毎週金曜日本紙掲載・協力:大館市北秋田郡医師会

『いびき外来』を開設して

たむら内科クリニック 田村豊一


 私は、以前(平成16年3月19日)この欄で、『睡眠時無呼吸症候群って何だ?』というタイトルで、書いたことがありますが、その後の事を書きます。
 当院で、今年の1月に「イビキをかいている貴方! 睡眠時無呼吸症候群(SAS)ではありませんか?」と院内に掲示して『いびき外来』を開設してから早くも8カ月を経過しました。8カ月間で、当院のパルスリープというSASを調べる簡易モニター検査を受けた人が41人になります。その人たちのことを纏めて、来る10月2日(土)に秋田市で行われる秋田県呼吸不全研究会に発表するデータが出来ましたので、その一部をご紹介します。
 パルスリープ検査を受けた人は、男34名、女7名の計41名で、平均年齢は59・7歳です。その内で、1時間当たりの無呼吸および低呼吸(無呼吸低呼吸指数=AHI)が15以上の人を、一般に睡眠時無呼吸症候群と言いますが、実に41人中28人(68・3%)の人がそうだったのです。何と多いことでしょう。その中でも特に、AHIが40以上の人は、重症で、すぐに治療を必要とする人達なのですが、その対象者は、13名もいました。そこで、この人達に以前も記載したのですが、在宅陽圧呼吸療法(CPAP)を試みました。
 結果、3人はとてもこの器械をつけて眠れないということで、脱落しましたが、残りの10名の人達は、現在もこの装置をつけて治療を継続しています。
 CPAP実施者10人の治療前後の眠気度判定(ESS)を行ってみましたところ、治療前が14・5あった数値が治療後4・8に低下し、明らかに眠気度が改善していました。この治療を開始した患者さんの多くは、「何十年ぶりかにぐっすり眠れた。もうこの器械なしでは、眠れない」と言っています。仕事の出張先にも持参している人がいます。しかも、この装置をつけていると、イビキを抑制している訳ですので、寝室を共にしているパートナーにとってもイビキの騒音に悩まされることなく、良く眠れて喜ばれています。
 この装置の欠点を上げると、今年の様な、ものすごい暑さの夏では、通常の人でも寝苦しいのですから、大変だったようです。それでもつけて眠ったと答えていますので、いかに今まで熟睡出来ていなかったかが推定されます。
 脱落した患者さんの原因を調べたら、その人達の眠気度は、CPAPを実施している人達と比較して低く、この装置の必要性を余り、感じない人達でした。しかし、長い目で見た場合、重度の睡眠時無呼吸が続いた人は、睡眠中の低酸素血症が長く続く訳ですから将来、高血圧症や心不全を合併し寿命が短くなるといわれています。他人から「イビキがひどい。寝ている時、息が止まっているよ!」と指摘されたことがある人は、是非、一度この検査(パルスリープ)を受けることをお勧めします。

(平成16年9月17日掲載)

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