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発育期のスポーツ障害
オスグッド病について
大館市立病院整形外科 藤沢 洋一
雪解けとともに屋外スポーツの季節が到来しました。大リーグの松井選手やイチロー選手、ゴルフの宮里藍選手の活躍などをみると、子供の頃から英才教育をしなければならないと考える親も多いと思います。スポーツ少年団や部活での父母の過熱ぶりも尋常ではありません。しかし一般的には子供の時から一つのスポーツにのみ専心させるのはすすめられません。スポーツのし過ぎにより生じる体の障害は、使い過ぎ症候群(オーバーユース症候群)といわれ、子供の場合には無理をすると後遺症を残すことがあります。
子供の体は大人を小さくしたものではありません。発育期の骨は柔らかく軟骨成分に富み、筋肉も十分発達していません。筋力が弱いといろいろな運動で骨に負担がかかり、くり返されるストレスで骨が傷むことになります。
膝関節はどんなスポーツでもよく使われ、特に身長がのびる時期には、いろいろな障害が起こりやすい部位です。膝の前面には、膝をのばす大きな筋肉(大腿四頭筋)とその腱、それにつながるお皿(膝蓋骨)、お皿の靭帯、靭帯が付着する脛骨粗面があり、「膝を伸ばす」、「膝にかかる衝撃を吸収する」、「膝の動きを安定させる」という働きをしています。
小学校高学年から中学生にかけての男子が、膝の前面を痛がって来院することがあります。よく話を聞くと、冬はスキーのクロスカントリー、夏は陸上競技や野球と、一年中スポーツを頑張っており、お皿の下の骨が腫れて圧迫されると痛く、スクワットやジャンプが辛くなるということです。
これはオスグッド・シュラッター病といわれるオーバーユース症候群です。ランニングやジャンプ等で膝関節の屈伸がくり返され、大腿四頭筋が常に緊張して、靭帯の付着部の骨端軟骨に負担がかかって生じるものです。成長期には発育による骨の伸びに筋肉や靭帯の伸びが追い付かず、靭帯の付着部に負担がかかりやすくなるのも原因の一つです。
痛みは大事な警告反応です。早めに気付いたら無理をせず練習を休ませるのが大切です。最近はMRIの検査も行われ、骨端軟骨の状態が観察されています。初期の状態であれば、4から6週間の安静でよくなりスポーツに復帰できます。大腿四頭筋のストレッチも有効です。痛みを我慢してスポーツを続ければ、骨端軟骨にひびが入り軟骨の一部が剥がれて、お皿の下の骨が盛り上がったり、痛みが残ったりして、将来のスポーツ活動に障害を来すことになりかねません。一生を通じてスポーツが楽しめるように、早期発見、早期安静が大切です。
(平成17年4月15日掲載)
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