毎週金曜日本紙掲載・協力:大館市北秋田郡医師会

アトピー性皮膚炎は治せるか

佐々木小児科医院
佐々木 静一郎(大館市)


 アトピー性皮膚炎は近年どんどんふえてきて、学校でのいじめとか、高額の自然食品などを販売する「アトピー商法」なるものもでてきて、社会問題にまでなってきた。この病気は早いものでは生後2か月頃から皮疹を生じてきて、小児科外来を受診する子どもたちの中でもその数が多い。また今日、成人の患者も問題となっている。
 アトピー性皮膚炎の特徴はというと、1.かゆい、2.くり返し出てくる、3.皮疹の典型的な形態と分布(幼児小児では顔面と伸側の皮疹、成人は屈側の苔癬化)があり、4.アトピー(喘息・アレルギー性鼻炎・アトピー性皮膚炎)の病気が本人とか家族に多く見られる、などがある。
 ところでアトピー性皮膚炎は皮膚だけの問題かというと、決してそうではない。スキンケア(皮膚の手入れ)に始まり、こまやかな薬物療法、食物の影響、小児の成長・発達、保護者の心理的な問題などがある。そして小児科は小児内科を中心にした診療科であるから、小児の保護者に対してアドバイザーの役割を果たすべきであると思う。
 さて、この病気は先に延べたように乳幼児期に始まって、軽いものでは5〜6歳までに自然に治るものが多い。ではそれ以外の、なかなか治りにくいものはどうすればよいのか、これが問題だ。
 そこで次には当院で行っている「ビオチン療法」を紹介する。
 この「ビオチン療法」というのは、前橋賢氏(元国立療養所秋田病院副院長・内科、現本荘第一病院内科)の創案になるもので、牧野好夫氏(元皮膚科牧野クリニック院長・仙台市)との共同研究によって確立されたもの。
 その要点は、「アトピー性皮膚炎患者の血清ビオチン濃度を測定してみると健康な人よりもその値が低いので、ビオチンを投与(主に内服)してみたら皮疹が軽くなって、ステロイド含有軟膏の使用量をへらすことができた」という。ビオチンというのは、ビタミンB群に属するビタミンで腸内細菌叢で合成されるが、一般食品にも含まれる。アトピー性皮膚炎には代謝異常が関係するといわれており、ビオチンはこの代謝をスムーズに進めるための潤滑油のようなものである。
 最後に治療法をまとめておくと、1.代謝異常にはビオチンを、2.皮疹にはステロイド軟膏、3.乾燥肌には保湿剤、4.掻痒(そうよう=かゆみ)には抗ヒスタミン剤・抗アレルギー剤、5.感染禦が必要なときには、抗生物質をも使用する。

(平成15年12月26日掲載)

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