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病児保育の現状と課題-マミースマイルの取り組み-

病児保育施設マミースマイル・耳鼻咽喉科
まきなえクリニック
院長 蒔苗公利


【第40回地域の医療を考える集い 大館北秋田の医師4人の講話から④
 
 例えばある日、突然お子様がお熱を出してインフルエンザと診断され、明日の事で心配されたような経験は、多くの親御さんがお持ちだと思います。通常の保育園では預かりは難しいでしょうし、お仕事も休めない。かといって面倒を見てくれるおじいちゃん、おばあちゃんも近くには住んでいない。このケースのように子どもが病気または病気回復期のため通常の集団保育ができない時、利用する保育サービスが病児病後児対応保育施設です。大館市にはこのような施設として病児保育施設と病後児保育施設があります。病児保育施設とは、症状の急変がないものの病気回復期ではないことから集団保育が難しいお子様を対象とするものです。当施設マミースマイルがこれにあたります。病後児保育施設とは、病気回復期であるものの集団保育が難しい児童を対象とするものです。こちらは大館乳児保育園病後児保育施設で行っております。

 以降は当方で行っております病児保育について述べたいと思います。当施設は平成26年5月7日に開設され、大館市の委託事業で行っています。病気のために通院通学が出来ない状態であり、仕事などの都合により家庭で保育看病が出来ない状態にあるお子様が対象になります。対象年齢は0歳から小学6年生の児童です。利用時間は月曜日から土曜日の午前7時から午後7時までであり、日曜祝日はお休みになっております。開設当初の1日定員は6名でしたが、現在は9名に増員しています。1日あたりの利用料金は、市町村民税課税世帯が1000円、市町村民税課税世帯(ひとり親世帯)、あるいは市町村民税非課税世帯(一般世帯)が500円、生活保護世帯、市町村民税非課税世帯(ひとり親世帯)が無料となっております。病児さんは、万が一急変という可能性もあるわけですが、マミースマイルは耳鼻咽喉科まきなえクリニックに併設しており、様態悪化の際にはクリニックでの対応もしております。さらにクリニックでも対応困難な状態悪化の際には、大館市立総合病院小児科部長丹代諭先生のご協力により、同科で対応していただけるようなバックアップ体制になっています。
利用の方法ですが、まずは出来るだけ事前の登録をお勧めしております。病気になっていないときに施設に来てもらい、これまでかかった病気やアレルギーなどの情報を登録していただきます。こうする事でいざ病気になった時のお預かりがスムーズになるからです。ただし、事前登録は必須ではありません。病気は突然来るものですから、事前登録がなくても、急な病気の場合のお預かりは可能です。さて、いざ病気になった場合です。この際にはまず当施設にお電話をしていただき、ご予約をお願いいたします。その後に何らかの医療機関を受診していただき、特定の様式の診断書を書いてもらって、それを持参してマミースマイルに来てもらうことになります。
利用していただいている人数は、開設当初は月あたりおよそ60―70名ほどでしたが、昨年度からは、およそ月100名前後です。利用していただいている病児さんの年齢分布は図1のとおりであり、1歳児が最も多く、0?2歳児で約3/4を占めます。

 お預かりした病気の種類については、図2と3をご覧ください。急性上気道炎(ほぼ風邪と同義語)、急性気管支炎、急性胃腸炎は年間を通してお預かりする機会が多い疾患です。
ヘルパンギーナ、インフルエンザなどのように季節的に増加する疾患もあります。昨年は手足口病が流行しましたので多かったです。利用していただいている皆様からは、仕事を休めないので助かる、お願いできる親族がいないので助かる、保育時間が長いので仕事に遅れず早退しなくてよい、料金が安い、保育中も診察を受けれるので助かる、などとお褒めの言葉をいただくこともありますが、兄弟利用だとお金がかかる、空きがなくて断られることが多いなどのお叱りの言葉をいただくこともしばしばです。特にお断り人数については今後の大きな課題であり、病後児保育施設との連携を強化するなどして、その数を減らして行くようにしたいと思っています。
働くお母さん達が、子供の病気の際にも安心して笑顔で働けるようになって欲しい。そう願い病児保育施設マミースマイルの命名をいたしました。もちろんお母さんの笑顔はお父さんの笑顔にもつながります。今後も病気という特殊な状況下での保育、その内容の一層の充実を図りながら、少しでも皆様のお役に立てるように努力して参りたいと思います。
(大館市 平成28年3月18日掲載)(このシリーズおわり)
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