|
心臓性突然死の予知と対策 その3
北秋中央病院心臓血管外科 診療部長 蒔苗 隆
前回、突然死の3分の2以上以上は病院外でおき、そのうち心臓性突然死は主に心室細動(いわゆる心臓マヒ)が原因であること。心室細動を起こした場合、救命のために早期除細動が重要であること。自動体外式除細動器(AED)が開発され、医学知識のない一般人でも使用可能になったことを述べました。
実際、心臓性突然死を防ぐにはどうしたらよいでしょうか。目の前であなたの家族や友人が突然倒れた場合を想定してください。まず、意識の有無を確認してください。意識がなければ近くの人に救急車を呼んでもらいましょう。次に呼吸と脈拍の有無を確認してください。止まっていたり、はっきりしない場合はとりあえず人工呼吸や心臓マッサージなどの心肺蘇生術を始め、AEDを持ってくるように頼みます。
AEDが届いたら心臓マッサージを中断しAEDを使用します。使い方はとても簡単です。電源を入れた後は、装置から聞こえる音声指示に従って操作するだけです。あなた(使用者)がやることは患者に電極パッドを貼ることと通電(電気ショック)の指示があったとき通電のボタンを押すことだけです。心電図を解析して除細動の要否を判断する。充電する。通電の指示をする。除細動の成否を判断し、今後何をすればよいか指示するというのはすべて装置が自動的に行います。
AEDは心室細動か心室頻拍以外の状況に対しては何の作動もしませんので不必要な電気ショックを与えることもありません。ただ、AEDが作動しなくて心肺停止状態であれば、心肺蘇生術をしながら救急車の到着を待たねばなりません。
心肺停止状態が1分経過するごとに、10%ずつ救命率が低下するといわれています。心室細動に対し、一般人がAEDを用いて迅速に除細動を行うということは心臓性突然死を減少させる上で意義深いことだと思います。今後はAEDを人の密集する場所にできるだけ多く配備しておくこと、心室細動ハイリスク症例のAED個人所有などが求められます。
心臓性突然死の回避は生命を引き継ぐリレーです。スタートが肝心で、できるだけ良い状態で救急車、病院へとバトンタッチしなければなりません。あなたの大切な人を心臓性突然死で失わないためにあなたができることは、心室細動のリスクを知っておくこと、心肺蘇生法やAEDの講習を受けて迅速に救急処置ができるようにしておくことです。
(平成17年2月25日掲載)
|