毎週金曜日本紙掲載・協力:大館市北秋田郡医師会

近視の話
その1・子供の視力低下

小林眼科医院
小林 真(鷹巣町)


 正常の大人の眼球の大きさ(直径)に最も近いのは、次のうちどれでしょうか?
 ア.1円玉 イ.10円玉 ウ.500円玉
 それぞれ定規で直径を測ってみて下さい。ア.の1円玉はおよそ17mm。イ.の10円玉は23mm。ウ.の500円玉は26mmあります。正常の大人の眼球の直径は23mmあります。したがって答はイ.の10円玉ということになります。意外に小さいと思った人が多いのではないでしょうか。ちなみに赤ちゃんの眼球の大きさはア.の1円玉、17mmくらいです。
 人間の眼球は体の成長に伴って徐々に大きくなっていきますが、赤ちゃんの眼球はその直径も小さく「遠視」の状態になっています。身体が大きくなると眼球も発達し、やがて23mm程の大きさになります。個人差もありますが、この時期が小学校の高学年です。大きさが23mm前後で発達が止まってしまえば、遠視でも近視でもない状態、「正視」になるわけですが、さらに眼球が大きくなれば「近視」の状態になってしまいます。どちらかというと日本人は23mmを越えて大きくなる傾向にあるようです。ですから学校での視力検査で、去年まではAだったのに今年はCになった、と慌てて眼科を受診する人が多いのはこのためです。
 小学生〜中学生の時期に視力が低下するのは、眼球の発達に大きく関わっているということになります。身体の成長を止めることができないように、眼球の発達を止めることはできません。つまり、子供の視力低下の大きな原因である眼球の発達に伴う近視化は、防ぎようがないというわけです。これはなかなかショッキングなことですが仕方がありません。では、身体の成長に伴う近視化の他に、子供の視力低下の原因はないのでしょうか?

(平成15年12月12日掲載)

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