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運動療法―何をすればいいの―

工藤整形外科医院
院長  工藤透


 明日11月25日午後2時から大館市立中央公民館で「地域の医療を考える集い」が開催されます。今回のテーマは、「糖尿病の治療」~怖い合併症とその予防です。講師と演題は、大館市立総合病院から「糖尿病その最新の治療」、小林眼科から「糖尿病による眼の合併症」、森田泌尿器科から「糖尿病と慢性腎不全」そして私が「運動療法~何をすればいいの~」についてです。食の欧米化、日常生活での身体活動の減少(運動不足)などから増えつつある糖尿病について、その合併症や治療法、予防について分かりやすくお話ししたいと考えております。現在糖尿病の人は上手い付き合い方、罹っていない人は糖尿病にならないように役立てていただきたいと思いますので、是非足を運んでみてください。
 糖尿病がどんな病気かを簡単に説明します。病気の主役はブドウ糖とインスリンです。ブドウ糖はごはんやパンなど炭水化物などを摂ると得られる、心臓や肺、筋肉などを動かすエネルギー源です。インスリンは血液中に増えたブドウ糖を内臓や筋肉に取り込まれ易くし血糖値を下げすいる働きを持つ膵臓で作られる物質(ホルモン)です。糖尿病は、このインスリンが膵臓の病気で産生されない場合、あるいは作られてはいるが量が不十分であったりその作用が悪い場合に内臓や筋肉内にブドウ糖が取り込まれず、血液中のブドウ糖(血糖)が多い状態(高血糖)が持続することにより血管が障害を受け、眼の病気や腎臓の病気、さらには心筋梗塞や脳梗塞などが引き起こされる病気です。その治療法等については当日専門の先生から詳しいお話がありますので楽しみにしていてください。
 ここでは、私の担当であります運動療法~何をすればいいの~について少しお話しします。糖尿病の治療というと薬による治療を思い浮かべると思いますが、運動療法は食事療法とともに重要な治療と言われています。運動によりインスリンの働きが良くなり、エネルギー源としてのブドウ糖が筋肉などの臓器に取り込まれやすくなり、血液中のブドウ糖が減り高血糖が改善されるため、その障害を予防できるのです。適切な運動は薬の治療から脱却できる可能性も期待できます。
 では、実際にどんな運動をどれくらい行えばいいのかについてお話しします。一番いいのはウオーキング、歩くことです。いつでも、どこでも、ただ(無料)で出来ます。日本糖尿病学会では1回15~30分のウオーキングを1日2回行い、1日1万歩が目安とされています。また、最近テレビでも紹介されましたが、群馬県中之条町の十数年にわたる運動に関する研究成果が報告されました。それによると、65歳以上の全住民5000人を対象とした長期研究の中で、1日あたりの平均歩数が8000歩以上、そのうち早歩きなどの中強度の運動が20分以上含まれると糖尿病も含め様々な病気の予防に効果的であるということです。糖尿病予防には1日8000~1万歩が目標になると思います。歩ける人は頑張って歩きましょう。可能であれば歩数計をお持ちになられて日々の歩数を確認すると励みになると思います。身体活動計(歩数計)を持つだけで歩数が約2000歩増えるとも述べています。
 しかし、ここで問題になるのは腰や膝が痛くて歩けない人です。糖尿病だから〝歩きなさい〟と言われても腰、膝が痛くて歩けない人は、往々にして素晴らしい体格をしています。時折、〝歩きなさい〟と言われたけれど膝が痛くて歩けない、痩せたいが痩せられないのでどうしたら良いですか?と質問されます。どうしたら痩せますか?の質問は困ります。私自身の体型をみてもらえば痩せることがいかに大変であるかが一目瞭然、いかに難しいかが分かると思います。痩せようとは思わずに今より大きくならないようにしましょう。
 腰、膝が痛くて歩けない人にもできる運動、体操もあります。ロコモティブシンドローム、ご存じの方も多いと思いますが、足腰が弱くなって寝たきり、介護される予備軍です。これを予防する運動がスクワットと片足立ちです。歩かなくてもできる運動でこれもお勧めです。さらに立ったり座ったりするだけでも膝などに痛みのある人には、上肢を動かすダンベル体操などもあります。肩が痛い人はちょっと困りますが、いずれにしても、動かせる筋肉を動かしてインスリンの働きを良くすることが重要です。実際の運動についての詳細は明日の「地域の医療を考える集い」でお話ししますので少し期待してください。
 当日は皆さんの知っている先生方がお話しされますので、是非この機会をお見逃しなく。会場でお会いできることを楽しみにしています。
(大館市 平成29年11月24日掲載)

 

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