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北鹿川柳

川柳でユーモアのある街づくり
「川柳わらべの会」の協力を得て、平成7年にスタートした北鹿新聞社主催事業。管内5カ所に投句箱を設置し、広く読者の作品を募集しており、寄せられた作品の一部を毎月15日付の紙面で紹介しています。その中で月間賞に輝いた秀句を掲載します。

2022年1月

NEW
トゲ抜きを使ってほしいあの言葉  吉田じゅん一
【評】何げなく聞いた一言でも心に刺さったトゲはルーペでもみえません。ほしいのは抜いてくれることばです。温かいやさしい一言がほしいですね。
少しだけ残した余白夢を書く     伊東 誠子
【評】白い画布でしょうか? 少しだけならば大きな夢は書けなくても自分だけの夢を楽しく描いてみましょう。余生が明るくみえて来ますよ。
ゆずり葉と松あしらいて梅が咲く   石澤 倫子
【評】いかにも正月らしい雰囲気のただよう句、温かさが伝わって来る一月にふさわしい一句。
はみ出した画布の向こうに孫の夢  御所野ユウ子
【評】小学生しかも低学年の孫さんでしょうか、新年に夢いっぱいの願い、見えるようです。今年にかける子供の姿が浮かぶ。
音もなく雪は静かに本音だす     能登谷清恵
【評】音もなく雪は降る。ボイラーの音だけが応えるも、雪の本音は朝になってわかる。本音とは、特にことしはぴったりの表現。
夢を買うつもりだったが欲を買う   庄司ふさお
【評】初(うぶ)だった最初の頃は、夢を語っていたものの、気づけば余裕もなくなっていて…。人情と割り切りますか。

2021年12月

老い二人一+(たす)一は二にならず   上杉 洋子
 【評】二人で一人前と言ったりする語い不足、度忘れ。すっきりせず子どもらに電話したり。知恵は三にもなったりしますが。
嫌いとは言うまい次に春が来る      伊藤久美子
 【評】冬を疎(うと)み嫌うのは無理もなく、沖縄は二十五度もあるなどと羨む日が続く。二か月我慢せよと、伊藤さんは言う。
恩師より立派なひげの叱った子      成田 純一
 【評】同期会などに招かれるとよくある場面。あの子がと思うと嬉しくなります。
返せとは口に出さない親の恩       三浦 紀子
 【評】親子でも借りた物は返すのが礼儀ですが子を想う親心は何物にも代えがたいもの。すがすがしい一句。
朽ち果てた心に添える杖ほしい      三上タツ子
 【評】晩秋の句と想えば淋しさが漂う一句。心を支える杖とは人との触れ合いから生まれるもの。温もり、優しさ、語らいの場を作る。杖は自分でみつけましょう。
ど忘れか認知初期かと風さわぐ      児玉ユキヱ
 【評】だれでも老化と共に忍びよる、もの忘れからはのがれる事は出来ない現実。風がざわついても無視。笑いで前向きにすすみましょう。一つの通過点と思うこと。

2021年11月

喋らなくなった帽子といるひとり     片岡登代子
 【評】亡くなられた人を思う時こんな気持ちにもなります。帽子に何を語ったのでしょう。切ないひと時。
メモを見て慣れぬ買い物まだ一つ     石田きょう
 【評】男性なら一度や二度は経験済み、最後の一品がどこにあるのかわからない。「下五のまだ一つ」に必死な姿が浮かぶ。前向きな姿に共感、ユーモア感も。
具材みな主役になれるオデン鍋      伊東 誠子
 【評】冬の鍋は圧巻、主役はいない方がいい。皆同志でグズグズお喋りしながら美味しさを作る具材に期待。
化粧のり良くてこころも満たされる    能登谷清恵
 【評】女性が自分を装う事に無関心になれば生きる喜びもなくなります。朝鏡に向い繕う一時(ひととき)は女性にあたえられた特権。のりのいい日は満たされた心で出かけましょう。いい日であります様に。
活けられて風を忘れた花芒(すすき)   渡邊 藍子
 【評】枯れたススキが似合うのは、風に揺れる野原の群生。なのに活け花、風あってのススキですよね。うまい句です。
寝ころがり落ち葉の中に幼き日      今村ゆう子
 【評】厚く敷かれた落葉なら、つい寝転びたくなります。下校の途中で、遊んだ日々、遥か遠い昔をうまくまとめました。

2021年10月

総入れ歯酸(す)いも甘いも噛み分ける  庄司ふさお
 【評】自前の歯は無いが、経験豊かで何でも噛み分ける高齢者、いわゆる古老に私もなりたい。本当の味と入れ歯は別の問題。
待ち合わせマスクが待てばマスク来る   成田 純一
 【評】マスクなしの日本はどこにもありません。眉と目だけの顔が溢れ、一億何人すべて美男美女です。この句のユーモア一級品です。
子育てに甘味異(こと)なる父と母    鳥潟  洵
 【評】子育てには濃淡多様な甘さが交差すると思いますが辛みを入れるタイミングもお忘れなく。「甘味異(こと)なる」が両親の愛情を細かく分析しているのでは。
美しきこの月何みでなぜ曇る       梅村 房子
 【評】澄んだ秋の夜の月は多様な幻想を生んでくれる。時にこの瞬間を消す雲を恨んだり嫉妬さえ感じることもある。「なぜ曇る」はやるせない感情の表れかも。
スナップにマスク顔だけ写ってる    御所野ユウ子
 【評】社会をチクリ、情景が絵のように浮かび表現も巧み。出来た写真を見て思わず出た本音。
音のない祭りも過ぎて夏終わる      石田えい子
 【評】「音のない祭り」いかにも寂しげでしかも夏が終わるで感極まった姿が見える。残念のひと言。

2021年9月

振り上げた父の拳にある涙        児玉ユキヱ
 【評】拳を振り上げてはみたものの下ろすに下ろせずただ涙、きっと子も涙、味わい深い句。
主婦ですが休暇下さい三日だけ      齋藤 優子
 【評】下五の「三日だけ」にこの句の良さのすべてが詰まっている。気負いのない表現の一句に一票。
むなしいが赤を身につけ空(カラ)元気  斎藤いく子
 【評】赤い色で装う事に年齢はありません。「むなしい」などマイナスの表現ではなく「空(カラ)」をぬいて元気に闊歩しましょう。
バス停で行きも帰りも一人待つ      小林 義克
 【評】車社会の前はどこのバス停も並んで待ってた時がありました。行きも帰りも一人という表現に寂しささえ感じます。
コロナ禍に翼が欲しい遠い子へ      伊多波サヨ
 【評】コロナの禍(わざわい)が、あらゆる事を制約する。すぐにでも子の元へ飛んで行きたいのに。県境を越えない自粛、まだまだ続く。
コロナ禍で両手上げてる招き猫      渡邊 藍子
 【評】時短と言わず、お客さんもっと来てよなのか、お手上げ万歳の両手なのか。おもしろいユーモア、川柳の真髄。
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