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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2019年 7月

NEW
旬のもの絵手紙そえておすそ分け     虻川志津子
 【評】昔はおとなりさん同士でめずらしいもの、美味しいものは小分けして味わったものでした。絵手紙をそえてくれた事で、山のものか畑の新どりのものかわかりませんが、一ランクお味があがったと思います。ごちそう様でした。
いいじゃないあやめと菖蒲ちがっても   斎藤いく子
 【評】色や花弁が少しちがうだけのことであまり気にしないで美しいものは鑑賞しましょう。花の嫌いな人はいないと思います。学問的説明はこの際は御法度にしてね…。
井戸端の口は災い貝になり        安部カネコ
 【評】女性に限らず、井戸端はどこにもあって、つい口がすべりがち。少しだけ開けてあとは聞いていようか。
父の日の花がカンフル宅配便       佐藤 雪松
 【評】娘から花が届いて、萎んでいた心がぱあ~っと明るくなった。カンフル剤になってくれた。
手土産の包みきょろきょろ孫二人     高谷 勝子
 【評】温かさが伝わって来る。待ち遠しい子供の姿が浮かぶ。そしてユーモア感も。
休肝日夫は無口で茶を啜る        鎌田 邦子
 【評】屈託のない表現。「無口で」が効果的。テンポよく表現されているところもよい。

2019年 6月

まだまだと我が身引っ張り八十路坂    太田 順吉
 【評】自分で自分を引っ張り、時には引きずって行く高齢社会。これからまだまだ(・・・・)です。
連休を持て余してる蟻の性        早川恵美子
 【評】仕事したくてうずうずしている、蟻の気持だった人は、多かったと思います。さあ仕事、待ってました、となれるのかな。
初仕事今日は祝の酒が出た        小林 義克
 【評】お互いに人間尊重の心、下五に託された微妙な男ごころ、捨て難い味がある。
定年のない農道に丸い背な        片岡登代子
 【評】情景が絵のように浮かぶ。現代の米農家の一面を表し巧み。味わい深い一首
草笛を吹いて手に載せ里想う       石澤 倫子
 【評】今では草笛を作る子も吹く子もいなくなった。幼少の頃を想い出し作ってみたがその頃の音は出ない。でも故郷(ふるさと)は変らない事を願うのみ。郷愁を誘う一句。
軽さにも重さにもなる言葉かな      沢田 欣之
 【評】言葉とは魔物の様なものですね。一言で癒される場面とそれ以上に心が痛められる場面の両面を持っていると思います。日常的な会話にも相手方の心情を察した言葉でつながりたいですね。

2019年 5月

亡き夫(つま)の好きな軸掛け喫コーヒー 佐藤 節子
 【評】先に旅立たれた御主人との空間を素敵に設定され、ゆったりと安らぐひと時。コーヒーを戴きながら何を語り合っているのでしょう。時間よ、止まれ。といいたくなる一場面ですね。
老いの日々伸代(のびしろ)探す楽しみも 上杉 洋子
 【評】老いると何をするにも億劫になりがち。まだまだ充分に伸び代がある事を信じましょう。足し算で生きること。引き算はマイナス思考に傾きます。発見する楽しみ、喜び、共感します。
鋏(はさみ)など入れない好きに伸びなさい 御所野ユウ子
 【評】盆栽とは違い、人の心に鋏も忠告も入(い)れない。思う通りにやりなさい。しっかり伸びるのよ。簡潔で凛とした句。
春愁に振り回されて無駄を買う      石田えい子
 【評】抑えられていた心が弾んで、春の色を買ってしまった。まだ着れる服があったのに……。「無駄を買う」やるせなさが絶妙。
水入らず夫婦(ふたり)でめぐる地図の旅 三浦津彌子
 【評】計画は綿密に。旅先での思いに浸っている至福の一時、実感句。夫婦の和を見る。
旅をして帰る我家に癒される       佐藤美智子
 【評】旅から帰ってみればやはり我が家が一番、足腰伸ばして……味わい深い実感句。

2019年 4月

改まる年へ踏み出す歩の響き       岩谷 隆史
 【評】「歩の響き」の表現がとても印象的でテンポよく表現しているところがよい。新年への期待が感じられる。
釘一本打ち込み違うプロの音       小林 義克
 【評】釘を打つ音は生きる命の音の様にひびきます。一本一本に魂をこめて打ち続ける職人さんの向こうには完成された立派な家がみえてる事でしょう。
老いてなお夢を語って紙風船       能登谷清恵
 【評】皆何歳になっても夢を持ち続ける事。それが老いる事へのスイッチをゆるめてくれる。余生を紙風船に託して何事も前むきに。
金婚へ結び直して空の旅         澤田  亮
 【評】赤い糸をしっかり結び直してのフルムーン。「中七の気持ち」その描写が巧み。至福の思いが伝わる。
嘆くまい雪の中から福寿草        伴  朝子
 【評】雪どけをじっと待ち、再三の降雪にも耐える福寿草に学べと謳う。「嘆くまい」が力強い。
始まりは受精の卵一ミクロン       沢田 欣之
 【評】生命の神秘もさることながらその前に、偶然・必然の出会いがある。会って合わさって増える不思議。考えさせる句。

2019年 3月

長生きは痛みに耐える我慢会       成田 純一
 【評】長生きすればする程心身の痛みが増えて来るのは掟かも知れません。でもそれに耐えられる技をもつこと。我慢会とは毅然とした表現ですね。
初孫にひと目ひと目と未来編む      片岡登代子
 【評】初孫は可愛いでしょう。何を編んでるのでしょうか?大きな夢を重ねて未来を描くひと目ひと目に愛情が溢れる様子が優しく表現されてます。
残り物知恵を絞って新メニュー      早川恵美子
 【評】中七の措辞がよく、たくみな文章になっている。「残り物」の妙。
制服がぴたりと馴染む二年生       山内トミヱ
 【評】状況を把握し簡素にまとめ情趣に富んだ作品。一年間でこんなにも成長する「ぴたり」が妙。
楽しみな仕事があって生きられる     小林 義克
 【評】福沢諭吉訓にも、一生の仕事や生きがいを持てと薦めています。改めたり始めたりするのに遅すぎることは無い。探そうかな仕事。
恙無い朝の食卓目玉焼き         児玉ユキヱ
 【評】穏かにいつものように、目玉焼きや落とし玉子で終える朝食、心と体の健康を喜ぶ句でいいですね。
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