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笑う門には福きたる
扇田病院小児科 神田 進
気分転換にもれっきとした方法論があります。軽症の時は「気にしない」「気にしない」と自分に言い聞かすだけで十分ですが、これで十分でない時は次のようにします。まずはこんなところから始めます。自分のもやもやしたこの気持ちは何だろう。怒っているのだろうか、悲しいのだろうか、それとも寂しいのだろうか、はたまた虚しいのだろうか。自分の気持ちを自分の心に尋ねて下さい。なんだろうって静かに考えるときっと答えが浮かんできます。気持ちつまり感情がはっきりしているときはすぐに次のステップに行きます。次のステップは、自分のこの感情は正しいのだろうか、と自分の心に尋ねることです。このステップはかなり重要です。
自分のこの感情は正しいのだろうか。たとえば自分のこの怒りは正しいのだろうか。なぜ自分は怒るのだろうか。なぜ自分は怒らなければならないのだろうか。なぜ自分は怒る以外に方法がないのであろうか。怒る以外に解決する方法があるのではないだろうか。こんなふうに自分の心に尋ねることです。
いろいろな方法がこのステップではできます。自分のこの感情は正しいのだろうか。たとえば自分のこの落ち込みは正しいのだろうか。なぜ自分は落ち込むのだろうか。落ち込むことは自分のすべきことなのだろうか。落ち込むことで自分は良くなれるのであろうか。落ち込む自分は目指していた自分なのであろうか。目指していた自分は何だったのだろうか。自分が目指すべきなのは何なのだろうか。
自分のこの感情は正しいのだろうかと尋ねるこのステップと次のステップは重なり合いながら移行していきます。次のステップはどうしたら自分は楽しくなれるのだろうと自分の心に尋ねることです。たとえば自分のこの虚しさは正しいのだろうか。どうせ自分は誰からも理解されないという自分の感情は正しいのだろうか。どうせ誰も自分を好いてはくれないという自分の感情は正しいのだろうか。ちょっと待てよ。どうしたら自分のこの虚しいという感情を除くことができるのだろうか。どうしたら、何を考えたら楽しいという気持ちに少しでもなれるのだろうか。虚しさを押しのけるだけの楽しみの感情を続けるのにはどうしたらいいのだろうか。ここで一つの方法は、虚しい、だから楽しい、と考えることです。これを価値観の転換または逆転の発想といいます。このステップではこうして自分が楽しいという気持ちになれる方法を探ります。
そして次のステップは楽しみに自分を誘導することです。楽しいじゃないか、楽しいじゃないか、楽しいじゃないかと自分の心を誘惑することです。楽しい、楽しい、楽しいと心の中で歌いましょう、踊りましょう、笑いましょう。
この最後の方法はそれだけでも効果があります。声を出して笑うことです。声を出して「わっはっはっはっはっはっはっは」「あははあははあははあはは」を言いましょう、だんだん大きな声にするのが良いようです。まあだまされたと思ってやってみて下さい。
上手に気分転換をして楽しく暮らしましょう。笑う門には福きたる。
(平成17年3月25日掲載)
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