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| 中皮腫って何ですか? 上小阿仁国保診療所 森田真守 最近、アスベストが原因で肺癌や中皮腫で大勢の人が亡くなっていたという事実が公表され大きな社会問題となっています。特に新聞紙上『中皮腫』という言葉が使われ、これが多くの方の死亡の原因と発表されています。 私が医学部の学生だった15年前、医学部の講義でアスベストが悪性中皮腫の原因と教えられ、この事実については医療関係者や生産者、取扱業者、施設管理者などでは当然の周知の事実と思っていました。 ところが、かつての生産工場の従業員や周辺の人々の健康被害、さまざまな公共施設でもいまだにアスベストが撤去されず残っておりこのような大問題になってしまったことに驚きを感じています。 ところでこの聞き慣れない中皮腫って何でしょうか? 人間の体も最初は一つの卵(受精卵)です。この受精卵が分裂し、最終的に骨になったり肺や心臓、肝臓になったりと体のいろんな部分(臓器)になります。爪や皮膚、血液、神経といった組織も元々はこの一つの受精卵から造られます。 受精卵からいろんな臓器や組織になる前の段階で人間の体は外胚葉(後で脳や末梢神経、皮膚、爪などになる)、中胚葉(後に筋肉、心臓、血管や血液など)と内胚葉(最終的に肝臓や膵臓の実質や胃、腸の内張などになる)に分かれます。 この中胚葉由来の臓器に肺を包んでいる胸膜やお腹の臓器を包んでいる腹膜、心臓を包んでいる心膜などがあります。 これにできるものが中皮腫です。中皮腫には悪性と良性の二つがあって今回問題となっているのが肺にできる悪性中皮腫です。悪性中皮腫は肺癌と比べても勝るとも劣らない、たちの悪いできものです。手術が困難で周りの組織にもすぐに広がっていきます。 専門医でなければ診断が難しいことやアスベストを吸い込んでから悪性中皮腫が発生するまで何年、何十年と時間がかかることも理由の一つにあげられますが、既にアスベストが原因で悪性中皮腫が発生することは1960年代に解っていましたから、今更ながら対策が遅れたことは残念に思われます。 (上小阿仁村) 〈協力・大館市北秋田郡医師会http://www.daihoku−med.jp/〉 (平成17年10月28日掲載) |
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