人用の記載台は中央を使わない。鉛筆は持参するか、使い捨てのものを利用してもらう。
 担当者は「投票する際は必ずマスク着用をお願いしたい。期日前投票は午前中や、投開票日が近づくにつれて混み合う傾向にあり、できるだけ混雑を避けて投票に来てほしい」と呼び掛けた。
 県内では前回2017年の知事選で、投票総数の46%に当たる23万2671人が期日前投票を行っている。




現・新4氏の争い 県政、刷新か継続か 県知事選 17日間の舌戦に突入

2021-03-19
 任期満了に伴う知事選が18日、告示された。立候補したのは新人で県美容生活衛生同業組合前理事長の山本久博候補(69)、新人で元衆院議員の村岡敏英候補(60)、現職で4選を目指す佐竹敬久候補(73)、新人で新日本婦人の会県本部前事務局長の相場未来子候補(50)=いずれも無所属、届け出順。4人は秋田市で第一声を上げ、4月4日の投開票に向け17日間の選挙戦に突入した。
 佐竹県政3期12年に対する評価や新型コロナウイルスへの対応、人口減少対策などを争点に論戦が交わされる見通し。女性の立候補は初めて。
 山本候補は、秋田市中通のエリアなかいちにぎわい広場でマイクを握り、支持者約30人を前に「まだ選挙権のない子どもたちの未来のため、ワクワクする秋田をつくるための大事な戦い。洋上風力発電で経済を回し、県民の生活を豊かにしなければならない」と訴えた。
 村岡候補は秋田市卸町の秋田まるごと市場で出陣式に臨んだ。支持者約400人が参集。鈴木洋一選対本部長(大館市選出県議)らのあいさつに続き、「秋田を変えて新たな歩みを始めなければならない。企業の競争力や賃金アップ、人口減対策をしっかりと進める」と力を込めた。
 佐竹候補は秋田市川尻町の事務所前で第一声を上げた。金田勝年衆院議員(秋田2区)らの激励に続き、200人を超す支持者を前に「社会の中で弱い立場の人たちの声を県政に生かしたい。県民の声なき声をしっかりと受け止め、誰一人取り残さない県政を目指す」と訴えた。
 相場候補は、秋田市中通の秋田駅前で出陣式に臨んだ。支持者約80人を前に「県民の命と暮らしを守る県政をつくる」と決意を述べ、男女問わず生きづらさを抱える人や、コロナの影響で生活に苦しむ人の支援を強調した。共産党の加賀屋千鶴子県議(秋田市)らが激励した。

ミニシアター元気に 大館 オナリ座で映画撮影 市民エキストラも参加 来年春に公開予定

2021-03-19
市民エキストラ約60人が参加したシアターホールでの場面(オナリ座)
 大館市の映画館・オナリ座で17日、オムニバス映画「THEATERS」の撮影が行われた。構成する短編4作品のうち1作品が同館を舞台としており、緊張感のある雰囲気の中、メインの場面をカメラに収めた。一般市民約60人もエキストラで参加し、協力して映画の世界観を作り上げた。
 「THEATERS」は短編4作品で構成するオムニバス映画。「バーボン・トーク」「お口の濃い人」などで知られる沖正人監督が、新型コロナウイルス感染拡大で苦戦を強いられているミニシアターを応援しようと発案し、賛同した3人の監督とそれぞれ1作品ずつを手掛ける。各作品の舞台は大館市のほか、広島、埼玉、神奈川で、各地のミニシアターを中心に今月撮影が行われている。
 オナリ座が舞台となるのは、沖監督の「colorful」。色を識別できない1人の少年が家庭の事情で大館を訪れ、映画館の前を通り掛かると、閉館しているはずの建物から支配人が姿を見せ、館内にはあふれんばかりの人がいた。この不思議な経験を経て、少年に見える世界は色を取り戻していく―というあらすじ。
 15~17日の3日間、大館市内で撮影が行われた。最終日の17日はメインとなる映画館の場面をオナリ座で撮影し、支配人役の俳優・渡辺哲さん、主人公の少年役の子役・草野崇徳さんらが参加した。
 映画館の観客役のエキストラも募り、市内外から映画ファンや常連客ら約60人が参集。出演者と共にシアターホールでの撮影に臨み、にぎわう映画館の雰囲気を再現した。オナリ座の常連客でもある北秋田市鷹巣の50歳代女性は、「映画に参加するのは初めての経験で、実際に撮影する現場に立ち会えてうれしい。公開が楽しみ」と話した。
 沖監督はオナリ座との縁がきっかけで今回の舞台を選んだ。「インディーズ作品の監督をしている頃から特集を組んでもらい、絵看板も作ってもらった。恩返しの気持ちで企画した。映画館から足が遠のく中、映画館のにぎわい、この地域の盛り上がりにつながってほしい」と期待した。
 オナリ座の切替桂さん(51)は「オナリ座を愛してくれていると感じるし、ありがたい。作品の中でどのように描かれるか楽しみ。市民が出演することで地元住民も関心を持ってくれると思う」と語った。
 映画は来年3月ごろ、全国各地のミニシアターなどで公開される予定。

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