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2022年8月

大雨被害 農林関係24億円超に 県の対策本部会議 さらに拡大する見通し

2022-08-19
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大雨に関する県災害対策本部会議(県災害対策本部室)
 今月上旬から続いた大雨による農林水産業関係の被害は24億円に上る見通しとなっている。18日に開催された県災害対策本部会議で農林水産部が報告。河川の氾濫が相次いだ北鹿地方を中心に農地の冠水や農業用施設の破損などが相次いでいる。県によると、山間部など被害の確認が進んでいない地域も多く、被害の規模はさらに大きくなる見込みとなっている。
 9日以降の大雨による農業関係の被害は、水稲と野菜、大豆、比内地鶏など農作物などが4億2289万円、比内地鶏の飼育用パイプハウスなど施設が423万円。比内地鶏の被害は大館市と北秋田市、上小阿仁村で確認されたもので被害額は2000万円を超えている。
 農地や農業用施設の被害は、水田畦畔の崩落などが119カ所で確認されたほか、ため池17カ所、水路92カ所、農道42カ所など合計299カ所に上っている。被害額は5億4631万円。林地や林道の被害は235カ所、被害額8億9543万円。水産関係は被害の発生は確認されているが、被害額は確定していない。
 農林水産関係被害の総額は18億6888万円に上る見込み。3日からの大雨による被害額5億7492万円を含めると、今月上旬からの大雨による農林水産関係被害は24億円を超えている。農林水産部によると、山間部の被害状況が判明するのは今後になる見通しで、被害総額はさらに膨らむと見られている。
 今月上旬からの大雨で氾濫が発生した河川は、大館市の下内川と引欠川、北秋田市の糠沢川と羽根山沢川、上小阿仁村の小阿仁川と仏社川と五反沢川を含めた13河川。斜面崩落や土砂流出などの土砂災害は大館市、鹿角市、北秋田市のほか、五城目町や三種町などの15カ所で発生。
 道路関係は県管理の9路線区間で全面通行止め、11路線14区間で片側交互交通規制が行われた。道路決壊で全面通行止めとなっている上小阿仁村の琴丘上小阿仁線は、今後1年ほど通行止めが続く見通し。
 北秋田市と仙北市を結ぶ国道105号の大覚野峠で発生した土砂崩れによる通行止めは地盤の関係から早期に土砂を撤去するのが難しい状況で、仮設の道路を整備して対応する予定。建設部によると、仮設道の設置は今後の天候に左右されるが1週間ほどかかる見通しという。
 会議で佐竹敬久知事は「大雨は一段落した状態となったが、地盤のゆるみなどで災害が発生しやすい状況が続く。引き続き警戒を」と指示した。住宅被害に対する見舞金の支給については、予算が足りなければ予備費や9月補正で対応する考えを示した上で「できるだけ早く交付を」とした。

花輪ばやしきょう開幕 関係者が安全祈願 3年ぶり開催に決意新た

2022-08-19
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祭典の安全を祈願する関係者(御旅所)
 鹿角市の伝統行事「花輪ばやし」の開幕を前に、花輪ばやし祭典委員会(髙瀬幸広会長)は18日、花輪谷地田町の御旅所(おたびしょ)で祭典祈願祭を執り行った。参加した関係者が、3年ぶりとなる祭りの安全や盛況、伝統文化の末長い継承に向けて決意を新たにした。
 花輪ばやしは、地域の総鎮守・幸(さきわい)稲荷神社の祭典で、19、20日に祭礼ばやしを奉納する伝統行事。例年、祈願祭は神社本殿からのご神体が安置される里宮の御旅所で、花輪ばやしの開幕前日に行われる。
 新型コロナウイルスの影響で昨年、一昨年は中止を余儀なくされた。3年ぶりとなる今年は19日昼の子どもパレードは中止するが、それ以外はほぼ通常通りの屋台運行となる。
 祈願祭には祭典委員会や若者頭協議会の役員ら関係者約30人が浴衣姿で参列。祭典委の名誉会長を務める関厚市長、髙瀬会長らが玉串を奉てんし、祭りの安全や無病息災などを祈った。
 19日は午後5時半に屋台運行を開始、同7時50分から駅前行事を行う。20日は未明に「朝詰」、夜は駅前行事、「赤鳥居詰」などを行う。
 臨時駐車場は鹿角市役所、鹿角地域振興局、かづの商工会、道の駅かづの・あんとらあ。シャトルバスは市役所―あんとらあ間で午後4時40分~10時20分に20分間隔で運行する。料金は100円(小学生以下無料)。
 問い合わせは祭典委員会(千歳盛酒造内、☎0186・22・6088)。

伝統の「ハッタギ踊り」 有志が練習重ね復活 大館市比内町 4年ぶり住民跳ねる

2022-08-19
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太鼓奏者を囲んで踊る参加者(扇田神明社駐車場)
 大館市比内町の市川町内会(渡邊鐵夫会長)は扇田地区伝統の「ハッタギ踊り」を4年ぶりに復活させた。住民有志が練習を重ね、17日夜に扇田神明社駐車場で開いた納涼盆踊りで披露。太鼓や笛の音に合わせて跳ねるように踊り、過ぎゆく夏のひとときを楽しみながら継承を誓い合った。
 踊りの名前に含まれるハッタギはイナゴの呼び名の一つ。振り付けに跳ねるような動きがあるのが特徴。発祥は定かではないが、戦国末期の豪族・浅利氏が太鼓の音で害虫を追い払い、地域を凶作から救った説があり、豊作を祈る踊りとして伝えられている。
 以前、ハッタギ踊りは扇田地区の送り盆行事「扇田盆踊り」で披露されてきた。2018年12月に踊り手不足などの理由から主催団体が解散して以来途絶えていた。踊りに使う太鼓を所有する市川町内会が主催し、納涼行事にハッタギ踊りを取り入れる形で4年ぶりに復活させた。
 21年に同町内の住民が扇田小学校の正課クラブ「和太鼓クラブ」で演奏指導を行ったことがきっかけ。途絶えていた踊りを復活させることで地域の伝統を深く知ってもらおうと、有志が集まり練習会を企画。同年6月から月2回、太鼓や笛の練習を重ねてきた。渡邊会長は「今後は隣接する町内会にも声をかけて徐々に規模を広げて、さらに地域を盛り上げたい」と語った。
 この日は午後6時半ころから、紅白のはんてんに白ズボンを着た奏者たちが太鼓と笛を演奏。直径約1㍍の太鼓を息の合った様子で「どーんどーん」と打ち鳴らした。地域住民ら約40人が会場に集まり、演奏の様子を撮影したり、音色に合わせて踊ったりする姿が目立った。
 このうちハッタギ踊りでは、太鼓奏者を囲むように輪を作り、参加者は軽快に飛び跳ねながら舞った。4年ぶりに参加した大沢美重子さん(76)=扇田=は「長年踊ったハッタギは体が覚えている。町全体で楽しく舞える日がまたきてほしい」と話していた。

新型コロナ 過去最多、大幅に更新 県内1673人 北鹿地方は251人

2022-08-18
 県と秋田市は17日、大館保健所管内の199人(ほか滞在の県外4人)と北秋田保健所管内の52人(同5人)を含む計1673人が新型コロナウイルスに感染したと発表した。1日あたりでは10日の1351人を上回り過去最多。大館管内の病院で新たにクラスター(感染者集団)が発生した。県はこれまでに確認された感染者のうち1人を取り下げ、県内は延べ6万2331人となった。県は同日、感染者3人の死亡を明らかにした。
 大館管内(大館市、鹿角市、小坂町)は50歳代の31人が最も多かった。病院クラスターは6人(入院患者4人、職員2人)の感染が確認された。このほかクラスター関連は4日公表の施設が1人で累計83人、同日公表の病院が1人で累計84人、12日公表の施設が3人で累計27人となった。
 北秋田管内(北秋田市、上小阿仁村)は2日の49人より3人多く、最多を更新。15日公表の施設クラスター関連が1人で累計10人(利用者、職員各5人)となった。
 このほか保健所別に能代管内94人、秋田中央管内124人、由利本荘管内161人、大仙管内249人、横手管内86人、湯沢管内53人、秋田市621人、県外25人。能代・由利本荘・大仙・湯沢管内と秋田市で計6件のクラスターが発生した。
 県発表分の1052人のうち会社員が259人、無職144人、施設等職員69人、未就学児68人などと続いた。軽症は825人、無症状17人、中等症5人、調査中205人。陽性者の濃厚接触者は267人、不明・調査中785人。医師が検査なしで判断する「見なし陽性」は北秋田管内の2人を含む計50人だった。
 県によると、死亡した3人はともに65歳以上で基礎疾患があった。性別や居住地は非公表。感染者の死亡は県内で累計86人となった。

9日からの記録的大雨 大館市は被害12億円 今月だけで15億円超 比内地鶏も大打撃

2022-08-18
比内地鶏農家に被害を確認する大館市職員㊧(大館市比内町笹館)
 9日から続いた記録的大雨について、大館市は17日、同日午後1時時点の被害状況をまとめ、被害額は12億2085万円に上ったと発表した。3日の大雨も含めると、被害総額は15億円超に達する。引き続き被害調査を進めており、今後さらに膨らむ可能性が高い。
 土木関係は市道32カ所、河川11カ所、河川敷7カ所などで、被害額は9億2600万円。上下水道は被害額7453万円。農林関係は農地13カ所、農業用施設23カ所、林道66カ所で、被害額は1億3033万円。
 冠水や土砂流入による農作物等の被害は、水稲が200ヘクタールで被害額3776万円、アスパラガス、ネギ、ヤマノイモ、キュウリ、小玉スイカ、花卉(かき)などの作物が4・96ヘクタールで被害額3299万円、果樹がリンゴの0・2ヘクタールで被害額81万円。
 このほか、比内地鶏は比内町味噌内、笹館、独鈷、中野の農家7戸の鶏舎が浸水し、1万5750羽が被害を受けた。鶏舎2棟も流された。被害額は1842万円としている。
 比内地鶏農家からは嘆きの声が漏れる。比内町片貝の高松司さん(40)はビニールハウス3棟で2900羽を飼育していたが、このうち約75%の2200羽が被害に遭った。水没した鶏舎の中で溺死していたという。「心配で13日朝に鶏舎の様子を見に行ったが、膝上ほどまで水が上がっていた」と話す。
 ほとんどが9~10月に出荷予定で、商品化目前の被害。2020年には新型コロナウイルス禍での需要落ち込みにも悩まされ、再び危機に直面している。「もう売るものがない。これからどうやって生活していけばいいのか」と落胆していた。
 3日の大雨の被害額は土木関係6504万円、農林関係1億8520万円、農作物等3582万円などで、計2億8857万円だった。今回と合わせると、被害総額は15億942万円に達することも判明した。
 市では土木、農政、林政各課が被害調査を続けており、「被害額は今後さらに膨らむ可能性が高い」としている。被災世帯を対象に、見舞金や税の減免措置など支援策を検討することにしている。

2022年7月

営農関係の原油・資材 価格高騰で支援策 大館市 あすから申請受け付け 脱炭素も同時推進

2022-07-31
 大館市は原油価格高騰に伴い、経営状況の厳しい農業者を支援する助成制度を新設した。二酸化炭素の排出を抑制する電動型農業機械を導入したり、耐久力などの高い資材へ転換したりした場合が条件で、営農支援と同時に脱炭素社会の実現を目指す。
 助成制度は▽農業カーボンニュートラル推進事業(事業費約2450万円)▽農業高効率化推進事業(約4190万円)▽比内地鶏導入支援事業(約540万円)の三つ。農政課によると、比内地鶏については素びな導入経費を助成し、対象農家に直接周知している。他の2事業は8月1日から申請を受け付ける。
 カーボンニュートラル推進事業は価格3万円を超える農業用電動機械を導入した場合、経費の2分の1(上限なし)を助成する。電動型の例として草刈り機、耕運機、運搬車、リフト車などが挙げられる。
 対象は10アール以上の農地を耕作している市内の農業者。農産物の販売が要件で、販売実績を証明する書類が必要。同課は「助成の対象機械となるかどうか申請前に相談してほしい」と呼びかけている。募集期間は8月末まで。
 高効率化推進事業の対象は▽被覆資材転換▽出入り口等転換の2種類。耐久力や効率性に優れたビニール資材、高気密にできるハウス資材を想定している。補助率は園芸用等施設が資材費に限って全額。育苗用や自家用などの施設は2分の1。原油由来の資材を長持ちさせ、効率的に使えるようになることで営農の経費負担を抑え、環境負荷も軽減する狙いがある。
 同課は「新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、原油価格高騰に伴い厳しい経営状況の農家を支援し、脱炭素社会に向けた取り組みも進めたい」としている。詳細は生産振興係(電話0186・43・7074)。市は商工関係の中小事業者向けにも価格高騰に伴う支援策を7月から実施している。

「オリンピックオーク」除幕 後継木の寄贈受ける 鹿角市運動公園

2022-07-31
除幕式に出席した(右から)浅利名誉会長、阿部教育長、小山代表、増田さん(鹿角市総合運動公園)
 1936年のベルリン五輪で優勝者に贈られた「オリンピックオーク」。その後継木が鹿角市に贈られた。30日、植樹された市総合運動公園で除幕式が行われた。
 オリンピックオークは、同五輪の三段跳びで優勝した田島直人さんに、金メダルとともに与えられた鉢植えのドイツカシワ。出身の京都大学農学部グラウンドに植えられ、孫に当たる木を「オリンピックオークの植樹を推進する会」の小山尚元代表(岩手県滝沢市)が育て、これまでに全国各地に寄贈している。
 小山代表は鹿角紫根染・茜染研究会の関幸子会長と親交があることから、同市への寄贈が持ち上がった。東京五輪開催に合わせ、昨年10月に同公園に1本が植樹された。
 同日の浅利純子杯争奪第16回鹿角駅伝に合わせ、除幕式を行った。同大会名誉会長の浅利純子さんやスポーツジャーナリストの増田明美さんらも参加した。
 阿部義弘教育長は「オリンピックオークの木が、次の世代を担うジュニアアスリートたちに勇気と希望を与え、スポーツの競技力を高める原動力となることを期待する」とあいさつ。
 小山代表は「田島さんの文武両道の姿が人間として大切と感じて活動してきた。木が市のスポーツ振興、植物を大切にする人の力になれば」と話した。

「ボランティア広がって」 大館一中生が自主的にアルミ缶回収 夏休みに協力呼びかけ

2022-07-31
難民支援のため独自にアルミ缶回収を行っている大館一中の生徒5人(左から本多さん、谷地田さん、千葉さん、若狭さん、関口さん)=北鹿新聞社
 大館市第一中学校の生徒が、独力でアルミ缶回収のボランティア活動に取り組んでいる。3年生5人が「KRTS(カーツ)」というチーム名で企業を訪ねて回り、協力を依頼。換金して難民支援の寄付金に充てる。「ボランティア活動が地域に広がっていけば」と話している。
 取り組んでいるのは、千葉翔(かける)さん、本多剛大さん、関口正拳さん、谷地田昴さん、若狭哩惟我(りいが)さんの5人。
 千葉さんは国連児童基金(ユニセフ)のテレビコマーシャルや学校での募金活動などに触れる中で、「生活困難な難民のために寄付をしたい」という思いを募らせた。ただ現金を集めるだけでなく、生徒の手で不要な物を善意に変える方法はないか考えた。
 思いついたのがアルミ缶回収。「ロシアのウクライナ侵攻でアルミ缶の価格が高騰していると聞いた。ごみとしてよく出る物だし、軽くて持ち運べる」とSDGs(持続可能な開発目標)も意識しながら、自主的、効率的に取り組める方法に行きついた。
 友人に声をかけ、活動に勧誘。参加生徒の名前の頭文字を取って「KRTS」を結成した。6月上旬から放課後の時間を利用し、独自に企業を訪ねて協力を依頼して回っている。
 27日までに10社以上を回り、約80㌔を回収。夏休み最終日の8月24日まで協力を呼びかけるという。リサイクル会社に持ち込み換金した上で、難民支援の募金などを行うユニセフに送る予定。
 5人ともボランティア活動の経験は少なかったものの、本多さんは「難民の役に立つなら」、関口さんは「困っている人の役に立ちたい」と参加を決めた。谷地田さんは「アルミ缶回収という考えが良いと思った」、若狭さんは「新しいことに挑戦したい」と賛同した。
 千葉さんは「ボランティアは中学生でもでき、どんな人でも工夫をすればできること。活動や思いが地域に広がっていけば。アルミ缶が多くある企業や家庭があれば協力してほしい」と呼びかけている。
 アルミ缶回収の受け付けは「KRTS」のメール(krts.volunteer.4@gmail.com)

移動サービス「モビ」 推進協議会を設立 10月から実証試験 大館市

2022-07-30
実証試験の内容などを話し合った推進協議会(大館市役所)
 大館市は29日、新たな移動サービスの導入を目指す「大館版mobi(モビ)プロジェクト」の推進協議会を設立し、市役所で初会合を開いた。人工知能(AI)を活用し、予約型・乗り合い式・定額料金で配車するもので、10月から市街地の半径約2㌔圏内で実証試験を行う。市民の移動量や既存公共交通への波及効果などデータを収集・分析し、本格運行につなげたい考えだ。
 モビは、携帯電話大手・KDDIと高速バス大手・WILLER(ウィラー)の合弁会社が提供するサービス。スマートフォンのアプリか電話で乗降場所を指定すると、ワゴン車が迎えに来る仕組み。ルートが近い人との相乗りが前提となり、AIで配車効率を高める。通常料金は月5000円で何度でも利用できる。
 実証試験は国土交通省の補助事業に採択され、10月1日から来年2月28日まで秋北タクシーが運行を担う。収集するデータは▽住民移動量の変動▽エリア内施設への波及効果▽既存公共交通への影響▽市職員の業務活用―など。
 チラシやポスター、新聞広告などで周知を図り、スタンプラリーや周遊ツアーなどのイベント、きりたんぽまつりや産業祭との連携などで利用を促す。運転免許証を返納した高齢者や子どもの送り迎えなど幅広い利用を見込む。
 協議会は交通や商業、観光、金融、教育、子育て、福祉などの団体の関係者で構成。公共交通を研究している村上早紀子・福島大准教授(羽後町出身)が会長に選出された。
 事務局の都市計画課は「幅広く意見を聞きたい」として、実証運行価格を「世帯1人目2500円(月額)、2人目以降500円(同)、1回券300円」と提案したが、「バスとタクシーの中間に位置付けるとすれば安いのではないか」などの声があり、改めて協議することにした。
 市内の路線バス輸送人員は年々減少し、新型コロナウイルスの影響で2018年度から21年度にかけて27・6%減少。一方、市のアンケートで「交通手段がなく困る」との回答が47・4%を占め、移動ニーズは高まっている。
 福原淳嗣市長は「少子高齢化が進む中、地域公共交通こそが暮らしをつなぐまちづくりの要。プロジェクト実現を通じて新しい地方行政の形をつくりたい」とあいさつした。

大館市内 夏祭り 3年ぶり開催へ 一部中止も 感染対策に苦心も

2022-07-30
3年ぶりに開催する大鮎の里ふるさとまつり(2019年8月17日撮影)
 大館市で例年8月のお盆前後に開催される夏祭りや伝統行事は、7月下旬からの新型コロナウイルス感染症再拡大の影響を受けながらも、町のにぎわいを取り戻そうと各主催団体が準備を進めている。3年ぶりの開催を目指す「大鮎の里ふるさとまつり」は、8月から9月への日程変更に加え感染症対策のため場所を変えて実施する。祭りの多くはコロナ禍以来の開催となるが、人員不足から規模縮小や中止を余儀なくされるなど関係者が対応に追われている。
 例年8月中旬に同市外川原の米代川河川緑地で開かれる田代地区の風物詩「大鮎の里ふるさとまつり」は、日程と会場を変更して実施する。感染状況を鑑みて、今年は9月4日に開催日を変更した上で、場所を同市早口のグリアス田代の多目的運動広場に変えた。奈良敏夫実行委員長は「会場が広いと、出入り口の制限、検温と消毒に人を割かなくてはならない。元通りの開催を検討してきたが、人員の問題や来場者の安全を考えて祭りの形を改めた」と話した。
 比内地区では例年8月上旬から中旬にかけて「山コチンチコ」「大葛金山太鼓」「中野七夕」を開催している。いずれも参加人数を限定し3年ぶりに実施する予定。主催団体の解散で2018年夏から途絶えている送り盆行事「扇田盆踊り」は、踊りに使う太鼓を所有する市川町内会が4年ぶりの復活開催を目指している。
 お盆期間に市内各地で行われる「獅子踊り」は通常開催を目指して各団体が準備を進めている。山田獅子踊りは8月13日の本番に向けて7月下旬から踊り手の練習会が開かれている。粕田獅子踊りは、これまで通りの実施としたが、密集を避けるために獅子踊りの前に子どもたちが披露する「やっこ踊り」は昨年に続き取りやめた。
 花岡地区で例年8月中旬に開く「花矢夏まつり」は、6月下旬時点で3年連続の中止を決めた。実行委の鈴木一敬委員長は「人員不足が主な原因。飲食やステージイベント中心の催しのため、当日の運営に加えて感染症対策となると割ける人が足りない」とこぼした。

2022年6月

旧大館桂高 県が校舎を解体へ 鳳鳴高は大規模改修 来年度以降に実施

2022-06-17
解体される旧大館桂高校舎(大館市餅田)
 学校統合に伴い2016年度末に閉校した旧大館桂高校(大館市餅田)の校舎が解体されることになった。県北秋田地域振興局が解体設計業務を今月発注。一部の運動施設を残し、教室棟や体育館、プールなどを23年度以降に取り壊す予定。大館鳳鳴高(同市金坂)校舎の大規模修繕についても計画している。
 振興局建築課によると、解体するのは校門を入ってすぐの特別教室棟(5619平方㍍)、普通教室棟(2673平方㍍)をはじめ第1と第2体育館、プール、ゴミ集積所2カ所、陸上競技トラック脇の「部室・トイレ」。敷地内の樹木317本は伐採する。
 継続利用するのは校門脇の部室棟、陸上部倉庫、トレーニング場、弓道場、陸上競技トラック、ソフトボール場、テニスコート。近くの大館桂桜高が引き続き使用する。
 解体の設計業務は草階建築創作所(秋田市)が1334万4000円で落札した。今月10日に着工し工期は10月28日まで。解体を含めた全体の工事費は概算で9億2400万円と公表した。跡地利用は「決まっていない」(県教委施設整備室)としている。
 県教委によると、大館桂の校舎は1972年建設。施設面積1万1017・8平方㍍。2010年に耐震改修した棟は閉校後、使用されていない。県は公共施設等総合管理計画の中で、施設の利用計画が望めない場合は耐震改修時の国庫補助制限期限(2020年)経過後に解体する方針としていた。
 鳳鳴校舎については老朽化が進み、修繕が広範囲にわたるため、二つに分けて実施する。本年度は事務室などが入る管理棟や渡り廊下の防水改修をするほか、セミナーハウス屋根・外壁を塗装。校門脇の自転車置き場はアスファルト舗装し塗装、柱脚補強を行う。体育部部室も改修予定。設計業務を5月に発注した。8月に実施設計を完成し、秋ごろから着工。本年度末までに完工予定。具体的な施工時期は同校と調整し決めるという。全体の工事費は概算で1億1100万円。
 もう一つは普通教室棟や特別教室棟の屋根、第1と第2体育館、格技場、文化部の部室や渡り廊下を改修予定。鳳鳴記念館やペントハウスは防水改修する。設計業務を今月発注した。改修工事は23年度以降を見込む。全体の工事費は概算で3億700万円。設計業務は二つともアルファプランウェーブ(秋田市)が落札した。

5~11歳 ワクチン接種率は34% 小坂町6月議会 コロナ対策「一定の効果」

2022-06-17
 小坂町の6月定例議会が16日開会し、会期を22日までの7日間と決めた後、細越満町長が町政報告を行った。5~11歳の小児を対象にした新型コロナウイルスワクチン接種状況は、対象の34・0%が2回目を終了した。60歳以上と18~59歳の基礎疾患を有する町民を対象とした4回目接種は、「7月21日から9月17日までに3回に分けて実施したい」と説明した。
 新型コロナ対策として実施した各種事業の結果を報告した。宿泊助成券は、5000円の宿泊券を5000枚交付し、このうち4772枚が利用され、利用率は95・4%。原油価格高騰の影響を受けた事業所に対する支援金は、従業員の人数に応じて5万~50万円を交付。対象となったのは町内の144事業所、交付総額は2415万円だった。
 町民が使える燃料券は、1世帯当たり1万円分を2186世帯に交付。2万898枚が使用され、使用率は95・6%だった。米価下落対策の営農継続支援金は、農家70戸に456万1071円を交付した。
 細越町長は「切れ目のない事業を行うことで、落ち込んだ地域経済の活性化として一定の効果があった」と効果を指摘した。
 議案は、▽過疎地域持続的発展のための固定資産税の課税免除に関する条例の一部改正案▽2022年度一般会計補正予算案―の2件。条例の一部改正は原案通り可決した。

物価高騰で支援策 教育産業委 給食、営農、物流などに助成 大館市6月議会常任委

2022-06-16
物価高騰対策が示された教育産業委(大館市本庁舎)
 大館市の6月定例議会は15日、4常任委員会を開いた。教育産業委(小畑新一委員長)では物価高騰に伴う経済支援策が示された。学校給食や営農継続、物流関係などに対し総額約1億3000万円を助成する見込み。国の内示を待って関連費用を盛り込んだ一般会計補正予算案を最終日の23日に追加提出する予定。
 経済支援策は新型コロナウイルス対策事業の一つ。給食関係は、値上がりした食材の購入費の一部を市が給食センターなどに補助する。補助金1541万円を予定している。全額が国の負担。
 学校教育課によると、補助額は1食あたり20円。市内の児童生徒数約4000人が年間約190回の給食を取った場合、約1500万円に上る。現在、保護者の給食負担額(1食平均)は小学生300円、中学生334円。補助によって保護者負担を上げずに給食を提供できるという。
 農業関係は飼料や燃料、資材の高騰を踏まえ、▽比内地鶏導入支援(547万円)▽農業カーボンニュートラル推進(2459万3000円)▽農業高効率化推進(4199万8000円)の3事業を予定している。総額は7206万1000円。
 農政課によると、比内地鶏は素びな導入経費の助成。初生びな(0日齢)や、中びな(28日齢)の導入に対し県助成単価の2分の1を見込む。カーボンニュートラルは二酸化炭素排出抑制に向け、電動型農業機械導入に対して助成する。主に草刈り機などを見込む。高効率化は、高耐久・高効率化の被覆資材に転換した場合、人件費などを除く資材費用を補助する。
 商工関係は▽中小事業者カーボンニュートラル推進(3053万8000円)▽物流事業者支援(1262万円)の2事業を予定。総額は4315万8000円。
 商工課によると、カーボンニュートラルは省エネ機械などの導入、事業用家屋の省エネ改修費用の一部を補助する。省エネ機械の補助対象は産業用モーター、冷蔵庫など。省エネ改修は外壁などの断熱材導入工事が対象で、市内業者への発注に限る。補助率は対象経費の2分の1(上限100万円)。
 物流事業者は、県が実施する支援事業の支給決定を受けた事業者のうち市内に本拠を置く事業者が対象。助成額はトラック車両の大きさや走行距離に応じて単価が異なり、4500円から3万6000円の範囲内。単価に保有台数を乗じて助成する。

ニホンザリガニ PCR法で生息確認 分布調査に新手法 専門家「価値高い」

2022-06-16
沢から採水する生徒(大館市池内道下)
 大館市内の一部地域が南限生息地として国の天然記念物に指定されているニホンザリガニの分布調査で、大館鳳鳴高校の生物部は、新型コロナウイルスの診断にも用いられるPCR法を使った新たな研究に取り組んでいる。個体を目視しなくても、沢や川に残るDNAから生息を確認しようとする新たな手法で、業界内でも期待がかかる。専門家は「再現性と正確性が高い技術で、価値が非常に高い」と評価している。
 PCR法は「ポリメラーゼ連鎖反応」といい、DNA配列上の特定の領域を複製して増幅させ、体内や食品などに潜む細菌やウイルスを検出しやすくできる。微量なDNAで目的を達成でき、必要な時間も短く、正確性も高い。新型コロナの診断のほか、医療や遺伝子研究、DNA鑑定など幅広い分野で応用されている。
 同校生物部は、ニホンザリガニの分布調査にこの手法を取り入れようとしている。個体の目視が一般的だったが、市内では生息数減少が懸念されており、個体を採取しなくても沢や川から採水することで生息を確認できれば、調査の効率化を図ることができると考えた。
 2019年度は、ニホンザリガニのDNAを増幅させるための準備に着手。米国・国立生物工学情報センターに登録されている生物の塩基配列を比較し、最適と考えられる領域を見つけ、専門業者に委託してPCR法に必要なDNAを合成した。
 20年度から分布調査を始め、本年度は南限指定地周辺など過去に生息していたとされる場所で本格的に開始。今月6日、2班に分かれて沢から採水してペットボトルに入れ持ち帰った。引き続き、ろ過装置で水からDNA断片を取り出す作業を行った。この後、遠心分離などの方法で不純物を除き、専用の機械で熱を加えることで、生息の有無を確認できるという。
 年内で10カ所ほどを調べる予定。生息の可能性がある場所について一般にも情報提供を呼びかけている。
 現在の部員は1~3年生10人。このうち2年生2人が、全国高校総合文化祭(7月31日~8月4日・東京都)でこの研究について発表する予定。出場する河田晃和(あきと)さん(2年)は「回数を重ねないといけないが、一定の成果は出ており、順調に進んでいる。個体や生息地の保護に向け、正確に分布を把握する一助になれば」と話している。
 ザリガニ研究の国内第一人者で、国際ザリガニ学会で会長を長年務める川井唯史さん(北海道)は「再現性と正確性が高い技術で、高校生が行うのは非常に価値が高い」と期待する。これまでは「生息地の石をよけたり、巣穴を崩したりして採集する方法しかなく、保護のための情報を得るとは言え、生息地を荒らさざるを得ないジレンマがあった。労が多く、問題が多い点を解決できる、効率的で合理的な方法」と評価している。
 ニホンザリガニは北海道と北東北にのみ生息。環境省のレッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に登録されている。

北秋田 貴重な植物の姿知って 「マイヅルテンナンショウ」 コムコムで 24日まで展示

2022-06-16
ツルが舞うような形に成長したマイヅルテンナンショウの展示コーナー(コムコム)
 北秋田市の文化財(天然記念物)に指定されている植物「マイヅルテンナンショウ(舞鶴天南星)」の展示が15日から、北秋田市民ふれあいプラザコムコムで始まった。同市伊勢町在住の五代儀幹雄さん(89)が自宅の庭で育てた3株を交流広場に展示しているほか、生育状況を紹介するポスターなどを掲示。ツルが羽を広げて飛んでいるような形が、訪れた人の目を引いている。24日まで。
 サトイモ科の多年草。仏炎苞(ぶつえんほう)と呼ばれる苞から花序の先が上に向かって伸び、鳥足状に分裂した葉は苞の周辺に広がる。葉と花序の形から、鶴が舞っている姿に例えられている。県のレッドリストには絶滅危惧1A類として選定されている。
 市教委や五代儀さんによると、日本の中部以西で生育が確認されていた1960年ごろ、旧鷹巣町の米代川流域に自生することが発見され、北限地として大きな話題になったという。後に県内での絶滅が報告されたが、91年に町内で再発見。「本邦最大規模の群生地」と評されるまでに至った。95年に町の文化財に指定。
 本来の生育地は個人宅地の建設計画が進んだため、97年に隣接する旧鷹巣農林高(現秋田北鷹高)の敷地に移植、保護。五代儀さんは自宅の庭でさまざまな植物を育てており、マイヅルテンナンショウは知人から小さな球茎を譲り受けてから25年ほど育て続けている。
 展示は五代儀さんが長年育て続けた記録としてマイヅルテンナンショウを紹介するリーフレット約70部を自作したのを機に、貴重な文化財を市民に知ってもらおうと市生涯学習課が企画。植木鉢に移植した3株を、写真付きの観察記録やリーフレットとともに紹介することにした。
 コムコム1階の交流広場に展示スペースが設けられている。五代儀さんによると、きれいなツルの形に育つのは1割程度で、見頃は20日前後。現在は高さ約70~90㌢に伸び、通りかかった利用者は「本当にツルみたい、珍しい」と話しながら観賞していた。
 五代儀さんは「文化財であることは現在ほとんど知られていない状態。立派な姿を実際に見て、多くの人に知ってもらえたらうれしい」と話していた。株の展示は24日までの予定だが、生育状況によって短縮する場合がある。
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