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心臓性突然死の予知と対策 その2
北秋中央病院心臓血管外科 診療部長 蒔苗 隆
前回、心臓性突然死は突然死の約半数を占め、その死因の大部分は心室細動や心室頻拍であること。その予知については、血縁の中に突然死した人がいる、めまいや失神を来たしたことがある、心電図異常があるという人について検査し、ハイリスク症例を見つける。対策としては心室細動のハイリスク症例に対し、基礎疾患の治療とともに植込み型除細動器(ICD)を植込むという方法があるが、問題もあるということを述べました。確かにそのとおりなのですが、予知も対策も医療機関にかかってからのことですので、自分でできることは医療機関にかかることぐらいになります。
では、医療機関にかかっていない自分あるいは身近な人が突然死しないために何ができるでしょうか。
まず、心室細動について説明します。心室細動は心室筋各部が不規則かつ頻繁に興奮する状態で、心室全体では有効な収縮がなくなってしまいます。つまり、心臓が止まったのと同じ状態になります。心室細動発現と同時に心臓からの血液拍出が停止するため、脳血流が途絶し、3〜5秒でめまい、5〜15秒で意識消失が出現し、3〜4分持続すると、脳の不可逆的変化が生じ、死に至ります。したがって、直ちに救急処置を施行しなければなりません。致死的不整脈である心室細動に対する確実な唯一の治療方法は電気的除細動(電気ショック)です。心室細動ハイリスク症例に対するICD植込みは救命のための適切なアプローチではありますが、ハイリスクといっても、実のところ突然死(心室細動)をそれほど正確に予知する方法はいまだ確立されていません。突然死の3分の2以上を占めるのは、病院にもかかっていない、一見、ローリスクと思われている症例なのです。
発生を予知し得ない病院外の心室細動例に対して唯一可能な処置は、とにかく誰かが一刻も早く現場に体外式除細動器を運び、除細動(電気ショック)を試みることです。問題は、誰が体外式除細動器を現場に運び、そして除細動をかけるか、です。除細動器はそもそも、さまざまな頻脈性不整脈の停止を目的に開発されたものであり、その使用には専門知識が必要なため、長年の間、医師しか使用できませんでした。しかし、心室細動の大多数は街中や自宅など、病院外で発生することと救命のためには早期除細動が必要であることを考え、救急救命士が使用した半自動除細動器、さらに一般人でも扱える自動体外式除細動器(AED)が開発され、そのAEDが平成16年7月から使用できるようになりました。
(平成17年2月18日掲載)
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