毎週金曜日本紙掲載・協力:大館市北秋田郡医師会

骨粗鬆症の骨折の予防

大館市立総合病院整形外科 藤沢洋一

 高齢人口の増加が社会的な問題になってかなりの年月が過ぎました。大館市の高齢化率は22%で数字の上では超高齢化社会になっています。高齢者が寝たきりになる原因の2番目に、骨粗鬆症に伴う骨折があげられたため(ちなみに1位は脳血管障害)、骨粗鬆症とその予防が国の健康政策の一つに大きく取り上げられました。私も大館市内の公民館を巡回して数年にわたり骨粗鬆症と予防についての話を致しました。
 高齢者が転んだ時に骨折しやすい部位が4カ所挙げられます。手首(撓骨遠異端)、腕の付け根(上腕骨頚部)、股の付け根(大腿骨頚部)、背骨(脊椎)です。なぜ骨が折れるのでしょうか? それは弱いからです。これらの部位はいずれも骨粗鬆症で弱くなりやすい海面骨が多い場所なのです。特に大腿骨と脊椎は骨折すると痛みのために歩けなくなり、うまく治療しないと寝たきりになる可能性があります。
 大腿骨頚部骨折の原因の9割は転倒によるものですので、転倒の予防が骨折の予防ということになります。それではどのような場合に転びやすいのでしょうか。転倒には住んでいる環境に原因がある場合と、個人の体の側に原因のある場合があげられます。
 転倒した時の状態を調べてみると、屋内で何かにつまずいて転ぶことが多いと分かっています。そのため住宅に手すりをつけたり、バリアフリーにしたり、足もとを明るくし、コード類などを片付けてつまずかないようにすること、などが住まいの環境対策としてあげられます。
 どんな人が転倒しやすいか調査した結果では、下肢の筋力が弱った人、バランスがうまくとれない人、肥った人、高齢の女性、歩行障害のある人、歩く速さが遅い人、体をうまく動かせない人、薬を沢山服用している人、などが挙げられています。このように転びやすい要因はいろいろありますが、その程度や原因は人によって千差万別と思われます。
 歩行障害ひとつをとってみても、単なる加齢による場合、あるいは脳梗塞の後遺症、パーキンソン病、変形性関節症、脊柱管狭窄症、痴呆によるものなどと多彩です。そのため転倒の予防対策をたてるのも容易ではありません。自分の身体にあった対策を考えるべきと思います。自力で歩ける人はウオーキングもいいでしょう。
 一般的には、体を支える下肢の力と、身体のバランスを保つことが大切ではないかと思います。筋力が弱っているからといって転倒しそうな高齢の人がウエートトレーニングをするわけにはいきません。自分の体重を利用しながら何かにつかまって片足立ちをしたり、椅子に座って床に置いたタオルを足指で手繰り寄せる運動などが、簡単にできて転倒の予防になるのではないかと思います。
      (大館市)
〈協力・大館市北秋田郡医師会〉

(平成17年7月8日掲載)

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