本文へ移動

創刊100周年企画 古今「秋田犬」

第2部 アメリカ編

「剣山」と過ごした邸宅 ヘレンケラー 異なる文化つないだ忠犬  81年前に東海岸へ 保存会がプレゼント
2018-11-07
ヘレン・ケラーと剣山号(秋田犬保存会提供)
 大西洋沿岸の小さな森の中にある住宅街。正確には高級住宅街の一角に、アメリカの社会福祉活動家、ヘレン・ケラーが住んでいた家がある。場所はニューヨーク市から電車で東に1時間ほどのコネティカット州ウエストポート。ケラーが秋田犬と一緒に過ごした街だ。
 今から81年前の1937年。アメリカで忠犬ハチ公のことを知ったケラーは、来日した際、通訳の男性に「日本とアメリカの人を結ぶために」秋田犬がほしいことを伝えた。それを聞いた当時の秋田犬保存会の小笠原一郎副会長が「神風」をプレゼント。ケラーはニューヨークで飼育するが、神風は渡米後わずか2カ月で病気のため死んだ。ケラーの悲しみを知った小笠原副会長は、39年に「剣山」を贈った。ウエストポートに引っ越したケラーは、現在も残る邸宅で友情を深めたとされる。
 ヘレン・ケラー邸は1946年ごろ火災に遭い、現在は2軒目となる。広い庭には、犬の水飲み場として建てられた水がめを持った女性像や、日本人からプレゼントされた石灯籠の台座などが残っている。ケラーは視覚と聴覚に障害があった。ウエストポート在住の作家、マクドナルド由美さんの夫のジムさんによると、15年ほど前に日米の友好団体であるジャパン・ソサエティーの集会でヘレン・ケラー邸に入ったことがあり、階段やドアの近くに点字のようなものが刻まれていたという。今も一般の人が住んでおり、公開はされていないが、邸宅も庭もケラーが住んでいた頃とほとんど変わらず、秋田犬とともに過ごした日々を想像することができる。
 アメリカの東海岸は地震がほとんどないため、古くからの建物が現在も人が住める状態で残っている。ウエストポートには独立戦争(1775~1783年)以前の1690年に建てられた家など、300年以上前の建物が当時のままにたたずんでいる。日本では国宝級である。また、著名人の豪邸が多いのもこの地方の特徴で、中でも俳優、ポール・ニューマンが晩年を過ごしたことが有名。ほかに、女優へのセクハラ問題で「Me Too」運動の発端となった映画プロデューサー、ハーヴェイ・ワインスタインの大豪邸が海岸沿いにある。こちらは、最近できたという高い塀が家の周りを覆っていた。
 秋田犬を通して異なる文化に身を置いてきた。アメリカでの現状をひもとく旅は、間もなく佳境を迎える。東海岸を背に、秋田犬保存会海外クラブの〝総本山〟であるロサンゼルスを目指し、大陸を横断した。
ヘレン・ケラー邸の外観(マクドナルド由美さん提供)
ヘレン・ケラー邸へと続く門。秋田犬もこの道を通った
1690年に建てられた家。今も当時のままにたたずんでいる
印刷に関するご案内
ご案内
広告に関するお問い合わせ
お問い合わせ
購読のお申し込み
購読お申し込み
掲載写真のご購入
ご購入お申し込み
後援のお申し込み
資料請求
記事・写真等2次使用について
資料請求
株式会社 北鹿新聞社

〒017-0895
秋田県大館市字長倉79
TEL.0186-49-1255(総務課)
FAX.0186-43-3065(総務課)
 
*日刊新聞発行および一般印刷*
TOPへ戻る