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忠犬ハチ公 屈託のない笑顔 新たな写真見つかる 渋谷区博物館で初公開
寄贈したのは、ハチの飼い主だった上野英三郎博士宅の近くに住んでいた大木八重子さん(96)。上野博士の急逝後、ハチは植木職人に引き取られ、博士の教え子だった大木さんの父が預かることも多かった。大木さんは小学生のころ、学校から帰るとハチと遊んだ。「とても賢くかわいい犬だった」という。
大木さんの父はハチを何度も撮影し、数多くの写真を持っていたとみられるが、戦災で全て焼失。しかし、1933年ごろに撮ったハチと大木さんが並んだ写真を親戚に渡していたため、辛うじて1枚だけ残った。ハチの部分だけ切り取り、保管していた。
同館によると、数年前にハチ公関連の資料展を開いた際、大木さんが来館。「ハチの写真を持っている」と話したことから、松井圭太学芸員が譲り受けたいと申し出たところ、快諾を得た。
今回の寄贈で、上野邸があった場所は学説通りに渋谷区松濤1丁目と判明。現在は東急百貨店別館が立つ。東急は1934(昭和9)年、初代ハチ公像建設募金集めの際、寄付金付き「ハチ公チョコレート」販売に協力。近年は「東横ハチ公」というキャラクターを作り、土産品販売に力を入れている。
松井学芸員は「正面から撮影されたハチ公はほとんどなく、口を開いた写真が何枚かあるものの、屈託のない笑顔に見える写真は他にない」と強調。「有名になる前はいじめられるなど、つらい思いをした。そんなハチ公の笑顔を見ると救われる気がする。世の人に『ありがとう』『幸せに暮らしている』と伝えているように感じる」と話した。
写真は、3月24日まで開催する企画展「新収蔵資料展」で公開している。
上小阿仁村 友倉神社裸参り 男女16人参道を駆ける
江戸時代に飢饉(ききん)や疫病などの厄災を払おうとしたのが始まりとされ、350年余りの歴史がある。全国各地の裸参りの中でも夜に行われるのは珍しいという。
昭和期には毎年50人近くが参加していたが、少子高齢化に伴い年々減少。現在は髙橋旅館(髙橋健生社長)が呼び掛け、村内外からも参加を募って継続している。
今年は村民や小中学校のALT(外国語指導助手)のほか、北秋田市、東京都から男性15人、女性1人の計16人が参加。16日午後11時過ぎにふんどしや長じゅばん姿に着替えた参加者が、旅館前で冷水を全身に浴びて身を清めた。
午前0時に合わせ、約1㌔先の友倉神社を目指して出発。降雪や風の影響がほぼなく、石段にうっすらと雪が積もる程度で走りやすい状態。参加者は数人ずつ隊列を組み、勇ましい声を上げながら参道を駆け抜けていった。神社では住民や神主が出迎え、参加者と一緒に祈とうを行った。
鹿角市十和田 仲間と雪に親しむ 多彩にレク 2地区でスキー大会
十和田地域づくり協議会(中村隆俊会長)の主催。競技主体だった十和田地区の市民スキー大会を、十数年前からレクリエーション主体に変更した。開会式で中村会長は「雪を楽しむ機会が少なくなってきた。このイベントでチームと地域の親睦を図ってほしい」とあいさつした。
種目は雪だるま作り大会、雪上かるた大会、雪上綱引き大会、宝さがし。だるま作りは1チーム3人以内で、制限時間60分以内に「3段式雪だるま」を作る。アイデアやバランス、完成度が審査のポイント。
参加したのは小学生、一般(中学生以上)、親子の3部門に計20チーム。昨年の倍近いチームが参加し、例年以上の盛り上がり。昨年の夏甲子園で活躍した金足農野球部・吉田輝星投手のだるまが登場。腕に見立てた木の枝に雪のボールを握らせるポーズに仕上げていた。
雪上かるたは「鹿角観光いろはカルタ(十和田版)」の大判かるたを使用。子どもたちは目指す札に向かい、新雪に飛び込んだりしながら楽しく取り合っていた。
この日は八幡平と尾去沢の2地区で市民スキー大会が開かれ、工夫を凝らした種目で雪に親しみ、交流を深めた。
本県1・4秒届かず銀 札幌スキー国体女子リレー 北鹿勢4人が躍動
北鹿勢4人で挑んだ女子リレーは本県が2位。昨年の女王・長野へのリベンジを果たそうとメンバー間の士気は高かったが、あと一歩のところで捉えきれなかった。
1走は田中星那(花輪3年)。フリーの1走は初めてで不安はあったが「どんな展開でも自分の役割を果たすだけ」と意気込んで臨んだ。2・5㌔コースの1周目は体力を温存し、2周目の終盤上りで勝負を仕掛け、首位で中継した。
2走の平川歩未(北鷹同)は個人種目1位の祖父江凜(長野)に逆転を許したものの、得意の上り坂では差を詰める粘りで、大逃げを許さなかった。3走の本田千佳(花輪2年)も序盤に差を広げられはしたが、必死に食らいつき逆転圏内でつないだ。
アンカーの石垣寿美子(秋田ゼロックス・十和田高出)は中継時に約19秒あった差を巻き返し、2周目残り1㌔でついに背中を捉えた。しかしゴール前で逃げ切られ、わずか1・4秒届かなかった。「高校生の頑張りに報いることができなくて申し訳ない」と悔しさをにじませた。
昨年と同じメンバーで挑戦。それぞれリベンジを達成できなかったことを悔やんだが、「良い雰囲気でやれた。皆が頼もしかった」と田中と本田。平川は「普段はライバルだけどきょうは団結して戦えて良かった」。石垣は「大会中は後輩たちに元気をもらった。あれだけの選手を相手によく戦ってくれた」などと共に戦った仲間をたたえ合った。
商品券交換、900人超に 大館市健康ポイント 交換4月末まで あすは夜間受け付け
「働き盛り世代」の健康づくりへの関心を高めようと、17年度から3カ年事業で、40歳以上の市民(公務員除く)を対象に実施。減塩や運動など健康づくりの目標を設定すると10ポイント、実践すると最大20ポイント、特定健診や職場の健診、人間ドック、がん検診受診、健康講座受講に各10~70ポイントが与えられる。100ポイント以上ためると、1000円分の地域限定商品券と交換できる。
本年度は商品券交換期間を2カ月早めて9月から、市保健センターで受け付けている。健康課によると、地区公民館を巡回した11月は428人が交換を済ませた。その後も1日3~10人ほどが訪れ、交換者は2月14日現在、905人となった。
健康課は「参加目標1000人」を掲げ、昨年末から事業所を訪問し、ポスターを配布しながら事業をPRしている。職場の健診や人間ドックを受け、「気付かずにポイントがたまっている人も多い」という。担当は「市の健診を受診した場合はポイントカードをもらう機会があるが、社会保険加入者らに事業を知ってもらい来年度につなげたい」と話す。
事業最終年度の来年度は、対象者を「35歳以上」に拡大する。ポイント付与対象事業を増やし、市が力をいれる大腸がん検診のポイントを増やすことも計画している。
本年度は3月末までポイントをため、4月26日まで市保健センターで商品券と交換ができる。受け付けは平日午前9時~正午、午後1~4時。毎月第3月曜は「夜間受け付け」とし午後5~7時も対応する。今月は18日。健診結果表を持参するとスタンプを押印する。問い合わせは健康課(電話0186・42・9055)。

「いじめ防止宣言」採択 鹿角市内小中学校 子ども議会で取り組み発表
鹿角市いじめ防止子ども議会が9日、市役所の議会本会議場で開かれ、小中14校の代表28人が自校の取り組みを発表し、防止へ向け意見を交換した。最後に「心づかいを忘れず、喜び・悲しみを分かち合います」など3条から成る「いじめ防止子ども宣言」を採択した。
2015年1月から始まり、17年からは本会議場を会場に開いている。市議会の本会議さながらに進められた。発表する3校の児童生徒は〝当局側〟の席に、残りの子どもは議員席に。八幡平中2年の山本弐虎太さんと佐々木夏音さんの2人が議長を務めた。
発表したのは十和田小、花輪北小、花輪一中の代表。十和田小はあいさつ運動、ぽかぽかハート集会を開きながら、「元気で明るく、いじめを許さない十和田小」を続けている。花輪北小は全校児童を対象に行ったアンケートを基になかよし集会を開き、各学級で話し合ったことを発表し意見を交換した。
14年10月に「いじめ防止・一中行動宣言」を制定した花輪一中は「生徒会事務局だより」の発行や「一中プライズadvance」に取り組み、意識の向上と互いに頑張りを認め合う気持ちの醸成を図った。
発表の後は、議員席の児童生徒が自校の取り組みを報告し、意見を出し合った。宣言は、▽いじめを絶対に許しません▽相手に対する心づかいを忘れず、ともに喜び・悲しみを分かち合います▽一人ひとりの個性を認め合い、尊重します―の3条。
「阿仁マタギ」 日本遺産目指して協議会設立 北秋田市 1月下旬に申請
北秋田市が日本遺産への認定を目指している狩猟文化「阿仁マタギ」の観光振興や地域活性化について話し合う日本遺産事業推進協議会が8日に設立された。阿仁マタギの認定は2018年度の申請が見送りとなった経緯があり、市は年度の認定を目指して今月中に申請を行うことにしている。協議会ではマタギや地域の歴史研究家らを交えて申請内容について話し合った。
日本遺産は地域に根付き、世代を超えて受け継がれている風習や伝承、歴史的経緯などを「ストーリー」として文化庁が認定するもので、訪日外国人客の関心を強く引き付ける「クールジャパン戦略」の文化版と位置付けられている。
20年度までに100件ほどが認定される見込みで、これまでに67件が認定されているという。北秋田市は18年度に「阿仁マタギ〜山に生かされる共生の暮らし」と題して申請したが見送られた経緯があるが、市は当初から19年度の認定を目指すとの方針を示していた。
設立総会は市阿仁庁舎で開催。津谷永光市長は「北秋田には多くの文化や自然などの宝がある。宝が特に多い阿仁地域のなかでもマタギ文化は国内外から注目を集めるなど大きな可能性を持っている。伝統の文化を内外に発信し地域の活性化に寄与するような取り組みを展開していきたい」などと述べた。
規約を決めた後、役員選出を行い、会長に津谷市長、副会長に秋田大学北秋田分校の濱田純分校長、監事に阿仁地区自治会長会の石田一男会長と県文化財保護協会阿仁支部の戸嶋喬支部長を選んだ。
引き続き第1回の協議会を開き、文化庁に提出する申請書の内容について協議した。
今回の申請では見送りとなった前回を踏まえて認定の可否に大きく影響する「ストーリー」の拡充を図る。マタギ文化を詳しく紹介するほか、地域の暮らしや文化との関わり、現代への継承などについて盛り込む考え。
現役のマタギで阿仁地区猟友会副会長の鈴木英雄さんからは、マタギが信仰した巨岩がまつられた神社など貴重な情報が提供された。
申請は県を経由して行う形となっている。県に申請書を提出する期限は18日で、今後は15日に2回目の協議会を開いて、申請内容を取りまとめ県に提出する予定。県から文化庁への申請は今月下旬となる見通し。認定の可否が示されるのは4月下旬ごろ。
鹿角市役所本庁舎 外壁改修 1期工事がほぼ終了 淡い桃色「北限の桃」をイメージ
鹿角市役所本庁舎の外壁改修事業は、本年度予定していた1期工事がほぼ終了した。従来の壁の色は白っぽいベージュだったが、鹿角特産「北限の桃」をモチーフにした淡い桃色に〝化粧直し〟。イメージチェンジした外観が、訪れる市民らの目を引いている。
本庁舎は1985年の竣(しゅん)工から30年余りが経過している。市は昨年度、業者に委託して外壁の調査を実施したところ、経年劣化が進んでいることが分かり、改修工事を2018、19年度の2カ年で実施することにした。
本年度は1期工事として庁舎1、2階の南面(正面玄関側)と東面(国道側)、3、4階の北面以外の全面合わせて2031平方㍍、来年度は2期工事として1、2階の北面と西面、3、4階の北面合わせて1903平方㍍の壁を改修する計画。総事業費は2億5000万円余りの見込み。
改修にあたっては、既設タイルを剥離防止ネットで固定し、防水性等に優れた自然石調の合成樹脂を塗って仕上げる工法を採用。市によると、従来のタイル仕上げと比べて、タイルの更新や洗浄などの対応が長期間不要であるため管理コストはほとんど発生しないという。
1期工事は昨年7月に本格着工。工期は今月11日までで、ほとんど計画通りに進められてきた。
特徴的な外壁の色は市が「温かみのある『北限の桃』に近い色」として発注したもの。市民からは「イメージがだいぶ変わったが、くっきりしていい」といった声があるようだ。
大館市が協力隊募集 従来と任用形態変え 個人事業主に委託業務契約
大館市商工課が、従来とは異なるフリーランス(個人事業主)と委託業務契約を交わす地域おこし協力隊を募っている。主な活動はサテライトオフィスの誘致で、拠点は御成町1丁目の複合ビル「わっぱビルヂング」。任期後の定住を視野に入れた募集要件として副業可能、勤務時間拘束が原則ないなど、任用形態がこれまでとは大きく異なる。年度内の採用を目指している。
現在市内で勤務する隊員は移住交流課、観光課、市教委に計11人。「秋田犬ふれあい隊」はJR大館駅前の「秋田犬ふれあい処」が主な活動場所だが、いずれも市所管施設での勤務となっている。
今回は定員2人を募集。要件は歳以上で、ライティングやデザイン、写真・動画撮影などの個人事業者。学歴不問で要普通自動車免許。転出地区の要件が緩和されており、首都圏に限らず人口規模によっては秋田市などの地方都市からの移住も可。
市からの隊員委嘱を経て、業務委託契約を結ぶ。任期は最長3年間。委託料は活動経費や自動車借り上げ料など含み月18万円。求人サイトを運営する「SAGOJO」(東京都)に市が業務委託して、昨年11月から2人の募集を開始した。
新隊員の活動拠点はビルヂング内の共用オフィス「MARUWWA(マルーワ)」。本年度20社超が来市予定というサテライトオフィス体験の誘致やアテンドを主な業務とする。
商工課は「自身のスキルを生かしながら市内外の人と関係性を築き、任期後に市内の就業や起業、地域活性化につながるような人材を求めている」と話した。
応募の問い合わせはSAGOJOの採用窓口(メールinfo@sagojo.link)、業務内容などについては商工課(☎0186・43・7071)。
住居確保が課題に 北秋田市移住定住ネット会議 12月末まで16世帯27人
昨年3月に発足し移住者やサポートする市民らで組織している。会員数は13人。定期的に全体会議を開いて意見交換し、この日が本年度の最終開催。市内の空き家状況や、会員の交流会日程を協議した。
事務局の市総合政策課によると、本年度の移住実績(昨年12月末時点)は16世帯27人。20~40歳代や子ども連れの家族が多かった。人口減少を抑える上で若い世代の移住は貴重という。
一方、移住者の希望する地区内で住居を探すのが悩みの種。地区によっては賃貸アパートが少なく、空き家の一軒家頼りが現状。市が運営するデータベース「空き家バンク」からも情報を得られるが、登録されているのは現在7件程度。地区や広さ、間取りなども含め多様なニーズに応えるため選択肢を増やす必要があるという。
市の移住定住施策に協力しているスムスムの全体会議でも話題となった。米倉代表は「阿仁地区の自治会長に空き家情報の提供を依頼している」と説明。同課は「未登録の住居もある程度把握しておきたい」とし、今後の移住相談を円滑に進めたい考え。