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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2018年 11月

NEW
気がつけば指はすっかり節くれて     上杉 洋子
 【評】一生懸命働いた指でしょう。指の節くれも曲がりも勲章だと思えれば自慢出来ますよ。
仏膳の娘(こ)のお椀手に侘びの母    石澤 倫子
 【評】親を置いて旅立った娘さんへの想いは何年すぎても忘れることはないでしょう。でも侘びる事より供養の念を持ち続ける方が残された人の心情も安らぐと思います。
少子化を撥(は)ね除(の)け子らの大合唱 佐藤 雪松
 【評】学習発表会での合唱は、参観者がびっくりするほどの大声。地域を元気づける挨拶も。大人も応えなければ。
ザラついた亡母(はは)の手指が好きだった 伴  朝子
 【評】頼りになる母の手、温かい心が伝わってきた。今も残っているような気がする感触。
真っ直ぐに伸びた背筋に隙がない     櫻庭 と美
 【評】九十歳を過ぎて姿勢の良い方ってすばらしい。健康そのものである。病気も避けて通ります。
家発つ日指輪はずしてくれた亡母     石田えい子
 【評】今となっては大切な形見の品。お母さんとの思い出をいつまでも。何を伝えたか

2018年 10月

歩きぞめ孫の一歩に拍手わく   小林  廣
 【評】力強く地を初めて歩くお孫さんは宇宙に一歩ふみ出したよう。家族の皆さんの拍手が聞こえそうです。
生かされた一日無駄に捨てられぬ  櫻庭 と美
 【評】今日も無事ですごす事が出来た。生かされている事に感謝し何も残らなかった日にならない様に前向きに生きましょう。
花の咲く道を探して万歩計   早川恵美子
 【評】老後の楽しみを求めて日々努力する姿が見える。決して諦めない。一日一万歩でも。
めんこいなぁ花嫁ママともう決めた   伴  朝子
 【評】よくある話ですが「もう決めた」の表現がいかにもめんこい。涙が出ます。
孫帰り眉間(みけん)のしわが伸びている  伊藤みつ子
 【評】あれほど待っていた孫達が、やっと帰ってくれた。疲れの見える顔を篤(とく)と見てみる。
バーゲンを漁(あさ)り歩いて無駄を買い 渡邊 藍子
 【評】人生に無駄など無いと偉い人は言うが、明らかに今回は無駄だった。「漁り歩く」が力強い。

2018年 9月

読みかけも手つかずもあり秋を待つ    石田えい子
 【評】涼しくなったらすべて片を付けよう、猛暑酷暑にやる気も起きない。秋には秋の風が吹く。
就活へ孫も燃えてる百日紅        佐藤 雪松
 【評】赤く燃えているサルスベリが、まるで孫の意気込みにも見える。私も倣(なら)って終(・)活といこう。
昭和史を書けば鉛筆泣けてくる      児玉ユキヱ
 【評】私にとっても故郷の様な昭和。次第に遠く去ってゆく歴史を綴っていれば鉛筆も走りが悪くなる。きっと心の涙が鉛筆に宿るのかも知れませんね。
いい仲間時々苦言投げてくれ       岩谷 隆史
 【評】いつも心地よいことばだけでは疎ましく感じる事もありますね。時に意に反した一言で仲間意識がめばえる事も。
ゴミ袋さげてパジャマに見送られ     北条  武
 【評】幸せな奥様とそれ以上に幸せな旦那様。今日もお仕事頑張ってネ。
哀しみの記憶残して猛暑行く       上杉 洋子
 【評】沖縄から北海道まで人の心を踏みにじった台風や猛暑、やりきれない日々でした。忘れてはいけませんね、何もかも。

2018年 8月

耳鳴りも木蔭の蝉と楽しまん  石田えい子
【評】耳の奥でじいんと音がする。もう治らないのなら、蝉の声と思って楽しめと言い聞かす。今日は蜩(ひぐらし)だ。
夏祭り果てて金魚の所在無げ  成田 純一
【評】俺たちこの後(あと)どこへ行くんだと言う声が聞こえて来そう。夜店の人もどこかへ行って居ない。
睡蓮の咲く水面にモネがいる  渡邊 藍子
【評】視力が落ちてゆくモネが全身全霊で描いたのがこの睡蓮だと聞いてます。吸いこまれる様なモネの力を感じます。
老いの道妻と競って物忘れ  佐藤 義征
【評】仲むつまじい御夫婦だと思います。お互いに何を忘れたか必ず会話が生まれます。「競って」の表現が面白いですね。
思いでを袂に秘めて宵まつり  早川恵美子
【評】何時になっても思い出は尽きぬ宵まつり。「袂に秘めて」が物語っている。
堂々と熊のニュースの指定席  片岡登代子
【評】毎日のように紙面をにぎわす熊の出没。指定席にはなってほしくないよネ。「堂々と」が

2018年 7月

雑草に生きる強さを教えられ  小田島 清
【評】雑草にも名前があると必死に主張する草。無造作に踏まれてもそれでも自分を主張し生きて来る。雑草には人間の英知を結集しても叶わない。学ばねば。
歳ととも暑さの程度少しずれ  佐藤 義征
【評】暑さ寒さに鈍感になっているのかも知れない。老いと共にそれが少しずれていると表現した方が洒落ているかも。
夏バテも猛暑もうれしダイエット  成田 純一
【評】この元気本当にうらやましい。少し欲しいなぁ。
思い出を写真に残し今日廃車  畠沢ヤエ子
【評】未だ少し早いような気もするが安全第一。思い切りがいいですネ。「写真に残し」が効く。
金平糖ツンツン尖る孫に似る  児玉ユキヱ
【評】ツンツンの表現が孫の態度と飴の形に共通してピッタリ。カリカリはますます良くない。
暑い日は青菜に塩の老いたる身  山内トミヱ
【評】力なく萎(しお)れる姿が見えて来ます。一番暑さに強いのは老人のはず。物理的には、医学的には。猛暑、酷暑、まだまだ続く。
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