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「太りにくい体質」は可能
−運動量増やし、基礎代謝高めて−
佐々木内科医院 佐々木隆幸
Q 最近肥満が気になります。酒を控え軽いランニングをしていますが、肥満は体質とも聞きました。太らないための体質改善方法と、それを確かめる方法があったら教えてください。
(37歳男性)
まず、ご自身が肥満かどうか確かめましょう。体重(kg)を身長(m)の2乗で割ったものがBMIといわれる肥満度の指標で、日本では25を超えていれば肥満とされます(ちなみに22がもっとも病気になりにくい状態とされる)。70kgl67cmであれば70/1・67×1・67=25。
「太りやすいのは体質か?」
遺伝はもちろん関与はありますが、全体からすればわずかとされます。一卵性双生児でも環境が変わると肥満度が大きく違うことがあります。人間の身体はもともと「飢えに対して強い」つまりエネルギー代謝が極めて効率よいのです。かつて(原始時代)長い期間「次にいつ食べられるかわからない」という状況にさらされていたため、食べ物が入ったときは、とりあえずため込むという対応ができています。そこに今日のような飽食や、機械化文明・車社会による身体活動量の減少が起これば肥満は避けられない。その意味で「現代人は皆、太りやすい状況にある」ともいえます。
太りやすさは、基礎代謝(安静での最低限のエネルギー産出量)を測定すればある程度推測できます。肥満に関連する遺伝子も次々に明らかになってきました。ただしまだ簡単には調べられません。基礎代謝は運動して筋肉量を増やすことによって増やせます。つまり「太りにくい体質になる」ことが可能です。
肥満は今や全世界的な傾向であり、大きな課題です。1998年に世界保健機関は世界的な肥満の蔓延を警告しました。日本では平成14年の国民栄養調査によると、男性はすべての年齢層において20年前10年前に比べ肥満者の割合が急増しており、30〜60代では3人に1人が肥満者となっています。
「なぜ肥満が増えるのか?」
肥満者の世界的な増加には、仕事や個人の毎日の生活で消費するエネルギー量の減少という背景があります。近くのコンビニへも自動車で移動、テレビやパソコンを前にする長い時間。掃除機や洗濯機による家事の省エネ。
一方、比較的安価で口当たりのいい食物(冷凍食品・ファストフードなど)が常に大量に入手可能となり、食事回数や一回の摂取カロリーが増えました。脂肪由来のエネルギーの比率が増加したことも肥満の増加に関係していると言われます。
それにしても「肥満はなぜいけないのか?」。肥満の健康障害はすぐには姿を現しません。小児や若年成人で見られる肥満の爆発的増加は、今後、糖尿病、高血圧症、虚血性心疾患、胆石、閉経後の乳がん、変形性膝関節症、腰痛の発生の増加となって現れ、直接的・間接的なコストは莫大になると予想されています。「便利で楽」の高い代償を払っていかなければならないわけです。
「運動して食事を減らせばいいんだろう」
基本的には肥満はカロリーの過剰摂取と運動不足が原因です。ただ予想に反して「肥満者はやせた人よりも平均してむしろ食べる量は少ない」というデータもあります。更年期以降の女性は内分泌の変化を受けてますます「少し食べてもすぐ太る体質」になります。また男性の「中年太り」といわれる内臓肥満のカギを握っているのは「アルコール」です。これに関しては次回。
(平成16年8月27日掲載)
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