本文へ移動

北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2019年 9月

NEW
価値観も感情も無しキャッシュレス    鎌田 邦子
 【評】買うまでは気持ちも損得も旺盛だったのに。支払いは無表情のカード社会。潔い詠み方。
片付けは捨てるに限るだが未練      千葉 恭子
 【評】どっかりと座ってしまえばだめ、思い出に浸ればだめ。立ったまま、時間のない時にやるべし。川柳の神髄小気味よさが光る句。
風呂敷を広げて旨い話きく        三浦津彌子
 【評】「風呂敷を広げて」着眼のいいユニークな句である。気負いのない表現に楽しさが伝わる。
朗らかに生きて世間を広くする      沢田 欣之
 【評】屈託のない表現が心地よい。作者の生きざまがよく表れている。全体から心の広さが伝わる。
「寿」の一文字で去る愛娘        三浦 紀子
 【評】「寿」とはおめでたいはず。でも手しおにかけた娘が去ってゆく親の心情は淋しさ悲しさで大きくゆれ動く。でも、涙は秘めておめでとうと言いましょう。
年重ね広がる皺にドラマあり       高谷 勝子
 【評】九十歳一〇〇歳の人の皺は勲章という表現もありますね。長い長い人生ドラマがつまっている一本一本の皺。感無量の一句だと思います。

2019年 8月

部活の子ペットボトルを回し飲み     早川恵美子
 【評】今年の夏を代表するような一句。微笑ましいひとこまをとらえた表現。「回し飲み」が巧み。
曇らない様にメガネは拭いておく    御所野ユウ子
 【評】転ばぬ先の杖、いざという時はすぐ使える準備の良さ、前向きな作品。「曇らない様に」が効果的。
終幕が近い映画の昭和篇         成田 純一
 【評】映画も、ビデオ、スマホと各自好きな時間、好きな場所で見られる様になった。次第にセピア色になり遠くなってゆく昭和の映画に一抹の哀愁を覚える一句。
カタカナが溢れ難解超高齢        櫻庭  尚
 【評】カタカナに仮名をつけなければ理解出来なくなった当世。日本語で書く、話す、当たり前の事が現実では少なくなった事に淋しさを感じる。美しい日本語をもっと大切にしましょう。
大相撲運も味方の徳俵(とくだわら)   佐藤 義征
 【評】絶体絶命のピンチから逃れる幸いを運と言い、どこの世界にもある。実力の一つと見做(みな)そう!徳俵の名もいいね。
デートとはお茶と映画のあの時代     石田えい子
 【評】純喫茶で粘った思い出、映画のタイトルも内容も憶えてないこと、男が全部支払う時代だった気がする。

2019年 7月

旬のもの絵手紙そえておすそ分け     虻川志津子
 【評】昔はおとなりさん同士でめずらしいもの、美味しいものは小分けして味わったものでした。絵手紙をそえてくれた事で、山のものか畑の新どりのものかわかりませんが、一ランクお味があがったと思います。ごちそう様でした。
いいじゃないあやめと菖蒲ちがっても   斎藤いく子
 【評】色や花弁が少しちがうだけのことであまり気にしないで美しいものは鑑賞しましょう。花の嫌いな人はいないと思います。学問的説明はこの際は御法度にしてね…。
井戸端の口は災い貝になり        安部カネコ
 【評】女性に限らず、井戸端はどこにもあって、つい口がすべりがち。少しだけ開けてあとは聞いていようか。
父の日の花がカンフル宅配便       佐藤 雪松
 【評】娘から花が届いて、萎んでいた心がぱあ~っと明るくなった。カンフル剤になってくれた。
手土産の包みきょろきょろ孫二人     高谷 勝子
 【評】温かさが伝わって来る。待ち遠しい子供の姿が浮かぶ。そしてユーモア感も。
休肝日夫は無口で茶を啜る        鎌田 邦子
 【評】屈託のない表現。「無口で」が効果的。テンポよく表現されているところもよい。

2019年 6月

まだまだと我が身引っ張り八十路坂    太田 順吉
 【評】自分で自分を引っ張り、時には引きずって行く高齢社会。これからまだまだ(・・・・)です。
連休を持て余してる蟻の性        早川恵美子
 【評】仕事したくてうずうずしている、蟻の気持だった人は、多かったと思います。さあ仕事、待ってました、となれるのかな。
初仕事今日は祝の酒が出た        小林 義克
 【評】お互いに人間尊重の心、下五に託された微妙な男ごころ、捨て難い味がある。
定年のない農道に丸い背な        片岡登代子
 【評】情景が絵のように浮かぶ。現代の米農家の一面を表し巧み。味わい深い一首
草笛を吹いて手に載せ里想う       石澤 倫子
 【評】今では草笛を作る子も吹く子もいなくなった。幼少の頃を想い出し作ってみたがその頃の音は出ない。でも故郷(ふるさと)は変らない事を願うのみ。郷愁を誘う一句。
軽さにも重さにもなる言葉かな      沢田 欣之
 【評】言葉とは魔物の様なものですね。一言で癒される場面とそれ以上に心が痛められる場面の両面を持っていると思います。日常的な会話にも相手方の心情を察した言葉でつながりたいですね。

2019年 5月

亡き夫(つま)の好きな軸掛け喫コーヒー 佐藤 節子
 【評】先に旅立たれた御主人との空間を素敵に設定され、ゆったりと安らぐひと時。コーヒーを戴きながら何を語り合っているのでしょう。時間よ、止まれ。といいたくなる一場面ですね。
老いの日々伸代(のびしろ)探す楽しみも 上杉 洋子
 【評】老いると何をするにも億劫になりがち。まだまだ充分に伸び代がある事を信じましょう。足し算で生きること。引き算はマイナス思考に傾きます。発見する楽しみ、喜び、共感します。
鋏(はさみ)など入れない好きに伸びなさい 御所野ユウ子
 【評】盆栽とは違い、人の心に鋏も忠告も入(い)れない。思う通りにやりなさい。しっかり伸びるのよ。簡潔で凛とした句。
春愁に振り回されて無駄を買う      石田えい子
 【評】抑えられていた心が弾んで、春の色を買ってしまった。まだ着れる服があったのに……。「無駄を買う」やるせなさが絶妙。
水入らず夫婦(ふたり)でめぐる地図の旅 三浦津彌子
 【評】計画は綿密に。旅先での思いに浸っている至福の一時、実感句。夫婦の和を見る。
旅をして帰る我家に癒される       佐藤美智子
 【評】旅から帰ってみればやはり我が家が一番、足腰伸ばして……味わい深い実感句。
印刷に関するご案内
ご案内
広告に関するお問い合わせ
お問い合わせ
購読のお申し込み
購読お申し込み
掲載写真のご購入
ご購入お申し込み
後援のお申し込み
資料請求
記事・写真等2次使用について
資料請求
株式会社 北鹿新聞社

〒017-0895
秋田県大館市字長倉79
TEL.0186-49-1255(総務課)
FAX.0186-43-3065(総務課)
 
*日刊新聞発行および一般印刷*
TOPへ戻る