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創刊100周年企画 古今「秋田犬」

第3部

海外保存会員の拡大へ 犬籍登録の急増受けて 展覧会出陳条件を緩和 血統保護の対策にも
2018-11-30
中国から提出された偽造血統書
 秋田犬保存会(本部・大館市)は秋田犬ブームを継続させるため、海外に目を付けた。会員数や犬籍登録数の増加を目指し、飼育者を会に取り込もうと展覧会への出陳条件を緩和し始めた。一方で、中国からの血統書に偽造が確認されるなど、人気が世界に広がる中で管理の難しさが課題となっている。飼育者増と血統保護―。眼前にある難題と向き合おうとしている。
 保存会によると、人間の戸籍に当たる犬籍登録数は2017年の時点で6671匹。このうち、約6割を海外が占めている。07年の26匹から17年は3967匹と、約150倍に急増した。この10年で会員数は約9倍に伸び、日本での支部に当たる海外クラブも新たに16団体が設立。現在は18団体が活動している。
 こうした状況の中で、保存会の拡大を目指す動きは自然と、海外に向かっていく。同会の遠藤敬会長は「秋田犬への愛が世界で広がっており、こんなチャンスはない。1国1クラブを目指すため、間口を広げることで、世界の皆さんに保存会を認識してもらう契機にしたい」と語る。
 手始めに今年の秋から、展覧会へ出陳するための条件を海外に限って緩和した。
 これまでは、本部や各支部・海外クラブ主催の展覧会への出陳は、保存会の会員であるとともに、保存会の犬籍を持っている必要があったが、非会員には「国際畜犬連盟等の血統書を持っている」「保存会の審査員が純血種と認める」などの要件を満たすことで仮の認定証を発行、2年間に限って出陳を認める。ねらいは「会員の獲得」と「保存会の犬籍および血統書の発行」だ。
 海外の畜犬団体では混血種でも血統書を発行する例があり、純血種でない犬が〝秋田犬〟として広まっているという。同会は「仮の認定証を発行する審査の中で、審査員が純粋な秋田犬を確認する機会を得ることで、血統の保護、管理が困難になりつつある現状への対策にもつながるのでは」としている。
 ただ、海外への拡大を喜んでばかりもいられない。15年から16年にかけて、飼い主の名義変更のため中国から提出された保存会の血統書5件に、偽造が見つかった。血統書には飼い主の会員名、父母犬や祖父母犬の名前などが記されるが、前の飼い主が非会員や架空の人物だったほか、犬も犬籍が登録されていないなど、非常にずさんなものだった。
 問題を受け保存会では、犬籍登録の際に親犬の交尾写真、子犬が母乳を飲む写真の添付を義務付けた。また、血統書には刻印と透かしを入れ、複製が容易にできないよう改めた。海外の個人会員のクラブ加入や、会員に違反があった場合の除名やクラブ解散も導入し、犬籍の管理徹底を図ることにした。
 これ以降、血統書の偽造など、著しい問題行為は確認されていないが、「天然記念物秋田犬の保護」を目的に掲げる保存会にとっては厳格な対策が求められている。
 遠藤会長は「秋田犬ではない犬が、秋田犬として広まっていくことが問題だと認識している。しっかりチェックしていくことが急務。雑種化を阻止し、本物を見極める。種の保存が保存会の一番の目的だ」と話した。
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