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ニホンザリガニ 人工飼育用装置を導入 大館市教委 増殖へ専門家が提案 昨年は卵が消失

2020-05-19
人工飼育用装置に移されたニホンザリガニの卵(大館郷土博物館)
  大館市教育委員会は本年度から、ニホンザリガニの個体保護に向けた増殖研究に、人工飼育用装置を導入した。ザリガニ研究の国内第一人者・川井唯史さん=北海道=の提案で始めたもの。2018~19年は産卵後の卵が消失してふ化に至らない事態に直面したため、安定した増殖技術の確立につなげたい考えだ。
 ニホンザリガニは北海道、青森、本県などに分布し、水温20度以下の冷たくきれいな水でのみ生息できる。環境省レッドデータブックで絶滅危惧Ⅱ類に登録されている。
 1934年に大館市の八幡沢地区(桜町南―池内道下の一部)が、南限生息地として国の天然記念物に指定された。しかし宅地化の進展で生息環境が悪化し、近年は個体数の減少が懸念されてきた。
 指定地保護や個体維持に向けて、市教委は2017年度に「天然記念物ザリガニ生息地再生委員会」を設立。人工増殖研究、人工生息地整備などの取り組みを本格化させている。
 このうち人工増殖では、18年夏に初のふ化を確認。19年にかけても同様に研究を続けたが、産卵後に卵が全て消失してしまい、ふ化には至らなかった。母親の個体が、産んだ卵を食べてしまったケースも考えられるが、詳細な原因は不明。
 課題を改善するため、川井さんが自らの増殖実験で成果を挙げた「人工飼育用装置」の導入を提案、市教委に機材を無償提供した。通常は母親の腹部で育てられる卵を母親と隔離し、水の入ったフラスコ状のガラス容器で飼育するもの。容器にエアーポンプから空気を送り、水を動かすことで卵にカビが付きにくくなり、実際の成育に近い状況を再現している。
 大館郷土博物館では研究3季目となる19~20年、指定地近くで採取した3組(雄3匹、雌3匹)をそれぞれ別の水槽で飼育。3月下旬から4月上旬にかけて雌3匹の産卵を確認した。今月1日、このうち1匹が産んだ有精卵53個の中から28個を取りだし、「人工飼育用装置」内のガラス容器に移した。残りの有精卵25個はこれまでと同様に母親の腹部で育て、比較することで成果を確かめる。
 ふ化は7月ごろの見込み。市教委歴史文化課は「卵が消失することなく、順調にふ化してほしいと願っている。指定地水系のニホンザリガニを守っていくため、安定的な増殖技術の確立につなげられれば」としている。
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