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創刊100周年企画 古今「秋田犬」

第2部 アメリカ編

「もう一度、一から」 世界最大級の支部再建 北米クラブ長・タカマツさん 純血保護に力入れる
2018-11-14
北米クラブのピクニックの様子(タカマツさん提供)
 秋田犬保存会北米クラブ長のスティーブン・タカマツさんは、妻のジュディさんとともに「もう一度、一から始めよう」とロサンゼルス支部(当時)の立て直しを図った。日本ではブリーダーが犬を入れ替えしながら育てるのに対し、アメリカでは同じ人が一匹の面倒を最後まで見る。ブリーダーが高齢になり、引退する頃には犬も役目を終えるという、独自の流れが会員減少に影響した。タカマツさんは新しい会員を増やすため、まずは日本から7匹の秋田犬を輸入し、犬の絶対数を確保した。
 その後は定期的に秋田犬を連れたピクニックを開くなどし、会員同士の情報交換を活発にした。毎年のように日本を訪れ、ブリーダーと会ったり、異なる血統の犬を観察して見聞を広めた。展覧会も復活した。タカマツさんは「秋田犬がペットなら、会員になる必要はない。会員にならなければいけない理由は展覧会に出られるかどうか。クラブを大きくするためには、展覧会が必要」と、交流の場を大切にする。
 そして大きな課題だった、ルールを支部内に設けた。歯科医師のタカマツさんは、特に犬の健康に気を使った。目や股関節を獣医師にチェックさせ、病気がある場合は繁殖させないほか、海外では免除されていた交配前の申請を義務付け、秋田犬の純血を守る取り組みに力を入れた。
 タカマツさんは「ほかの(犬種の)クラブに負けないほど、秋田犬保存会は純犬を保証している」と胸を張る。以前よりも制限は厳しくなったが、秋田犬人気に加え、タカマツさんの情熱に応える形で会員は再び100人を超えた。世界最大級の海外支部を再建した。
 秋田犬が国際化する時代となり、繁殖、飼育の問題が多様化している。ハチ公の物語は人々に感動を与える半面、犬がモノとして扱われるきっかけをつくったのも事実だ。タカマツさんが神妙な面持ちでこう語った。「自分たちが育てた犬に悪いところがあれば引き取る。だから、捨てないでほしい」。飼育者としての責任の重要性を訴えた。人間と動物が共存し、良好な関係の構築を左右するのは、人間の意志だ。
 西日が強くなってきた夕刻。タカマツさんは9匹の秋田犬が待つ自宅へ戻った。散歩は毎日午前3時からだという。川嵜さん夫妻と2匹の秋田犬に別れを告げ、ロサンゼルス国際空港から帰路に就いた。今回の取材で、お世話になった全ての人へ感謝したい。そして、読者の方々へ伝えたい。秋田犬は、郷土の誇りであると。   
(第2部おわり)
タカマツさん㊧と川嵜さん。北米クラブを支える2人だ
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