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「がいらいこばなし〜その3〜」
佐々木内科医院 佐々木隆幸
60すぎて、高血圧・糖尿病・高脂血症とそろったTさん。コントロールは今ひとつ。
「入院したら心配だから新しい保険に入ろうと思って、そしたら飲んでる薬を教えてといわれたもので」「保険もいいけど、病気の治療をしっかりする方が大事ですよ。入院保険にいっぱい入ったからって、病気にならない訳じゃないけど、病気を防ぐ意味の『保健』は、やるだけ健康になるんですからね」「それって、新しいホケンですか?」
〈渡る世間は鬼ばかり?〉
「やっぱり血圧高いから、薬飲まないと」「でも、『血圧の薬は、一回飲んだら一生やめられないわよ』ってみんながいうから、飲みません」「そんな、麻薬じゃないんですから。タバコを吸っていてもそうは言わないのに」
〈どっちに転ぶか〉
「雪がとけたから、散歩しましょうね」「でも転べばだめだがら、そど歩ぐなって息子が言うんだ」「そうしたら、足腰が弱るでしょう」「だがらどんどんあるげって、みんなにいわれるばって」「転ぶひとのほとんどは、家の中なんですよ」「んだがらなるべく部屋からも出ねえようにしてるす」そうやって、みんな「箱入りおばあちゃん」になってゆくのかなあ。
〈それいけ!アンパンマン〉
ちょっとふとりぎみのFさん「あんまりたべないようにしてるんだけどねぇ」「ちなみに朝ご飯は?」「あさはパンだす」「パンはご飯よりカロリーが高めだからね。バターとかつけるしね」「うんにゃ、わしはバターもジャムもつけねえす」「へえ〜、じゃあどんなパン食べてるの?」「いっつもクリームパンかあんパンだすな」「あのねえ」「やっぱりだめだすか? へば今度から、食パンにハチミツぬって食べることにするす」
〈サプリメントの時代〉
「僕もそろそろいい年だから健康に気をつかうようにしてるんだ」「そう、どういうふうにだい?」「いまはサプリメントの時代だからね、不足するビタミンをしっかりとるようにしてる。ビタミンB、C、E、あとはコエンザイムQ10さ」友人はハンバーガーを食べ終えるとビールを飲みながらタバコをくゆらしてそう言った。
〈それは薬じゃないのかなあ〉
コレステロールが高いけど、「クスリは飲みたくないので、食事療法でがんばる」といって3年目のCさん、「なかなか下がりませんね」「やっぱり、クスリ飲んでみます」「そうしますか」「あのう、こんなのと一緒にのんでも良いんでしょうか?」そういって取り出したのは、各種ビタミン剤、サメのコラーゲン、漢方薬。そこには「いつまでも若くいたいあなたに」の文字が。ここぞとばかり「このクスリはあなたの血管を若く保ってくれますよ!」
〈ボクにあやまらないで〉
「Hさん、ずいぶん久しぶりですね。とっくに薬切れてるんじゃないですか? ほら、ずいぶん血圧も上がってるじゃない」「すいません、つい油断しちゃって。ごめんなさい、これからはマジメに通いますから」「ボクにあやまらないでくださいよ。良い悪いで言ってるんじゃないですよ。まず自分のからだにあやまらなくちゃ。大事にしてあげなくてゴメンナサイって」「はあ」「ここは『裁判所』でも『学校』でもないんですから」ボクの口癖です。
…といって寄席でもありませんけどね(笑)。 (大館市)
〈協力・大館市北秋田郡医師会http:www.daihoku−med.jp/〉
(平成17年7月15日掲載)
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