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創刊100周年企画 古今「秋田犬」

第3部

人気の裏で飼育放棄、殺処分 「課題知って」 飼育者の高齢化や減少 保護や飼育支援の活動も
2018-11-29
ドッグトレーナーと過ごす保護犬・疾風(はやて)(秋田市、ONE FOR AKITA提供)
 「ウ~とうなり声を上げ、人への警戒心がものすごく強かった」。約2年前、飼育放棄され、宮城県の保健所で保護された秋田犬の「もも」。ドッグトレーナーが心身のケアと訓練を行い、今は秋田市の常設展示施設「秋田犬ステーション」で活躍する。施設を運営する一般社団法人「ONE(ワン) FOR(フォー) AKITA(アキタ)」(三浦廣巳理事長)は「国内飼育頭数の減少と殺処分という秋田犬を取り巻く課題を知ってほしい」と話す。
 県動物管理センター(秋田市)が捕獲や引き取りによって保護した秋田犬は2015年度8匹、16年度24匹、17年度3匹。16年度は保護した全部の犬126匹のうち、約2割が秋田犬だった。24匹のうち、譲渡されたのは3匹。21匹が殺処分された。
 「飼い主の高齢化や亡くなるなどして飼育放棄され、殺処分されるケースが増えている」と法人の高橋伸明事務局長は説明する。「大型犬な上、飼い主に忠実なため、新たな飼い主を見つけるのが難しい犬種」という理由もある。ももの保護をきっかけに、今年3月、「秋田犬の保存・保護」を掲げて法人が発足。これまでに保健所などから3匹を保護した。
 法人は12月11日、秋田市雄和に「秋田犬の命をつなぐ拠点」をオープンさせる。「一度飼育放棄された犬は人への警戒心が強いだけでなく、健康面で弱っていることが多い」といい、ドッグランや休憩小屋など整った環境の中で、ドッグトレーナーが訓練を行い、新たな飼い主とのマッチングを行う場所とする。
 建設費の一部をインターネット上で資金を募るクラウドファンディングを利用したところ、目標を上回る金額が集まった。高橋事務局長は「秋田犬に関する関心は高いと感じた。人気が高まる中、殺処分などの課題を知ってもらい、命を救い守っていくことにつながれば」と言葉に力を込めた。
 飼育放棄の原因の一つに挙げられる飼育者の減少や高齢化。秋田犬保存会(本部・大館市)によると、17年の国内の会員数は2310人で、10年前と比べ約400人減った。本県は152人、地元・大館は43人でいずれも減少傾向にある。「会員の約7割が60歳以上。若い世代がなかなか入会せず、高齢化が進んでいる」と保存会の佐々木隆事務局長。「『かわいい』と興味を持っても、飼育が大変そうと二の足を踏む人が多い。国内では秋田犬人気が飼育者増に結びついていない」のが現状だ。
 地元の飼育者を増やそうと、保存会は昨年度から大館市の委託事業で飼育を支援する取り組みを行っている。会員に対しては餌代を、新規会員に対しては子犬や犬用ケージの購入費を助成している。しかし、申請は少なく、1人1匹、5万円を上限とする子犬購入費助成の利用は本年度1件のみ。佐々木事務局長は「秋田犬を身近に感じ、飼いやすいと思ってもらう取り組み、PRが必要」と見据えた。
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