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歌で綴る教育へのエール

秋田大学客員教授 北秋田分校長 三浦 栄一

 コロナ禍の中で、生活や活動の制限・自粛が余儀なくされ、それは教育も例外ではなく、昨年2月の全国一斉休校からはじまった未曽有の状況は様々な影響をもたらしました。
それでも、学校現場は、先生方は、明日の子どもたちの笑顔のために懸命に取り組み、歩を進めています。ギリギリのところで選択や判断をしながら工夫を重ね、保護者の理解を得ながら、日々の授業の充実を図り、豊かな活動を模索し続けています。それはきっと未来の秋田を担う子どもたちの心に、大きな希望の灯をともしたはずです。また、子どもたちの笑顔やがんばりが、地域の方々の困難を乗り越えていく元気の源になっています。
 危機的な状況の中で奮闘する先生方、子どもたち、保護者の皆さん・地域の皆さんに、歌でエールを送ります。学校現場にいた時に創った曲を中心に、その曲への想いを書き記しました。

Vol.12(最終回)光り ~花を咲かせよう~

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Vol.12(最終回)光り ~花を咲かせよう~(4969KB) NEW

Vol.12(最終回)光り ~花を咲かせよう~
作詞:長木小6年Kids・作曲:三浦栄一

おはようと声をかけてくれる 笑顔が大好き
いつも元気をくれる ふるさとが大好き
 あたたかいその瞳 ずっと忘れないよ
  花を咲かせよう  ありがとうの花を
  僕らの汗 しみこんでる 鳳凰太鼓響け
  花を咲かせよう さあ手をつなごう
  10年50年100年先も やさしさで包むよ

レール沿いにみんなで 植えたアジサイの花が
太陽の光り浴びて きらきら微笑むよ
 どんな遠い道でも 前に歩き出そう
  花を咲かせよう 未来への花を
  僕らの夢 みんなの夢 青い空に届け
  花を咲かせよう さあ手をつなごう
  10年50年100年先も 緑の風が吹くよ

 小さな命紡ぐエゾタンポポのように
  花を咲かせよう 美しい花を
辛い時も精一杯 生きる勇気燃やし
花を咲かせよう さあ手をつなごう
10年50年100年先も 鼓動が聞こえるから

花を咲かせよう 希望への花を
僕らの夢 みんなの夢 青い空に届け
花を咲かせよう さあ手をつなごう
10年50年100年先も 僕らが光りになる 
長木の光りになる   永遠の光りになる


 この「歌で綴る教育へのエール」も最終回になりました。最後は未来への希望の光りを届けたいと思います。この曲「光り~花を咲かせよう~」は長木小学校の6年生が取り組んだ「地域に元気を届ける曲を作ろう」というプロジェクトで創った曲です。この曲作りの過程を通して、曲ができた後に、まさに「光り」が見えたのです。

 大人に見る光 ~あじさいレールロード10年プラン このプランは新聞・テレビ等でも紹介されたので、ご存じの方も多いかと思います。廃線になった旧小坂鉄道の駅の一つ岱野駅。かつては長木地区の玄関口として交通の要衝であり、地域の方々の思いが詰まった駅です。しかし、廃線になって以来、周辺は雑木や雑草が生い茂り環境・景観は悪化。安全や治安面で生活を脅かす危険性もはらんでいました。そこで立ち上がったのが岱野駅のある上代野町内会を母体とする岱野駅前プロジェクト(会長・九嶋光男さん、事務局長・三浦孝志さん)。安心して暮らせる環境にしたいという思いにとどまらず地域が「誇り」と「夢」をもてるプランを構想したのです。「10かけて廃線となったレール沿いにあじさい3000本を植樹し、全国に誇るあじさいロードを造る!」。壮大過ぎて本当にできるの?いえいえ、そんなことはありません。緻密な計画と強い「気概」「想い」は確かに伝わるのです。学校、公民館や様々な団体が呼び掛けに応じました。試験植樹を経て、今年は400本を植樹。長木小学校児童の植樹を皮切りに、2度の植樹会を実施。地域内外からたくさんの人が訪れ植樹を行いました。植樹したところは、なんと「○丁目○番地」と番地が!「あじさいの街」が誕生したのです。自分の植えたあじさいがどこにあるかが一目で分かります。「10年後あじさいが咲き誇るのが楽しみ」と口々に話す人たち…。曲を作る過程で、子ども達はこの大人たちの熱い思いと行動力に接したのです。「どんな遠い道でも前を向いて歩き出そう」と。
 光り、その先へ~長木・雪沢笑顔いっぱいフェスティバル 歌が完成しました。でもプロジェクトは続きます。6年生はまず下学年に「この歌を学習発表会で全校のみんなで歌おう」と提案・呼びかけました。歌声は全校に広がりました。
 地域の施設や事業所に歌詞の掲示とCDを流して歌ってほしいと依頼に歩きました。地域に歌声を広げようとしたのです。さらに、コロナ禍で観覧が保護者に限定された学習発表会だけでは自分たちのがんばりや元気を地域に届けられないと「長木・雪沢笑顔いっぱいフェスティバル」を企画・実施しました。会場はタクミアリーナ。たくさんの地域の方がつめかけました。鳳凰太鼓、鹿島太鼓の体全体で表現するエネルギッシュなリズムと轟く音は情感を揺さぶりました。そして「光り」。「長木っ子、みんな出ておいで」。会場に来ていた長木っ子がフロアに集まります。2階席やそこかしこから歌声が響いてきます。子ども達はその瞬間、地域を支え、担っていく未来への「光り」として輝いていました。「僕らが光りになる 永遠の光りになる」。外は冷たいみぞれの降る寒い一日でしたが、来場者は皆、熱い思いでいっぱいになり、会場を後にしました。
 私たちがこのコロナ禍の中で気付かされたのは「有り難い日常」「本当に大切なヒト・モノ・コト」、そして「可能性」。挫折や失敗に負けることなく、踏み出す1歩の「勇気」と未来を切り拓く「信念」。翻って、このことはコロナ禍だから、ではなく教育や子育てにつながる気付きだったのではないでしょうか。そのことを、このプロジェクトを通して子ども達から教わりました。

 最後になりました。自分の現職時代の至らなさを棚に上げて綴ってきましたが、QRコードによる楽曲紹介という新機軸を打ち出し、つたない文章を快く掲載してくださった北鹿新聞には感謝の気持ちでいっぱいです。また、たくさんの励ましや感想をお寄せいただき、エールを贈るはずの私自身が元気付けられました。この場をお借りし、読者の皆様にも改めてお礼を申し上げます。またお目にかかる、いえお耳にかかる機会もあろうかと思います。そして、エールの輪が広がりますように。よいお年をお迎えください!

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