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「世界禁煙デー」に寄せて

たむら内科クリニック
院長 田村豊一


 来る5月31日は『世界禁煙デー』です。私は、過去にこの時期に何回か禁煙対策についてこの『お茶の間クリニック』に記事を投稿してきましたが、今回当院の禁煙外来での平成20年から28年までの過去9年間の禁煙治療の実態を集計出来ましたので、その成績を参考に述べさせて頂きます。
 図をご覧ください。平成20年、21年まではニコチン・ガムやニコチン・パッチによるニコチン置換療法が主体で、当院の禁煙成功率は40%前後でやや成功率が低かったのですが、平成22年から飲むクスリ・チャンピックス(以前紹介した)が発売されてからは画期的に成功率が高くなりました。平成22年にはこのコーナーで私が紹介したこともあり、また私が積極的に患者さんに禁煙治療を勧めたこともあって、この年は87名もの多くの治療者で禁煙成功率も68・9%と飛躍的にアップしました。その後は約40人程度に治療者が減少しましたが、その成功率は平均67%を維持しています。但し、女性の禁煙成功率は何故か(筋金入りの喫煙者か?単なる意志が弱いのか?または性ホルモンのせいか?詳細は不明ですが)50%以下と低いのが残念です。むしろ40本以上/日も吸うヘビー・スモーカーの男性の方が成功し易いです。
 この治療方法は、朝夕2回飲むクスリで、約3か月間継続して飲んで頂きます。2週から4週に一回受診し、一酸化炭素検査器で禁煙が成功しているか検査して約3か月間通院して終了です。費用は、保険適用(3割負担)でトータル2万円以下です。副作用はほとんどありませんがまれに胃腸障害や眠気がありますが、そのような人は胃腸薬の服用や運転時の眠気対策で大きな障害はありません。
 2016年の「全国たばこ喫煙者率調査」では男性が29・7%、女性が9・7%。男女計では19・3%で2割を切るまで減少してきています。それでも先進国の中で我が国の喫煙率は高く、来る2020年の東京オリンピックでは受動喫煙の影響もあって公的な施設は勿論、ホテルやレストラン、飲食店等の全面禁煙が問題になっています。喫煙者にとって肩身の狭い環境になってきそうです。
 以上のように禁煙はそんなに難しくないことが証明されています。まだ禁煙出来ずにお悩みの方、禁煙治療を行っている医療機関を訪れてチャレンジしてみては如何ですか?
(北秋田市 平成29年5月26日掲載)

 

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