毎週金曜日本紙掲載・協力:大館市北秋田郡医師会

心臓性突然死の予知と対策  その1


北秋中央病院心臓血管外科 診療部長  蒔苗 隆

 

 突然死は瞬間死を含む24時間以内の予期せぬ内因性死亡と定義されますが、研究の場では死亡までの経過時間を心血管系疾患(心臓性突然死)は1時間以内、脳血管系疾患は24時間以内とする考え方が多いようです。
 突然死の基礎疾患は心血管系疾患が約半数を占めるとされ、死因の大部分は心室細動や心室頻拍という心室の頻脈性不整脈(いわゆる心臓マヒ)であることが明らかとなってきています。わが国における心臓性突然死の年間発生頻度は人口10万人当たり50〜100人と推定され、原因疾患としては心筋梗塞を中心とする虚血性心疾患、不整脈(特にブルガダ症候群やQT延長症候群)、大動脈疾患、肥大型および拡張型心筋症などが重要です。
 心臓性突然死の予知は大変難しいのですが、血縁の中に突然死した人がいる、めまいや失神を来たしたことがある、健診やドックで心電図に異常があるといわれたという三つのいずれかに該当するならば、積極的に医療機関を訪れ、ハイリスクかどうかを診断してもらうのが一番です。
 危険だとわかっても対策を講じなければ何にもなりません。基礎疾患を持つ人はその治療をすることはもちろんですが、心室細動のハイリスク症例と診断された人については、最近では、植込み型除細動器(ICD)による突然死の予防的治療が積極的になされるようになってきました。心室細動が発生すると、それを自動的に器械が認知し、不整脈の種類を診断し、除細動の適応(救命のために除細動すべきである)と判断すれば充電を開始し、そして通電(電気ショック)という一連の救命治療が自動化されたということです。これによって心室細動に起因する心臓性突然死の確実な予防が可能になりましたが、問題がないわけではありません。現在まだICDを植込める施設が限られていること。また、致死性不整脈を一度も起こしていない人にまで、リスクが高いからといってこの400万円以上もする高価な器械を侵襲的な手術をして植込むことには当然議論があります。

(平成17年2月11日掲載)

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