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アレルギー性鼻炎(特に花粉症)の対策について
鹿角組合総合病院耳鼻咽喉科
神田 晃(鹿角市)
厳しい冬もあと1カ月もすれば秋田県にも春が訪れようとしていますが、花粉症をお持ちの方にとっては、重苦しい嫌な季節が到来します。花粉症と言えばスギ花粉症が最もポピュラーですが、スギ花粉症の他にもさまざまな原因でくしゃみ、鼻汁、鼻閉などの症状を起こします。このような症状を起こす疾患群を一般に鼻過敏症といい、その中に鼻炎とアレルギー性鼻炎があります。アレルギー性鼻炎は死を招く程の病気ではありませんが、生活の質を下げる病気です。
アレルギー性鼻炎を簡単に説明すると、大量の外来抗原(スギ花粉、ダニなど)を吸入するとどんな人でも異物を外に排泄しようとしてくしゃみ、鼻汁等の生体防御反応が作動します。しかし、ある日突然、普通なら症状を来さないような微量の原因物質の吸入で一連の過剰な生体防御反応が体の中に作り出されてしまいます。このような反応を抗原抗体反応といい、それによって起こる鼻炎をアレルギー性鼻炎といいます。
アレルギー性鼻炎を引き起こす代表的なものとして、スギ花粉の他にイネ科の植物、キク科の植物、ダニ、ハウスダスト等があります。知らず知らずのうちにいろいろな物質に対するアレルギー反応が作り出されていますが、特にスギ花粉症に関しては抗原となるスギ花粉が大量に広域に飛散されるので大きな社会問題となっています。
では、どのような治療法があるのかというと、一番は原因となる抗原を吸入しないことです。それには自分がどのようなものでアレルギー性鼻炎が引き起こされるのかということをまず知ることに始まります。敵(原因物質)を知ることで大まかな対策を立てることはできます。特にスギ花粉症では飛散期の外出時にマスク(最近発売されるものに非常に装着感のいい使い捨てのマスクがあります)を装着したり、抗原の持ち込みを室内に制限(外気を室内になるべく入れない・布団を外で乾かさない・上着を室内に入れる前に外でよく叩く等)したりするなどの対策である程度対応することはできます。
しかし、敵から完全にシャットアウトした空間で生活することは難しいのが現状で、お薬に頼らざるを得ないことがあります。残念ながら現在の医療では、お薬を飲んで根治出来る病気となっていませんが、お薬である程度症状をコントロールすることは可能です。
スギ花粉症では、飛散する2週間以上前からあらかじめお薬を内服することで症状が軽減されることが知られています(ちなみに東北でのスギ飛散開始は2月末頃から始まるのでそれ以前から内服を開始されることをおすすめします)。また、薬によっては鼻閉によく効くものや、鼻汁やくしゃみによく効くものや、眠気のないものなどいろいろなお薬があるので医療機関に相談してみてはどうでしょうか。でも、なかなか病院にはいけないという方もおられるかと思います。市販薬にも良いお薬がありますが、点鼻薬を慢性的に使い続けている方はおられないでしょうか? 一時的に鼻の通りが非常によくなるタイプの点鼻薬がありますが、使いすぎると逆に鼻閉がひどくなり、もとに戻らなくなることがあるので注意が必要です。また、雑誌等を見てステロイド剤の局所注射を希望される方がおります。飛散期に1〜2回するだけで花粉症の時期を乗り切る事が出来る治療法ですが(アレルギー性鼻炎に対して保険適応となっている治療法ではありません)、注射した局所にしみやあざが出来たり重篤な副作用が出現したりすることがあるので医師と十分に相談して、納得の上でされることをおすすめします。
それでも「お薬ではなかなか症状がよくならない」とか「お薬をなるべく飲まなくてもいい方法は?」と言う方がおられるかと思います。薬物療法以外の治療法として、以前からよく行われているものに減感作療法や手術療法等があります。しかし時間的、金銭的、副作用、入院する必要等の問題があるため一部の施設や、入院ベッドを持っている病院でしか行われていないのが現状です。その中で比較的広まっている治療法としてレーザー治療があります。外来で出来る治療法として脚光を浴びており8〜9割の制御率があると言われております。花粉症に関しても飛散する約1カ月前のレーザー照射が効果的であるといった報告がありますが、治療効果が永続的ではないなどの問題点もあります。
このようにアレルギー性鼻炎と言ってもさまざまな治療法があり、その治療法は一長一短です。自分に合った治療法を見つけるために、一度専門医に相談してみてはどうでしょうか?
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