毎週金曜日本紙掲載・協力:大館市北秋田郡医師会

禁煙希望者に朗報です
たむら内科クリニック 田村豊一

 去る11月9日付の朝日新聞朝刊の1面に、『禁煙治療に保険適用』というトップ記事が出ました。一方、10月18日付の秋田魁新報の夕刊には『喫煙は病気』という記事も掲載されました。ご覧になった方もいると思います。そうです。常習の喫煙者は、ニコチン依存症という立派な病気と位置づけられるようになりました。
 当院では、以前この欄でもご紹介したように呼吸器疾患を多く診療してきている関係上、開設(平成6年)から禁煙指導に力を入れてきました。
 当時、禁煙希望者にはニコチンの含んだガム(ニコレットという)を処方して、ニコチンの代替え方法で、禁煙をアシストしました。タバコを吸いたくなったらこのガムをかじって、まぎらすというものです。このガムは、保険適用されず、自由診療で行うというもので、1個130円程度ですので、1日6〜10個を噛むとして、1カ月で約3、4万円かかる計算です。それでも、この1回の禁煙挑戦で成功すれば、長年喫煙してきたことから考えれば、安いものです。しかし、当院で、ニコレット処方者28名の成功率を調べてみたところ約40%弱でした。それでも良い成績の方です。何回か、挑戦してやっと禁煙成功となる人もいます。それだけ金額もかさむことになります。現在、このガムは、ドラッグストアでも簡単に手に入りますが、当時は、医師の処方箋が無ければ手に入れることは出来ませんでした。
 数年前から、当院でニコチンの代替え方法として処方しているのは、ニコチンを含んだ張付薬(ニコチネルTTS)です。これは、ニコチンを含んだテープを胸に一日、一回張り付けておくものです。しかし、これも一枚400円程度で、禁煙成功に至るまでは、同様の金額が掛かります(このニコチネルTTSは今でも医師の処方箋が無ければ手にいれることは出来ません)。そのような訳で、禁煙を望んでもなかなか踏み切れない方もいたのではないでしょうか?
 ところが、今回、厚生労働省は、医師による禁煙指導を『治療』と位置づけ、公的医療保険の給付対象とする方針を固めたというのです。肺がんや心筋梗塞・脳卒中などの生活習慣病を引き起こすとされる喫煙を減らすことで、15年後の医療費約1800億円超が抑制できると試算されているようです。私にすれば、やっと国も気付いたかという感じですが、いずれにしても禁煙希望者の自己負担金が減るということは朗報です。来年4月からの実施を目指しているようです。禁煙を決意中の人、是非とも挑戦してみて下さい。来年まで待たずとも一日でも早く禁煙されることを望みますが…。(北秋田市)
〈協力・大館市北秋田郡医師会http://www.daihoku−med.jp/〉
 (平成17年11月25日掲載)

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