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| 「あなたのウエストは大丈夫?」 〜メタボリックシンドロームとは〜 佐々木内科医院 佐々木隆幸 脂肪といえば、皮下脂肪が知られていますが、じつは腸や肝臓など内臓の周囲にもたまります。これは内臓脂肪といい、同じ脂肪でも性質や全身への影響が異なります。内臓脂肪が過度にたまると、おなかがぷっくりと出てきます。いわゆる中年太りです。 皮下脂肪型肥満は「洋なし型肥満」ともいわれ、お尻、太股、下腹部がふっくらとしていて若い女性に多いタイプ。内臓脂肪型肥満は「りんご型肥満」といわれ、ウエストが太いのが特徴で、中高年の男性や更年期以降の女性に多く、生活習慣病にかかりやすいのはこのタイプ。たとえ少量でも毎日の飲酒習慣が、脂肪の燃焼を妨げ、いわゆる「ビール腹」の原因になるともいわれます。ただ外見だけではわからないタイプもあり、このような「隠れ肥満」は、ダイエットを繰り返している人によく見られます。 昔から、肥満、耐糖能異常、高中性脂肪血症、高血圧がそろうと、「死の四重奏」といわれ、心筋梗塞などの冠動脈疾患を引き起こしやすいことが知られていました。日本のある調査では、軽症であっても、肥満・高血圧・高血糖・高中性脂肪または高コレステロール血症の危険因子を2つ持つ人は、全く持たない人に比べ、心臓病の発症リスクが10倍近くに、3〜4つ併せ持つ人はなんと31倍にもなることがわかりました。たとえ程度は軽くても複数の危険因子が重複していると、動脈硬化が加速度的に進むのです。 新しい日本の基準では、おへその高さで測ったウエストで男性は85p、女性は90pを超えると腹部肥満とします。CTで内臓脂肪の面積を測る方法よりも簡便で、内臓脂肪とよく相関します。この腹部肥満を必須条件として、血圧高値、血糖高値、脂質代謝異常〈高中性脂肪血症かつ/または低HDL(善玉)コレステロール血症〉の3つのうち2つ以上があるときに、メタボリックシンドロームと判定します。これからは健診でも体重の他にウエストを測るようになるでしょう。 ところで、なぜ内臓脂肪の蓄積が悪いのでしょうか? その答えの一つはアディポネクチンという物質にあると考えられています。これは脂肪細胞から分泌されるのですが、動脈硬化を防ぐ作用があります。同時に抗糖尿病作用も併せ持っていてメタボリックシンドロームのカギになると推測されています。からだの脂肪が増えるとともに分泌量が増えそうですが、実際には内臓脂肪が増えると分泌量が減ります。 血液中のアディポネクチンが少なくなると、糖を下げるホルモンであるインスリンの効果も低くなる(インスリン抵抗性)ため、より多くのインスリンを必要とするようになり、糖尿病、高血圧や動脈硬化につながります。これらが様々に影響しあって、心筋梗塞や狭心症になるリスクが高くなると考えられます。 では、どうすればいいのか。内臓脂肪を減らすことです。幸いアディポネクチンは内臓脂肪が減少すると増加します。しかも内臓脂肪は皮下脂肪に比べてつきやすいけれど減りやすいのです。「ベルトの穴一つゆるめれば寿命が1年縮む」という言葉からすれば、その逆も事実です。見た目の問題ではなく内臓脂肪型肥満は明らかな生活習慣病の危険因子なのです。 運動は筋肉の血流を増やしインスリン抵抗性も改善します。ストレス発散も含めればカロリーの消費だけでない効果も期待できます。「脂肪はストレスに対する心の防御でたまる」という心理学説もあるほどです。「週に4日は休肝日」「車を使わずに歩こう!」です。酒と脂と油(ガソリン)を減らし笑顔を増やして「生のシンフォニー」を奏でましょう!(大館市) 〈協力・大館市北秋田郡医師会http://www.daihoku−med.jp/〉 (平成17年9月2日掲載) |
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