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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2020年1月

福帰りこれからは又おに二人       阿部 正一
 【評】子や孫の帰省は福、見送り残された老いは「おに」、平仮名の「おに」はいい鬼のことでしょう。ユーモアとペーソス(哀感)。
寒天の星の美学を見て老いる       阿部 右門
 【評】昔は飲んだ帰り、今は着込んで星を見る。冬の大三角形の壮大な美を。熱燗が待っているよ、阿部さん。
祝い皿紅白なますささやかに       中村 敦子
 【評】祝膳のおなますはお皿のお化粧の様にほんのりと色どりとして添えられるもの。赤と白のおめでたい色が祝い皿を飾ってくれます。
まだやれる重箱並べ腕まくり       畠沢ヤエ子
 【評】お正月のお重(かさ)ね作りは主婦の腕の見せどころ。キリリと腕まくりして挑戦する場面がみえる様です。「まだやれる]の心意気に脱帽です。
乾杯のグラスも曇る長話         澤田  亮
 【評】祝辞の長いのには閉口。せっかくの内容も喜びが伝わって来ないがもう少し辛抱しようか。
祝い事先ず一献と笑顔から        能登谷清恵
 【評】喜びが伝わって来る明るい気分の句。結句に大きな意味がある。

2019年12月

分けるほど喜び大になる不思議      沢田 欣之
 【評】全体から温かさとやさしさが伝わって来る。気負いのない表現に一票を投じました。
あくびする声が聞こえる衣装箱      能登谷清恵
 【評】衣服にとっては、着てもらうのが喜びかな。一番底に畳まれている服に、日の目を見させて。「あくびする声」が絶妙。
刺されても鈍感力で生き残る       御所野ユウ子
 【評】前向きな作品。「鈍感力」が効果的で心地よい。くよくよしないことが一番かも。
この歳で苦しい時は母(おや)恋し    石田えい子
 【評】屈託のない表現。「この歳で」の表現に感極まった姿が見える。母はいつもありがたし、そして強し。心ではいつでも甘えられるのが母親ではないでしょうか。
悲しかな入らぬ服の馬肥えて       三上タツ子
 【評】馬肥える秋が終わったこの時季、主婦の間でよく聞かれる嘆き。フィットネスが近頃ブームのようです。
鰰(ハタハタ)が跳んで来そうな五能線  渡邊 藍子
 【評】水森かおりの「五能線」四番の歌詞にしてもいい句です。波しぶきに乗って跳んでくる鰰が見えるよう、リズムがいいですね。

2019年11月

金欠も遊んだ日々も色褪(あ)せず    伴  朝子
 【評】誰も皆、昔は金欠病だった。あの苦しみも、耐えて遊んだ毎日も、鮮やかに思い出せる。この先も耐えていける!
消息は蜜柑(みかん)林檎(りんご)の贈り合い   佐藤 雪松
 【評】いつものように、今頃になると必ず届く。形式的な年賀より、ずしりと重い真心と人情。お互いの「元気」を食べて。
それぞれの道一筋に文化の日       成田 純一
 【評】十一月は文化の日と勤労感謝の日。受章された方もそうでない方もこの一年頑張った自分をまず誉めよう。そして一年の労に感謝しよう。
指定日にまだ使えそう昭和の目      片岡登代子
 【評】現代の物余りの一面を表わし巧み。「昭和の目」が効果的であり、主婦の目にも共感。
秋晴れの陽に誘われて靴をはく      作山 キヌ
 【評】秋はスッキリ晴れる日は少ない。天高く晴れた日は貴重な一時(ひととき)。靴の紐(ひも)をきちんとしめて出かけましょう。陽に誘われて歩幅を大きく高揚する心がみえるようです。
路地裏で群れて夢中で缶を蹴る      梅村 房子
 【評】蹴った缶が風に乗って自分の足元に戻ってくる事もあります。泣いて蹴れば缶も泣き顔でもどって来る。心象が共有されるのでしょうか。

2019年10月

知恵湧いて捨てるもの無し古着たち     成田 キヨ
【評】「古着たち」と表現し、愛着があるのでしょう。見方を変えたり工夫したり。まだまだ着られる。
空財布展げたままの経済論 梅村 房子
 【評】買う欲も金も無いが庶民には、生活が楽であればいい。キャッシュカードで膨れる財布。愚痴は止まない。
泣くもんか我慢している男の子       小林 義克
 【評】男の子は泣いてはいけない。これは大人が勝手に決めたこと。悲しい時、泣きたい時の感情表現は尊いものです。抑圧された感情が爆発した時が一番怖いもの。泣きたい時は素直に泣きましょう。
度忘れも友が繋いで会話なる        児玉 ユキヱ
 【評】加齢と共にだれにでも出て来る度忘れ。やさしい言葉で助言してくれる友に感謝。穏やかな場面が展開されてよかったですね。
誤解され開けてみせたい胸の内       山内 トミヱ
 【評】開けて見せることが出来たらストレス発散になるのだが本音を云えない苦しい胸の内、これでいいのかも。
シャッターを開けて追い出す閑古鳥     早川 恵美子
 【評】表現のおもしろさ、閑古鳥が効く。前向きに生きる作者の朝をうまく描写している。

2019年 9月

価値観も感情も無しキャッシュレス    鎌田 邦子
 【評】買うまでは気持ちも損得も旺盛だったのに。支払いは無表情のカード社会。潔い詠み方。
片付けは捨てるに限るだが未練      千葉 恭子
 【評】どっかりと座ってしまえばだめ、思い出に浸ればだめ。立ったまま、時間のない時にやるべし。川柳の神髄小気味よさが光る句。
風呂敷を広げて旨い話きく        三浦津彌子
 【評】「風呂敷を広げて」着眼のいいユニークな句である。気負いのない表現に楽しさが伝わる。
朗らかに生きて世間を広くする      沢田 欣之
 【評】屈託のない表現が心地よい。作者の生きざまがよく表れている。全体から心の広さが伝わる。
「寿」の一文字で去る愛娘        三浦 紀子
 【評】「寿」とはおめでたいはず。でも手しおにかけた娘が去ってゆく親の心情は淋しさ悲しさで大きくゆれ動く。でも、涙は秘めておめでとうと言いましょう。
年重ね広がる皺にドラマあり       高谷 勝子
 【評】九十歳一〇〇歳の人の皺は勲章という表現もありますね。長い長い人生ドラマがつまっている一本一本の皺。感無量の一句だと思います。
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