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汚い創に注意 破傷風に気をつけて
武内 純夫 武内外科医院
破傷風はどんな病気か知っていますか? これは、破傷風菌が体内に入って神経毒を産生し、強直性痙攣を引き起こし呼吸困難などで死に至る怖い病気です。一度発症すると根本的な治療法は無く、死亡率は20%〜50%と高く、発症予防が重要です。日本では1968年予防接種法によるジフテリア、百日咳、破傷風混合ワクチン(DTP)の予防接種が開始され、破傷風の患者、死亡者数は減少して1991年以降は年間30〜50人にとどまっていました。しかし2000年には92人と増加傾向にあります。罹患年齢的には中年以上に多く見られます。
破傷風菌はどこに存在するのでしょうか? 土壌の中に、しかも割合浅い地表10cmまでのところに多いようです。この菌は酸素を嫌うため通常は芽胞という形で存在し、休眠状態にあるものが土と一緒に傷の中に入ると目を覚まし発症するのです。
菌はどんな傷から侵入するのでしょうか? わずかな擦り傷や、釘を踏んだときのような深い閉鎖された傷、転倒事故や土いじりによる傷が原因になることが多いです。しかし、木の枝に引っ掛けただけでの発症例の報告や、侵入部位が特定できない場合もあります。われわれ外科医は、患者さんがケガをされて受診した場合常に破傷風を念頭において治療をしています。特に破傷風になりやすい傷として次のような規準があります。1 受傷後6時間以上経過した傷 2 剥離、擦過傷、挫滅創 3 深さ1cm以上の傷 4 挫滅組織の存在 5 土、砂、糞便、唾液による汚染がある―以上の条件がそろった時です。
治療および予防
侵入した菌は芽胞の状態で消毒薬では死にません、そこで土壌などで汚染された創を受傷した場合なるべく早く医療機関を受診してください。
医師は、創の開放、洗浄、挫滅組織の除去を行います。そして破傷風非免疫(過去に破傷風トキソイドを3回受けていない人、昭和43年以前に生まれた人)には破傷風トキソイドと免疫グロブリンを注射します。これを機会に1カ月後に2回目、1年後に3回目の破傷風トキソイドを注射し、免疫を獲得する事を勧めています。破傷風免疫者(過去に3回以上破傷風トキソイドを受けている人、昭和43年以降に生まれた人)には最終投与から5年以上経過した人には破傷風トキソイドを1回注射します。追加免疫は10年に1度でOKですが、土壌に触れることが多く外傷が予想される職業の人や、スポーツをする人は接種することを勧めます。
破傷風はまれな感染症ですが発症すると死亡する確率が高いので注意しましょう。
(大館市)
〈協力・大館市北秋田郡医師会〉
(平成17年6月10日掲載)
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