|
結核について2
北秋田市国民健康保険合川診療所 齋藤浩太郎
結核の予防として本邦ではBCG接種が行われております。諸外国の中ではBCG接種を行っていない国もありますが、乳幼児期において接種されたBCGは結核性髄膜炎や粟粒結核(全身結核)の予防としての効果が確認されております。特に、生後3カ月から6カ月の間に接種することが理想といわれております。
結核の診断の決め手となるのは結核菌の検出証明で、確診となるには原因としての結核菌を正確に検出することが大切ですが、実際の臨床の場においては決して容易に原因菌が検出されるわけではありません。結核菌の検出には、現在喀痰の塗沫、培養法に加え、核酸増幅法が用いられておりますが、100%の精度を有しているわけではありません。近年、血清学的な方法として、結核菌の菌体成分と菌由来の物質を抗原(蛋白抗原、複合体抗原)とする血液中の抗体を検出する検査法も開発されています。また、感染を受けた人の血液に試験管内で結核由来の抗原を反応させて血球から産生されるインターフェロンを測定する方法も開発されています。これまで結核感染に際しては、ツベルクリン反応が診断基準の一つとされてきましたが、HIV感染者、免疫抑制剤使用者、ある種の抗がん剤使用者などの免疫抑制状態にある例、さらに感染宿主が高齢者である場合などでは潜在結核を知るとき、ツベルクリン反応は陰性化するために他の診断法が必要となります。
結核の治療は、6カ月から9カ月の間数種類の抗結核薬の内服がおこなわれます。重症で周囲の人に結核をうつす恐れのある人は入院の必要がありますが、そのほかの軽症例では外来での治療が可能です。入院期間も現在では非常に短縮されております。また結核の治療は公費負担となっております。ただし、不規則な服用をおこないますと、治癒するまで長い日数を要することになります。今、世界的にDOTS(Direct observation treatment of short term=直接服薬確認療法)という治療方法がとられ大きな成果をあげております。
かつて、日本では結核が蔓延していた時代がありました。現在は高齢者施設、学校などにおける集団感染、ハイリスク集団における感染など、結核の偏在化が見られます。結核の早期発見、早期治療のために、日ごろの体調管理と、早期の受診がたいせつです。
(北秋田市)
(協力・大館市北秋田郡医師会〉
(平成17年6月24日掲載)
|